えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』を見ました。

映画を観る前に居酒屋で前飲みしていて、やっぱ、こういう長尺の映画はどこかで眠くなるかなと思いつつ、まったく眠らないで興味津々で見続けて、ラストの45分間で怖いような展開になり、それがあたかも自分のことのようなことでもあるように思われ、胸が締め付けられました。心に傷をもついろんな人に観てもらいたいような映画でした。

夜の帰り道にぼくはこの映画『ドライブ・マイ・カー』の車で走るシーンや、チェーホフの芝居からの引用のすべてを肯定するかのようなラストシーンを思い出し、目頭が熱くなる。

ぼくは、この『ドライブ・マイ・カー』がアカデミー賞を取ることを陰ながら応援しております。

映画『ドライブ・マイ・カー』公式サイト
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TVアニメの『スローループ』をよく見ています。日本の釣り人口の0.1%ほどだといわれるフライフィッシング、その圧倒的少数派のフライフィッシングの楽しさも『スローループ』ではよく描かれていています。「スローループ」というタイトルもなるほどと思う。「スローループ」とは"SLOW LOOP"のことで、「ゆっくりしたわっか」ということ。フライフィッシングでは急いだり、力を入れたりしては、毛鉤は飛んでいきません。それは、ぼくがやっと知った生活と人生の秘訣でもあります。

いろんところにある釣具店だけれども、フライフィッシングのコーナーは隅においやられていたり、もしくはなかったりします。しかし、フライフィッシング専門の釣具店もちらほら見かけるということは、少数派ながらも、フライフィッシャーはなんだか熱く、密度は濃い。『スローループ』はほんわかした家族の話で、そこにフライフィッシングのフックが入る。そう、この『スローループ』を見て、フライフィッシングを始める若い人もいて欲しいな。

TVアニメ「スローループ」公式サイト
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原一男監督の『水俣曼陀羅』を見ました。水俣病患者と国との裁判の戦いを主軸に、チッソという会社による公害がもたらしたものをまるごと、とらまえようとする6時間以上もの長尺のドキュメンタリーで、ほとんど眠くならずに見れました。

半世紀以上の間、この水俣の公害でもたらされてものは解決されておらず、未だに戦いの途上でもあって、後世のためにもこの映画が残されてよかった、とぼくは思う。そして、日本という国は、足尾鉱山から福島第二原発まで、棄民を是とする政策の国であるように思え、暗澹たる気持ちになりながら、水俣病被害者やその支援者の明るさと笑顔にぼくは何だか励まされるような気持ちにもなりました。

エンディングロールで不知火海が映され、山を取り戻せ、川を取り戻せ、そして、海を取り戻せ、とぼくは心の中で叫んでおりました。

ぼくは、20年間もの間、このフィルムを撮りつづけてくれた原一男監督に感謝を、半世紀以上、戦いつづけた水俣の人たちに敬意を表したいと思います。

映画「水俣曼荼羅」公式HP
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佐渡岳利監督の『SAYONARA AMERICA サヨナラ アメリカ』を見ました。ポップ・ミュージックの巨匠、細野晴臣さんの2018年のアメリカ・ツアー、ニューヨーク公演とロサンゼルス公演をとらまえたドキュメンタリーです。

2019年というと、新型コロナウィルスは流行する前で、その映像に、コロナ禍の2021年の細野さんのインタビュー映像がさしはさまれる。この『SAYONARA AMERICA』のテーマのひとつが"In Memories of No-Masking World"で、細野さんは、今の状況をもうもとには戻らないのではないかといい、コロナの前が10年以上前のようだともいう。ウィルスも怖いけど、人間も怖いよと、世界が全体主義にそまることを危惧し、自由がいいよという。ぼくも、右からも、左からもその流れが来ているように思え、自由がいいよと思う。

さて、この映画『SAYONARA AMERICA』のアメリカ公演の話にもどらなくては。マヤンというところの決して小さくはない2階の観客席もあるロサンゼルス公演の3曲目か4曲目の「薔薇と野獣」の曲の時、ステージの後ろから客席をとらえる映像があるのだけど、お客さん、みんながゆらゆらとリズムにあわせて踊っている映像にぼくの目頭はうれしくて熱くなる。

細野さんは、このアメリカ公演の後は、休もうかなと思っていたそう。そこにコロナ・ウィルスで、まったく楽器にさわっていなかったそうだけど、こうしていてもつまらないんで、また(音楽を)始めようかなと、細野さんはおっしゃっておられました。この映画を見て、細野晴臣さんはすばらしい、音楽はすばらしい、そんなことを思っておりました。

