えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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ミキ・デザキ監督の『主戦場』を見ました。従軍慰安婦をめぐる議論のドキュメンタリーでした。

長々と話す自由民主党の右派の議員を見ていて、気持ちが悪くなる。

ぼくは、国とか、人種とか、民族とか、宗教(なんてたくさん信仰を理由にした戦争を起こしてきた人類)も越えて、心の中に良心を持ちつづけたいとも思う。これこそ命と同じ本当の宝ものだとも思う。

そうだ、日本は世界に向けて、日本帝国陸軍の残虐な悪行を明らかにして、もうそのようなことはしない、永久にしないと立法したらどうだろうか? そうすれば、憲法前文にかなう栄誉ある国にやっとなれるのではなかろうか?

そして、このような非人道は21世紀になった今もやまずに世界のあらゆるときろで続いていることが恐ろしい。ミャンマーはロヒンギャの人々に何をしている? イスラエルはパレスティナの人々に何をしている? 中国はウイグルやチベットの人々に何をしている?

映画にもどり、今の政権のもくろむ改憲に命をかけて戦う、妻の許しも得ていると、『主戦場』に出演していた本気をむき出しにする憲法学者の小林節さんは、もとは九条の改変を主張していたのではなかったか? それはいいとして、彼らは映画には登場しないのだけれども、新しい歴史教科書をつくる会の会員であった亡き西部邁さんや、同じく作る会の元会長の右派の重鎮の論客、西尾幹二さん、漫画家の小林よしのりとかにもそっぽを向かれ、それでも若者や芸能人に人気のある総理大臣ってかっこいいなぁ。

そして、妄想の中を生きて富と名をなしたかのような、映画の最後においでまします日本会議の大立者、加瀬英明はある意味すごいっす。けれど、九十五歳にして勇気ある告発をした元日本軍兵士の松本栄好さんの言うことと真逆。ぼくはわがことを捨てて発言されている松本栄好さんを尊敬します。

映画『主戦場』公式サイト
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仕事帰りにポレポレ東中野に寄り、熊谷博子監督の「作兵衛さんと日本を掘る」を見ました。

炭鉱絵師と呼ばれ、世界記憶遺産にその絵や日記がユネスコの世界記憶遺産に登録もされている山本作兵衛の生涯と絵、ありし昔日の炭鉱の町を追い、掘ったドキュメンタリー映画を見ながら、ぼくの亡き父の生まれ育ったところは、こんな貧しき人々の歴史もあったのかと思う。もう、ぼくの物心ついたころには筑豊の炭田はなくなっていたのだけれども。そこには、命をかけた過酷な労働と、酷い差別すらもあった。今でもそれは続き、人々の棄民されていくことを、山本作兵衛さんは何も変わらないと言っていたと思うのだけれども、暗闇の斜坑の中でのカンテラの灯だけをたよりにした男たち、女たちの命の輝きもあったし、石炭とボタヤマの町の人々の人情があったのです。

だから、想像力を働かせれば、筑豊の町々はアメリカのブルーズやソウル深南部のようでもあって、映画の中で流れた山本作兵衛さんの歌う「ゴットン節」が胸にしみた。

その輝きと情けが薄れていくようでもある今、よき映画を見させてもらったようでもあって、ぼくは、小さい映画館で会った熊谷博子さんに、ありがとうと言いそびれたとも思うのです。

映画「作兵衛さんと日本を掘る」公式サイト
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藤井道人監督の『新聞記者』を見た。

スピルバーグ監督の『ペンタゴン・ペーパーズ』みたいな映画かなと思って見に行って、『ペンタゴン・ペーパーズ』はトム・ハンクスがかっこよかったけれど、『新聞記者』の主人公の日本人の高名な自殺したジャーナリストを父に持ち、韓国人の母を持つ、ニューヨーク育ちの新聞記者、吉岡エリカの役のシム・ウンギョンさんもかっこいいです。そして、見進めていくうちに、若き国家官僚、杉原拓海を演じる松坂桃李さんの誠実な姿も、もう一人の主人公であるのに気付くのだった。

フィクションでありながら今の日本に地続きの物語で、多分、この映画のモデルともなった東京新聞の望月衣塑子さんや文部省の事務次官であった前川喜平さんが対談している実際のシーンが主人公の吉岡エリカが深夜に見るテレビに映され、現実と映画が接合されてしまい、二人の主人公が良心と正義に目覚め、壁を突き崩そうとし、重苦しい映画のエンディングが訪れる。杉原拓海の上司を演じる田中哲司さんの怖い演技にびびる。ひさびさに社会派のよい日本映画を見ました。

