えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ

星野哲也監督の映画『ジャズ喫茶ベイシー Swiftyの譚詩(Ballad)』を見ました。岩手県の一関に「ベイシー」という古いジャズ喫茶があって、そこを追いかけたドキュメンタリー。
ジャズ喫茶「ベイシー」もかっこいいが、「ベイシー」のマスター、菅原正二さんが、さらに輪をかけて、かっこいい。菅原さんの「ジャズというジャンルはない、ジャズな人がいるだけだ」は名言だなぁ。この「ベイシー」という喫茶店、ある時、霊媒師がやってきて、ここにはいろんな霊が住みついている、お祓いをした方がいい、と言われ、菅原さんは一人も払わないでくれ、と答えたという逸話も残る。音楽の歴史のようなそこには、いろんなミュージシャン、それこそ、カウント・ベイシーからエリビン・ジョーンズ、安倍薫から渡辺貞夫、坂田明の面々、いろんな人がやってきているのを壁一面の書置きも物語っているのです。
ぼくも今夜はレコードで古いジャズを聴きましょうかね。
『ジャズ喫茶ベイシー Swiftyの譚詩(Ballad)』公式サイト


ポレポレ東中野で三上智恵さんと大矢英代さんのお二人の共同監督のドキュメンタリー映画『沖縄スパイ戦史』を見た。
そうか、やはり、軍隊は、戦争の時、人を守るものではなかったのか、守るというより人を犠牲にして、命を奪うという沖縄戦の教訓。取材に応じた今は八十歳を超えるゲリラ戦を陸軍中野学校出身の青年将校に仕込まれた元少年兵は、沖縄戦を忘れたら、また地獄になるよと言う。
戦争マラリアのことはよく知らなかった。波照間島での山下虎雄という偽名を名乗る、陸軍中野学校出身の男からの軍刀を振りかざした暴力による西表島への全島民の強制移動により、強制収容所のような所でマラリアにかかった人たちが、つぎつぎに倒れ、死んでいった。波照間島の学童慰霊碑の碑文にはこうあるという。
「太平洋戦末期一九四五年四月八日 西表島字南風見へ強制疎開させられ全学童三二三名はマラリアの猖獗により全員罹患 中六六名を死に至らしめた
かつてあった山下軍曹(偽名)の行為はゆるしはしようが然し忘れはしない
本校創立九〇周年を記念し、はるか疎開地に刻まれた「忘勿石」を望む場所に その霊を慰め、あわせて恒久平和をねがい碑を建立する
一九八四年七月一六日
波照間小学校創立九〇周年記念事業期成会」
旧日本陸軍の考えは反省もされず、今の自衛隊に残されていという。そして、石垣島での市長選での自衛隊誘致を推進する市長の勝利により、他国の軍から標的にされる巨大な弾薬庫が建設されている。ぼくたちは、せめてもの、例えば選挙で、戦争の方に向かっていかない議員を選びつづけないといけない。
映画『沖縄スパイ戦史』公式サイト


Alan Elliott、Sydney Pollack監督の"Amazing Grace"のDVDを見ました。Aretha Flanklinの1972年のロスアンゼルスの教会でのライブです。教会は思ったほどにはそんなに大きくなく、コンサートというより、ゴスペルを歌い演奏する日曜礼拝。バックの演奏は、ギターがCornell Dupree、ベースがChuck Rainey、ドラムスがBernard Purdie、鉄壁の完璧です。Southern California Community Choirのゴスペル・コーラスの素晴らしさと天使や神さまが降りてきてもいるだろうArethaの神がかりの歌。見ているうちに鳥肌が立ち、何度もぼくの眼から涙がこぼれ落ちました。
(アマゾンでDVDを買ったのですが、リージョン・エラーでDVDプレイヤーでは見れず、パソコンで見ました。御注意あれ。そして、ヘッドフォンでけっこう音量をあげて視聴すること、お勧めします。映画館で見たかったな。どうして日本公開しないんだろう?)
(アマゾンでDVDを買ったのですが、リージョン・エラーでDVDプレイヤーでは見れず、パソコンで見ました。御注意あれ。そして、ヘッドフォンでけっこう音量をあげて視聴すること、お勧めします。映画館で見たかったな。どうして日本公開しないんだろう?)
AMAZING GRACE - Official Trailer - Aretha Franklin Concert Film


キャサリン・ベインブリッジ監督のドキュメンタリー映画『ランブル 音楽界を揺るがしたインディアンたち』を見る。原題は『Rumble: The Indians Who Rocked The World』。
ジミ・へンドリックス、ロビー・ロバートソン、そして、ぼくの大好きなギタリスト、ジェシ・エド・デイビスがネイティブ・アメリカン、所謂、インディアンに出自を持つことは知っていたけれど、リンク・レイというギタリストは知らなかったな。リンク・レイのインストのヒット曲「Rumble」は今ではハードロック、パンクロック、ヘビーメタルの元祖ともいわれ、初めてパワーコードでエレキギターを演奏した曲であるそうで、なみいるロック・ミュージシャンは畏敬の念で彼のギターサウンドから影響を受けたという。そのリンク・レイを皮切りに、アメリカの音楽へのインディアンのミュージシャンの貢献が映像と音で語られる。
近年ではインディアンとは呼ばずに、「ネイティブ・アメリカン」などと呼ぶそうだけれど、この映画『ランブル』では歴史の苦難を直視し、それを含めて、尊敬から「インディアン」と呼んでいると思う。
アメリカのポップミュージックへのインディアンの貢献は深くて、広範だ。ブルースの祖、チャーリー・パットンがインディアンに出自を持ち、ブルースのもっとも初期の歌姫、ミルドレッド・ベイリーもそうであった。
そうだ、多くの白人の若い人が「Black Lives Matter(黒人の命は大事)」のデモに参加し、この『ランブル』のような映画が公開されている。アメリカは変わりつつあるみたいだ、いい方に、などと、想像をめぐらしながら、ぼくはこの映画をとても楽しみ、歌い演奏するインディアンのミュージシャンへの尊敬を込めて描かれる映画を心から喜んでもいたのです。
そして、ぼくの大好きなジェシ・エド・デイビスがタジ・マハールと演奏しているムービーを紹介します。あー、ジェシ、かっこいなぁ。
『ランブル 音楽界を揺るがしたインディアンたち』公式サイト