エンディング・テーマで流れる"Sayonara America, sayonara Nippon"に自由への思いが込められているようで、ぼくの心は震えていました。2022年がやってきて、ぼくも自由に歌いつづけますぞ。

映画『SAYONARA AMERICA サヨナラ アメリカ』公式サイト
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リーズル・トミー監督の『リスペクト』を見ました。アレサ・フランクリンの伝記映画。幼少のころの思い出から30歳でのあの1972年の伝説のチャーチコンサートまでが描かれれています。

なんでも、この映画のプロジェクトはアレサの存命のころから進められていて、主演のジェニファー・ハドソンはアレサ自身もこの人ならと認めていたという。ジェニファー・ハドソン、すさまじい歌唱力で歌っている姿はアレサが乗り移っているかのようです。

輝かしいアメリカナンバーワンのシンガーは苦悩の人生の中で、歌がなによりもの武器で、自由、Freedomと敬意、Respectを求めてやまない青春時代を過ごしておりました。一番、好きなシーンはアラバマのマッスル・ショールズにあるフェイムスタジオでミュージシャンたちとセッションし、レコーディングするところ。本当に片田舎のスタジオでミュージシャンの多くは白人で、なにこれ、とアレサは思うが、演奏してみると、すばらしくソウルフルなサウンドにアレサはのっていく。扉を叩いて、時代の開けられた、歴史的な瞬間に立ち会ったような気持ちになりました。

おっと、これ以上のネタバレはしない、しない。

アレサの父である黒人教会のもっとも有名な牧師のC.L.フランクリン師を演じているフォレスト・ウィテカーがみごとです。この稀代の複雑な人格の牧師をある意味、名演していて、素晴らしい。

さてアレサのアルバムでぼくの推薦は、"Aretha Gospel"、"I Never Loved A Man The Way I Love You"、"Amazing Grace"の3つかな。がつんとやられてください。


ぼくが映画館の店主ならば、この『リスペクト』とドキュメタリー映画『アメイジング・グレイス』の上映を同時開催します。『リスペクト』を見て、つづいて『アメイジング・グレイス』を見て、完璧だ。

映画『リスペクト』公式サイト





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アンドリュー・レビタス監督の『MINAMATA ミナマタ』を見た。カリブの海賊のジョニー・デップが数々の名作で写真史に名を残すフォトグラファー、ユージン・スミスになりきって演じている。俳優とか役者ってすごい。そして、水俣市でのシーンは日本の役者が演ずることとなる。被害者の家族の水俣の市民を演じた真田広之さんとか浅野忠信さんとか、悪役のチッソの社長を演じた國村隼さん、水俣病の若い患者を演じた青木柚くん、もちろん、ユージン・スミスの連れ合いのアイリーンを演じた美波さん、みんな素晴らしい。

ラストのシーンで歴史の偉大な瞬間に立ち会えたかのようで、鳥肌が立ち、ぼくの涙腺はいっきに崩壊しました。

映画『MINAMATA―ミナマター』公式サイト
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アミール・“クエストラブ”・トンプソン監督の『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』を見た。1969年のニューヨークのハーレムの公園で開かれたフリー(入場無料)の音楽フェスティバルの記録映画です。クエストラブとはあのヒップホップグループ、ルーツのドラマーではないか。

時を同じくしてニューヨークのウッドストックでの音楽フェスティバルは有名になったけれど、このハーレムの『ハーレム・カルチャラル・フェスティバル』はのべ30万人もの人を集めつつ、オーディエンスに強烈な印象を残しつつ、何の報道もされずにいた、そのフィルムが半世紀の時を越え、見つかり、映画となった。見どころはいくつもあって、鳥肌もののパーフォーマンスが記録されている。

1960年代、ベトナム戦争の時代、黒人の人権と自由、公民権のために、J. F. ケネディー、マーチン・ルサー・キング、ロバート・ケネディー、マルカムXらの、何人もの命が失われつつも、そのムーブメントを鼓舞しつづける音楽があった。

この映画で見ることのできる、一つのマイクを分け合う二重唱のゴスペルのマヘリア・ジャクソンとメイヴィス・ステイプルズ、アフリカのクイーンのような堂々としたニーナ・シモンのメッセージ・ソング。そして、もっともこの時代で輝いていたのは黒人と白人、男も女もいる混成の、ロックとソウルのバンド、スライ・アンド・ザ・ファミリー・ストーンの世界の色を変えてしまうようなオーラに満ちたパフォーマンス。最高です。

オーディエンスはほぼ黒人で、その中に白人がほんの少しだけ、演奏を聞いている。その中で黄色人種がいるとすれば、時を抜け出して見に行ったぼくだ。妙な妄想をしてしまいました。

『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』公式サイト
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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