現実に続きがあるのならば、この映画にも続きがありそう。

映画『新聞記者』公式サイト
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ブルース・スピーゲル監督のドキュメンタリー映画「ビル・エヴァンス タイム・リメンバード」を見た。ジャズ・ピアニストのビル・エヴァンスの生涯を残された動画や写真、本人を含むいろんな人たちの証言から描いていた。

生涯、逃れられなかった薬物依存、いくつかの恋、そして、音楽の人生。その音楽は本当に美しい。余計なものを何も足さず、必要なものを何も引かず、そんなビルのピアノの音楽に、ぼくは、仏教の禅を思い出してしまう。だから、その美しさは真実ということなのだろうか? 麻薬は、彼の人生に余計なものだったのだと、ぼくは映画を見ながら思い、そのぎりぎりの美の探求が、彼をそれに向かわせ、彼の人生をもついに奪ってしまい、それはやはり悲しいことだとも思う。もしかして、ビルが東海岸に向かい、そこで日本の禅に出会っていたら、もっと長く生き、美しい音楽をさらに奏でていたかもしれないと想像し、もしかして、その生涯にわたって、彼自身の希死願望に彼は苦しんでいたのかもしれないとも想像する。ビル・エヴァンスの美しいピアノの音楽は常に憂いを含んでいるのです。

映画『ビル・エヴァンス タイム・リメンバード』公式サイト
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バリー・ジェンキンス監督の「ビール・ストリートの恋人たち」を見た。これで「グリーンブック」、「ブラック・クランズマン」と合わせて、近頃、公開された黒人への差別を扱った評判の映画を見たということになる。どれも面白かったのだけれども、これらの3本の映画の中でもっとも重苦しく、そして、もっとも美しかった。

ストーリーは、無実の罪で逮捕された黒人青年とその恋人、若い二人をめぐる中々進展しない静かなホーム・ドラマで、ローアングル、ローポジションや会話の時のカットバックなど、小津安二郎の松竹映画を思い出させる。悲劇を扱いながら、音楽的な美しく静かな名作。バックでかかるニーナ・シモンのジャズも素晴らしい。

さて、原作のジェームズ・ボルドウィンはぼくが高校生の頃の大好きな作家で、新潮文庫で出ていた「もう一つの国」は何度も読んだ。この「ビール・ストリートの恋人たち」の原題は"If Beale Street Could Talk"で小説では「ビ―ル・ストリートに口あらば」と訳され、それは「ビ―ル・ストリートが話をできたなら」というような意味なのだけど、この映画の舞台はニューヨークのマンハッタンで、舞台としてのビ―ル・ストリートは一度も登場しない。そこはジャズの生まれたニューオーリンズにある通りで、すべてのアメリカの黒人の故郷であったところ、と映画の題辞、エピグラフとして語られ、ムーディーな恋人の映画に更にずしりと重たいメッセージを発信してもいる。ジェームズ・ボルドウィンのたくさん小説群も再読してみたい。

スパイク・リーはもうまどうことなき巨匠で、このバリー・ジェンキンスは次の次の世代だろうか、すごい映画監督が登場したものだ。

そして、ヒロイン役を演じるキキ・レインの笑顔がまぶしいです。

映画『ビール・ストリートの恋人たち』公式サイト - ロングライド
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TOHOシネマズで「午前十時の映画祭」というのをやっていて、昔懐かしの映画が大きなスクリーンにかかるんです。たまに見に行きます。

今日はTOHOシネマズららぽーと横浜にスティーヴン・スピルバーグ監督の「E.T.」を見ました。何度か、テレビとかレンタル・ビデオで見ているのだけど、大きいスクリーンは格別で、とてもよかったです。特にあのETをカゴに乗せて自転車で空を飛ぶシーン、最高だわ。自転車って、神話と夢の世界からおりたってきたような最高の乗り物ですね。映画の面白さと感動のど真ん中をゆくような映画で、「E.T.」は何度、見てもすばらしい。

この「午前十時の映画祭」、来年の3月で終わってしまうそう。とても残念です。11月の「サウンド・オブ・ミュージック」は絶対、見に行くぞ。

「E.T.」上映作品詳細 - 午前十時の映画祭10 デジタルで甦る永遠の名作
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黒澤明監督の「八月の狂詩曲」をレンタルDVDで見る。

この映画は黒澤組の最後の映画で、ラストの「終」の字を見ながら、黒澤明の壮大な何十年もかけて綴られた夢の世界も終わったのかと思い、なんともいえない感じ。そして、この映画は大林宣彦監督のふるさと映画の原型でもあるような気もし、平和への願いは今もかなえられずに、祈りのように静かにつづく。

夏休みに子どもたちがおばぁちゃんの田舎に家に帰ると、不思議なことがあるのは、ぼくも経験したことでもあるのです。

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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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