えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ

セリーヌ・シアマ監督の『秘密の森の、その向こう』を見ました。
不思議な映画でした。昔、スタジオ・ジブリの『思い出のマーニー』という映画をが見たことがあって、そのとてもよかった『思い出のマーニー』とも何かつながっているようなテーマで、その掌編といった趣であると思いました。エンドロールを見ながら、なんともいえない余韻にぼくは浸っておりました。
最新の理論物理学や量子力学のゼロ・ポイント・フィールドということを本で読んだことがあるけれど、ぼくは景色といものにも、霊があり、記憶を宿しているのだと、なんとなく信じております。この映画を見ながら、そんなことをふと考えておりました。
映画『秘密の森の、その向こう』 公式サイト - GAGA


新宿ロフトに『THE FOOLS~愚か者たちの歌』を見に行きました。圧巻の2時間の熱い映画でした。高橋慎一監督は10年もFOOLSを追いかけてこの映画を撮ったという。それ以前のムービーもたくさん収まっていて、懐かしい。
ぼくがFOOLSのギグによく足を運んでいたのは1980年代前半で、その頃のライブでぼくの見たメンバーでこの世に残っているのは中嶋カズのみとなってしまった。(Ebbyとか栗原さんの入っていたFOOLSは、ぼくはあまり見ていないのです。)
映画で見て、FOOLSのフロントマン、ボーカルの伊藤耕の生きざまは、やっぱり凄いです。同じ時代を生きたことが奇跡のよう。ジョー・ストラマーのいう「PUNKというのは(音楽ジャンルでなくて)人の生きるATTITUDE(態度、心構え、気持ち、考え、意見 )だ」という言葉は耕のためにあるのではないかしら?
そして、映画の後はFOOLSの残党たちのセッションライブでした。途中で出てきて、調子悪いらしくて、そのうち座って弾いていたけれど、そこで見た中嶋カズのベースは本当に黒くてかっこよい。このベースを聞くと、ステージにオーディエンスが次々と乱入してきて、みんな踊りまくっていたあの頃のFOOLSのライブをぼくは思い出してしまっている。あんなライブをするバンドは二度とないな。最高だった。
来年は一般公開だそうで、その時にはもちろん映画館で再び『THE FOOLS~愚か者たちの歌』を見たい。


沖田修一監督の『さかなのこ』を見ました。テレビでおなじみのサカナくんの半生をサカナくんの自伝「さかなくんの一魚一会 まいにち夢中な人生!」を元に昔の能年玲奈、今ののん主演で映画の物語にしたもの。さかな好きのミー坊がテレビで人気者のサカナくんになるまでを描いております。
映画の冒頭で「男か女かは、どっちでもいい」という言葉がばーんと映し出されて始まるのですが、男子のサカナくんを女子ののんが演じて、そののんが本当に自由で魅力的で、この映画『さかなのこ』がのんに負うところはたとても大きいと感じました。
ドタバタ喜劇のようではなく、シリアスにユーモアに映画のお話は2時間をラストの大団円まで駆け抜けていって、いかにも映画らしい楽しさと感動に満ち溢れておりました。そして、僭越ながらも、サカナくんの人生というか生き方にぼくはおおいに共感してしまいます。この『さかなのこ』にも、前半、変な魚好きのおじさんとして出てきます。サカナくん、ばんざい!
映画『さかなのこ』公式サイト


映画館で見たいと思っていながら見ていなかったジュリアン・ジャロルド監督の『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』をオンデマンドで見ました。時のエリザベス王女は英国王から先の大戦の戦勝記念の祝賀行事の日(1945年の戦争の終わった年)に一晩だけの外出を許される、その一夜を映画にした物語。これは事実に基ずく物語で、けれどもエリザベス女王の口からはその夜がどのような夜だったかは生涯、明かされることはなかったそう。ガラスの靴は履いていなかっただろうけれども、生涯に一夜限りのシンデレラ・ストーリーのシンデレラは十二時過ぎても宮殿に帰ることはなかったというのがこの映画の物語。素敵な映画でした。
ところで、ぼくは反王室でも反皇室でもないけれど、イギリスの王室も日本の皇室も、遠い未来のいつか(それは多分ぼくの生のあるうちにはやってこないでしょう)に、なくなってしまうのではないか、となんとなく思っている。イギリスの王室も、日本の皇室も、その時は、世界にとても大切で美しい夢のような思い出を残して。王室の最後の日には人々はこぞって「王様万歳」と唱和し、皇室最後の日には人々はこぞって「天皇陛下万歳」と唱和するのではないかしら。ぼくが何を想像しているのか、わかるかしら? 「地上とは思い出ならずや」とは稲垣足穂の言葉だが、この世界を形作るもっとも大事なものの一つは思い出なのではなかろうか? そして、地上とは夢のようなものではなかろうか?
世界の人々は、エリザベス女王の逝去に際し、とても悲しんでいるようなのがニュースで伝えられています。ぼくもその悲しみの声に唱和したいと思っています。
映画『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』 公式サイト


