えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

entry_top_w.png

TOHOシネマの「午前10時の映画祭」で黒澤明監督の「用心棒」を大きな映画館のスクリーンで見た。おもしろかった。

これがマカロニ・ウェスタンと呼ばれるセルジオ・レオーネ監督らのイタリア製の西部劇の源流というか元ネタとなった映画が日本の黒澤映画だったのを、実際の「用心棒」を見て了解してしまった。ストーリーどころか、その映像のタッチとか、セリフとかそっくりというか、真似に近いような多大な影響です。

スティーヴン・スピルバーグの最も尊敬する映画監督が黒澤明であることは広く知られていることだけど、先にあげたセルジオ・レオーネ、そして、フランシス・フォード・コッポラも黒澤への敬意を隠さない。世界のクロサワです。

さて「用心棒」に戻り、桑畑三十郎を演じる三船敏郎がすごくかっこいい。朴訥だけどユーモアのある語り口、どこにも属さない一匹狼の風来坊だけど、剣は滅法、強くて、弱いものはやさしく、義にまっすぐで、どこかやさぐれ。憧れるな。

用心棒 4Kデジタルリマスター版」上映作品詳細 - 午前十時の映画祭9 デジタルで甦る永遠の名作
entry_bottom_w.png
entry_top_w.png

是枝裕和監督の「万引き家族」を見ました。是枝監督は「誰も知らない」のころからファンです。映画のテーマはの一つが絆ということかもしれないけれど、それだけに収まらず、たくさんのことが小さな舞台に重ねられ、丁寧に描かれている。

是枝監督の映画を見ていつも思うのだが。子どもを描くのが本当にうまい。城桧吏くんと佐々木みゆちゃん、名演技です。

今作は音楽が細野晴臣さんで、それがまた素晴らしい。ラストシーンの後、エンドロールが始まり細野さんのインストルメンタルのテーマ曲が流れ、涙が止まらくなってしまった。今でもいろんなシーンを思い出すとなぜか目頭が熱くなる。

カンヌ映画祭のパルムドール、おめでとうございます。

是枝裕和監督 最新作『万引き家族』公式サイト - GAGA
entry_bottom_w.png
entry_top_w.png


この前、ウェス・アンダーソン監督の「犬ヶ島」を見ました。日本と取り巻く世界のいろいろなことを、20年後の日本の都市を舞台に重層的に描きながら、ある特定の時代、ぼくの子ども時代、1970年代の日本へのオマージュ、憧憬でもあるようなような映画のようでありました。

動き出す犬や人の人形たちを見ているだけで楽しいし、その造られたジオラマの景色も美しい。動く人形の犬たちがかわいい。今の世界について考えさせられれながらも、愛おしくかわいい映画です。

映画『犬ヶ島』 公式サイト
entry_bottom_w.png
entry_top_w.png

沖田修一監督の「モリのいる場所」を見ました。画家、熊谷守一とその妻、秀子の晩年の数日を描いた淡々とした映画でした。ほとんど、ストーリーらしきもののない映画が風狂、自由、そして、清廉という言葉がぴったりと来そうな熊谷守一の人とその絵のようでした。

熊谷守一を山崎努さんが、秀子を樹木希林さんという二人の名優が演じておられます。こんな年老いた夫婦がいたのかとほほえましきももあり、なんだか、とても素敵でした。熊谷家の家事手伝いの美恵の役の池谷のぶえさんもいい感じ。

家に帰って来て、映画を思い出しながら、この前、熊谷家の跡地に熊谷の娘の櫂さんが建てられた熊谷守一美術館で買った「熊谷守一画文集 ひとりたのしむ」を見つつ、にやにやと微笑んでしまう。そして、再び映画を思い出して、映画に何度も現れた小さなな生きものたちがとてもかわいかった。

