えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ

伊勢真一監督の『PascaLs しあわせのようなもの』を田端駅近くの小さな映画館「CINEMA Chupki TABATA」で見ました。
伊勢真一監督の作った音楽映画は、急逝した三木黄太さんに捧げられた追悼の映画でもあるようです。PascaLsのリーダーのロケット・マツさんは三木黄太さんが亡くなった後、PascaLsのメンバーにPascaLsをつづけたいかどうかを聞いてまわったそうです。その結果とロケット・マツさんの決断はいかに? 答えはぜひ映画をご覧になってください。
映画を見ながら、ときおり幸せな気持ちで眠くなってしまいます。それが素晴らしい。ロケット・マツさんは映画の中で控えめにPascaLsへの思いと音楽観を述べておられました。なるほどとぼくは思う。PascaLs、バンザイ!
新作『PascaLs〜しあわせ のようなもの〜』上映情報


イエジー・スコリモフスキ監督の『EO イーオー』を見ました。
完全にロバが主人公のロードムービーで、映画を見ながら、自分がロバであったし、今もそうであるような気持ちになってしまった。そして、エンドロールの「この映画は自然と動物への愛から生まれました。撮影に際しては、すべての動物を虐待したり、傷つけたりしてはおりません。」というような言葉が重く心に残り、ぼくの心に感動が響きつづけました。
映画が終わった後、隣の女子の「パンフレットを買って。EOがあの後どうなってしまったか気になるの。」という声を聞きました。あー、確かにぼくも映画の物語の後の物語の中のEOはどうなってしまったのだろうと思わずにはおれません。そう、映画館を出た後、EOのラッキーを祈らずにはいられない自分がおりました。
映画『EO イーオー』公式サイト


藤沼伸一監督の『GOLDFISH』を見た。藤沼伸一監督はパンクバンド「アナーキー(亜無亜危異)」のギタリストであった人で、「アナーキー」は今でも現役で、そう、当初のままのメンバーで再結成してるのだが、映画はその再結成をまつわる話で進む、藤沼さん自身の自伝的内容なのであった。
アナーキーはヤマハのアマチュア音楽コンテスト「East West」で優勝し、メンバーが20才かそこそこの頃、1979年にメジャーデビューしているのだが、ぼくは何だかパンクのインデペンデンスの精神に反するようで、ある種、批判的な目でも見ていた。メンバー全員が当時の国鉄のつなぎの工務員の制服をユニフォームにして、滅茶苦茶カッコ悪いと思ってもいた。けれども、NHKFMの渋谷陽一さんの番組か何かで、Clashの「London Is Burunig」の替え歌である「東京・イズ・バーニング」を聴いて、その振り切れっぷりが実にかっこいいと思いもした。
「東京・イズ・バーニング」は「何が日本の□□だ」などと歌っていて「□□」には「象徴」とか「天皇」とかという言葉が入るらしいのだが、ブザー音がその言葉のところに入っていて、何を歌っているかは聞こえないけれど、歌詞の全体を聞けば容易に推測できるものだった。それは、イギリスのSex Pistolsの「God Save the Queen」への日本からのアンサーソングのようなのだった。ファーストアルバム「アナーキー」は10万枚売れた後、「東京・イズ・バーニング」が右翼の攻撃にさらされ、発売中止になり、今、売られているCD版には「東京・イズ・バーニング」は入っていない。表現の自由は日本で確実に無くなってきたことの実例がこれではないだろうか。40年つづいたbacklash(反動)にもより、バブル経済の凋落後、日本は30年間衰退しつづける。
Sex Pistolsの「God Save the Queen」についてはどうだろうか? このまえYou Tubeで見たのだが、しつこくBBCに放送終了時に国歌の「God Save the Queen」をかけないのかと抗議が来ていたのだそうだ。それに応えて、それでは私たちの「National Anthem」をかけましょうとアナウンサーは言い、Sex Pistolsの「God Save the Queen」がかかって、その日の放送は終了していた。イギリスは腐ってもフランスと並ぶ民主主義の本拠地であることがうらやましくもあるな。
さて、藤沼伸一監督の『GOLDFISH』を見ながら、ぼくはこの映画を見ながら、21世紀の今、ロックバンドという存在はどこに行ってしまったんだろうと思いもし、それはあたかも絶滅危惧種のようでなないかとも思う。けれど、多分、ぼくが知らないだけなんだろうな。映画館には若い人もやくさん来ていた。ふと、Clashの名曲「Stay Free」を思い出し、口ずさむ。自由でいろよ。『GOLDFISH』は面白い。感動しました。藤沼伸一さんはたくさんの尖った映画も見て、知っていそうだ。ロックを知っている人にも、知らない人にも見て欲しい映画であります。
映画『GOLDFISH』公式サイト


