えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ

ケン・ローチ監督の「天使の分け前」をレンタルで見た。原題を"Angel's Share"を訳すと「天使の分け前」というより「天使の取り分」と言った方がぴったり来るような気がした。"Angel's Share"とは、ウィスキーを木の樽で熟成させる過程で毎年2%づつその量が減っていくのだそうだけど、その2%が天使の分だという意味らしい。この映画で描かれているのはイギリスのワーキング・クラスよりもさらに低いアンダー・クラスで生きる若い人たちで、これが、今のイギルスのリアルなのだろう。それは、イギリスというよりもブリティッシュのリアルと言った方がふさわしい。この映画で描かれた彼らが、あたかも天使であるかのように写りもし、たかが2%ぐらいの取り分ぐらいよこせよ、と歌っているかのようなのだ。その歌は、ブリティッシュのロックンロール・ミュージックの源流として、ジョン・レノン、ジョン・ライドン、リアム・ギャラガー、ノエル・ギャラガー、ジェイク・バグへと通底している歌らしいのだ。さて、映画にもどれば、けれん味のない展開についには爽やかさすら感じてしまいました。英国映画界の至宝のようなベテラン監督の快作です。
http://tenshi-wakemae.jp/

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