コリン・トレボロウ監督の『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』を見ました。ぼくはこの『ジュラシック・パーク』と『ジュラシック・ワールド』のシリーズは全部、多分見ています。今回もいつものようにゆるく物語は始まり、いつしかハラハラドキドキの連続でラストの大団円まで駆け抜けていって、とても面白かった。いろんなシーンに過去のパニック映画の名作へのオマージュがあるような気がしたのはぼくのうがちすぎだろうか?
映画を見ながらふと思い出したのだけれど、学校が夏休みとかになるとNHKラジオで日曜日の午前中に「子ども科学電話相談」という番組が放送されていて、恐竜に関する質問がとても多い。今年の夏は『ジュラシック・ワールド』がヒットして更に多くなるのかしら? じつはぼくも恐竜には何か魅かれてしまいます。日本でたくさん恐竜の化石が見つかっている福井県の福井県立恐竜博物館にもいつか行ってみたいな。
今回で『ジュラシック・パーク』と『ジュラシック・ワールド』もおしまいになるらしいけれど、この30年間つづいた壮大なシリーズもいかにも今の時代と未来を反映した大団円で幕を閉じていました。いいものが誰も死なないのがいい。そうだ、これでいいのだ。そして、もうこのシリーズを見れないと思うと、ぼくは寂しい。
映画『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』公式サイト


パトリック・インバータ監督のフランスのアニメーション映画『神々の山嶺』を見た。緊迫した画面の連続で息もつけませぬ。アニメーションでしか表現できないリアルというものがあるのだな、と思う。原作は夢枕獏さんの冒険小説で谷口ジローさんが漫画化しているもの。エンディングロールを見ながら、この『神々の山嶺』に緊張感には似合わないどこか牧歌的なこんな歌をぼくは思い出していた。
♪♪♪
娘さんよく訊けよ山男にゃ惚れるなよ
山で吹かれりゃよ若後家さんだよ
山で吹かれりゃよ若後家さんだよ♪♪♪
映画を見ながらロッククライミングってこんなことをするのか、と驚く。高所恐怖症の気のあるぼくには絶対にできません! 若いころにはそれでもよくハイキングで山に登り、へとへとになって帰って来ていた。富士山には何度も登ったこともあるしね。この映画のテーマとも通じる話かもしれないのだけれど、山男にどうして山に登るのか、と尋ねたなら、こんな言葉が返ってくる、と子どものころ聞いた覚えがあります。
「そこに山があるから」
山に憑かれるとは神に憑かれるということだろうか? 登山を愛するみなさま、くれぐれも遭難はしないようにお気をつけお願いいたします。
映画『神々の山嶺』公式サイト - ロングライド


是枝裕和監督の『ベイビー・ブローカー』を見ました。
是枝さんの監督した映画はけっこうたくさん見ています。初めて見た是枝作品は『誰も知らない』であったと記憶しれています。『誰も知らない』が集合住宅のある子どもたちだけでの、ある家庭での密室劇であったのに対し、『ベイビー・ブローカー』は一人の赤ちゃんをめぐる大人たちの韓国を旅するロードムービーとなっていた。いつものこの監督のテーマである「家族」ということは変わらなく、これまでの是枝監督の映画と異なるところは、いつもの憂鬱を込めたようなエンディングではなく、何か希望というものを感じさせてくれるものでした。緊張のとけない赤ちゃんの売買をめぐる刑事と犯人の追跡劇の果てのこのラストの展開にぼくはほっとし、心は暖かくなりました。追跡する側も追跡される側も合わせて家族のようになっていきます。
是枝裕和さん以外、スタッフも俳優もすべて韓国の人たちの韓国製映画で、その中で、この映画においてカンヌ映画祭で主演男優賞を獲得したソン・ガンホさんの縁起の素晴らしい力に圧倒されました。ソン・ガンホさんの主演した『タクシー運転手 ~約束は海を越えて~』も素晴らしい映画でした。赤ちゃんのお母さん役のイ・ジウンさんは韓国では圧倒的な人気で「国民の妹」とも呼ばれているらしい。抑制された名演技で、それにしても美人だなぁ。
『ベイビー・ブローカー』は、カンヌ映画祭でキリスト教関係者による推薦でエキュメニカル審査員賞もとったということで、その受賞についての声明を引用し、絶賛、お奨めいたします。
「この映画は、血のつながりがなくても家族が存在できることをとても親密な方法で示してくれる。傷ついてきた過去を持つ大人3人(ブローカーの男2人とベイビー・ボックスに赤ん坊を置いた母親1人)と養護施設から抜け出した子供1人によって、赤ん坊の命と魂は守られる」
そして、審査員はこの映画の後半のとても感動的なあるシーンに言及しているのですが、それは映画を見てください。
映画『ベイビー・ブローカー』公式サイト - GAGA


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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。


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