庵野秀明監督の『シン・仮面ライダー』を見ました。子どもの時、初めて見た「仮面ライダー」は衝撃的でした。ダークな雰囲気はあのころのまま、21世紀の現代を背景にし、今の社会への問題意識もかいま見られます。映画が始まった時にはフランツ・カフカの小説『虫』を思い出したりしました。そして、アクションシーンの連続で手に汗握って、おしまいの方では、1970年代の大林宣彦監督の映画みたいでした。面白かった。
『シン・仮面ライダー』公式サイト


クリスチャン・カリオン監督の『パリタクシー』を見ました。現代の問題を過去にたどって描きつつ、人生とは何かを言葉ではなく伝えてくれるような素敵な映画でした。
映画の始まりの不機嫌なタクシー運転手がパリの街を流していく、もうそこから映画が始まったというワクワク感に満ちています。エッフェル塔を回り、修復工事中のノートルダム寺院がスクリーンに映されたころにはもうぼくの胸が高まっています。
劇中歌のEtta Jamesの挿入歌「At Last」でのタクシーに乗せた年老いた主人公が回想で踊る若かりし頃のチーク・ダンスににうっとりしたかと思えば、さらに波乱と苦痛にも満ちた人生が明かされ、そして、…という話の筋は、ここでは見てのお楽しみ。ぼくは泣いてしまいました。美しい映画をありがとう。
映画『パリタクシー』公式サイト


オリヴァー・ハーマナス監督の『生きる-LIVING』を見ました。脚本があのノーベル賞作家のカズオ・イシグロさん。原作はもちろん黒澤明で、この『生きる-LIVING』は、黒澤映画のヒューマニズムが頂点、極北に達したかのような『生きる』の『生きる』と同時代のイギリスに舞台をそのまま移したリメイク映画であった。
黒澤映画では志村喬が主役を演じていたのだけれど、この『生きる-LIVING』ではイギリスのいぶし銀の名優、ビル・ナイ。出色なのが、ビル・ナイ演じる公務員のウィリアムズのかつての部下の一人であったマーガレットを演じるエイミー・ルー・ウッドで、黒澤の『生きる』での小田切とよを演じる小田切みき、その人そのままのようなコケットな演技がまぶしい。
黒澤明をレスペクトしたあくまでも物語と話はそのままであるようなカズオ・イシグロさんの脚本も素晴らしく、イギリスへの愛にあふれている。
オープニング・クレジットは1950年代のイギリス映画を見ているかのように錯覚もしてしまう。
オリヴァー・ハーマナス監督は黒澤明監督の饒舌さと違って、そぎ落とした抑制の演出で、東宝の黒澤明と同時代を競いながら併走したかのような松竹の小津安二郎かのようで、とぼとぼと歩くウィリアムズのその後ろ姿は笠智衆であるかのようなのだ。
とても感動しました。そして、もちろんのこと、何度も見た黒澤明監督の名画『生きる』を劇場の大きなスクリーンで見たくなりました。
映画『生きる-LIVING』公式サイト


マーク・フォースター監督の『オットーという男』を見ました。
このような映画は日本映画で見たかったみたくなんとなく思いつつ、もともとはスウェーデンの映画『幸せなひとりぼっち』のアメリカ映画への翻案なのだそうだけれど、主演を名優、トム・ハンクスが演じていて素晴らしい。トム・ハンクスは好きな役者で、こんどはどんな風になるのだろうかと、楽しみにしていたら、なんとも隣に住んでいたら嫌だろうなという初老の男を演じていて、さすがに名優、なんとなく憎みきれないキャラクターなのでした。人間の多面性。
ぼくの近々の課題でもある老いていく人生ってなんだろう、などと思いをめぐらしつつも、この映画の中の不機嫌なじいさんがひとごとでもなくて、見ていて少しづつ胸が熱くなっておりました。
映画『オットーという男』 オフィシャルサイト


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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。


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