kino cinema 横浜みなとみらいで大林宣彦監督の「海辺の映画館ーキネマの玉手箱」を見ました。そうだ、大林監督は監督といういわれ方は好まず、映画作家と名乗っていましたね。
映画が始まってすぐにこれが大林組の最後の映画だと思うと、万感、来る思いに胸がジーンとしてくる。あっという間も3時間15分でした。
大林さんは本当に映画と詩人の中原中也がすきだったんですね。先人の日本の日本映画を作りあげた人への尊敬と愛をちりばめながら、中也の詩から導き出されるもう一つの近代史を映像と音でめぐる魔法のひと時でした。
爺・ファンタ役のミュージシャンの高橋幸宏が狂言回しとしていい味、出していました。そして、希子役のヒロインの吉田玲さんが100%フレッシュ。この「希子」の「希」は「希望」の「希」で大林宣彦の思う大切な何かを明日に託して担っているようでした。
これでもう大林宣彦さんの新作が見れないなんて、本当に寂しい。
映画「海辺の映画館ーキネマの玉手箱」公式サイト 2020年7/31公開


MOVIX橋本で宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』を見る。
何回もこのアニメ映画を見ているのだけれども、わけのわからない凄い話で、ただの空想譚ではなく、地に足の付いている不思議な説得力やらリアリティがある。あるインタビューで、宮崎駿さんは、この『千と千尋の神隠し』の頃、柳田國男の著作を読み漁っていたと言っていた。これは汎東アジアに通じる伝統の日本の口碑の力だろうか? 何度見ても、驚き、感動してしまう子どもと大人の間のひと夏の夢と現のはざまの絵物語なのです。
あら、リンの声は渋さ知らズで歌っている玉井夕海さんが演じているのね。素敵です。つづきの物語として、千尋はハクやリンと再会するのかしら? 誰も知らない。
何回もこのアニメ映画を見ているのだけれども、わけのわからない凄い話で、ただの空想譚ではなく、地に足の付いている不思議な説得力やらリアリティがある。あるインタビューで、宮崎駿さんは、この『千と千尋の神隠し』の頃、柳田國男の著作を読み漁っていたと言っていた。これは汎東アジアに通じる伝統の日本の口碑の力だろうか? 何度見ても、驚き、感動してしまう子どもと大人の間のひと夏の夢と現のはざまの絵物語なのです。
あら、リンの声は渋さ知らズで歌っている玉井夕海さんが演じているのね。素敵です。つづきの物語として、千尋はハクやリンと再会するのかしら? 誰も知らない。
『千と千尋の神隠し』 特報【6月26日(金)上映開始】


スハイブ・ガスメルバリ監督のスーダンを舞台にしたドキュメンタリー映画『ようこそ、革命シネマへ』を見ました。
1989年、軍事独裁政権により表現の自由を奪われ、思想犯として拘禁されたり、国外への亡命を余儀なくされたりした四人の映画監督たちが30年近い時を経て再び出会い、映画館のなくなったスーダンに再び、映画館をと、古い野外映画館を借りて、映画を上映しようとする話でした。前半はその古いボロボロの野外映画館を掃除したり、改修したりするゆっくりとしたおじいさんのシーンが続き、少しうとうとしてしまった。
少しはきれいになった映画館で、夜、試しとしてチャップリンの古い映画を上映をするシーンでは、近所の子どもたちが集まってきて、笑っている。うっとりするような美しいシーンでした。
独裁の政治が続く中、近所の人にアンケートを取ったりして、この四人の監督たちが上映しようとしたのはタランティーノの『ジャンゴ 繋がれざる者』。どうなったかはこれ以上は申すまい。
おじいさんたちが主人公のゆったりとした映画だけど、自由ということを何か考えさせられ、感じさせられ、甘苦さと不思議な幸福感に満たされました。
この映画の原題は"TALKING ABOUT TREEES"で、ナチスに焚書された『三文オペラ』の劇作家、ベルトルト・ブレヒトのこんな言葉によるのだそう。
「こんな時代に木々について語るのなんて犯罪のようなものだ! これは恐怖や悪を前に沈黙するのと変わらない」
この映画に登場する映画監督の一人はこんなことも言っておりました。
「私は誰よりも楽観主義者だ。絶望から希望が生まれる」
スーダンに再び映画館が戻り、人々がいろんな映画を見れる日が来るのを願わずにはいられません。
映画『ようこそ、革命シネマへ』公式サイト


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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。


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