映画『モリのいる場所』公式サイト
entry_bottom_w.png
entry_top_w.png

レンタルDVDで山中貞雄監督の「人情紙風船」を見た。1937年(昭和12年)公開の日本映画。

フェデリコ・フェリーニの初期のモノクロの映画のようでもあり、「東京物語」のような小津安二郎の映画のようでもあり、これが戦前に撮られていたことに本当に驚き、天才が残した傑作だと思った。

この映画の封切り当日に二十七歳の山中貞雄に赤紙が届き、翌年に戦地で亡くなり、帰らぬ人となった彼が残した言葉は、手記に「紙風船が遺作とはチト、サビシイ」。

川のような映画の中の風景に人びとが塵芥のようにさまよい、流れてゆき、深くもの悲しさを誘う。
entry_bottom_w.png
entry_top_w.png

チャン・フン監督の「タクシー運転手 約束は海を越えて」を見る。光州事件とも呼ばれる1980年の光州蜂起を背景に、それを取材しようとするドイツ人記者と戒厳令の中、ソウルから光州まで送り迎えをするタクシー運転手の話の韓国映画でした。

そういえば、韓国の1980年代は遅れてやってきた1960年代のような民主主義を求めて街頭で市民たちが戦うそんな季節なのであったらしいことを思ってしまう。そして、自分たちで、民主主義を勝ち取った韓国の人たちのことがどこかうらやましくも思ってしまう。

エンターテイメントたっぷりのこの映画のエンドロールで、この映画の主人公となったドイツ人の実在のピーターが登場し、彼を光州まで送り、ソウルまで帰って来てくれたタクシー運転手を探している、再会できたら、とんなにうれしいだろうか、と語っていた。本当にこんなタクシー運転手がいたらしいことに驚いてしまのだけれども、しかし、彼が名乗り出ることはなかったらしい。

きっと、歴史とはこんなタクシー運転手のような人の作る物語でもあるのだ。この映画、韓国で大ヒットしたらしい。いい映画でした。どんな壁も崩れていくことを信じつつ、いつか、朝鮮半島を北と南に分けている国境線も無くなっているのを願っております。

映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』公式サイト
entry_bottom_w.png
entry_top_w.png
ジョー・ライト監督の「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」を見ました。ゲイリー・オールドマンの演じるチャーチルがリアルで、チャーチルになりきっていて、歴史の現場に立ち会っているかのようです。ヒットラーが西ヨーロッパを無法な戦場とする中でウィンストン・チャーチルは首相となり、その直後の約一ヶ月が描かれています。苦渋の選択をせざるえないチャーチルの姿に、ぼくは国のリーダーに最も必要なことの一つは、不正義を嫌悪し、憎み、怒る心のありようなのではないかなどと、僭越ながらも思いました。

昔、 西部邁さんと佐高信さんという二人の論客が対談をするテレビ番組を見ていて、意見を対立させるお二人が、同じようにウィンストン・チャーチルを偉大な政治家とおっしゃっておりました。この朝からウィスキーを飲む、つねに葉巻を吹かし、敗戦の元軍人で、かんしゃく持ちの政治家は、国やヨーロッパのことを危惧し、悩み、一睡もせずに考えつづける。危機に瀕するヨーロッパのために時代が送り込んだ人物のような気もしてしまう。いつか、チャーチルの大著「第二次世界大戦」も読んでみたい。

映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』
entry_bottom_w.png
<< 前のページ   HOME   次のページ >>
[27]  [28]  [29]  [30]  [31]  [32]  [33]  [34]  [35]  [36]  [37
plugin_top_w.png
カレンダー
02 2025/03 04
S M T W T F S
5 7
10 11 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
えいちゃんのお奨め

ライブのお知らせ

ぼくのTwitter

plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
最新コメント
[12/23 ロンサム・スー]
[07/27 gmail account]
[08/29 えいちゃん]
[08/29 みさき]
[05/18 えいちゃん]
plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
ブログ内検索
plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
最新トラックバック
plugin_bottom_w.png
Copyright えいちゃん(さかい きよたか) by えいちゃん All Rights Reserved.
Template by テンプレート@忍者ブログ