えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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オンデマンド・ビデオで黒澤明監督の「蜘蛛巣城」を見る。映画「生きる」のヒューマニストの黒澤明がよくもこんなにダークな薄気味悪い映画を撮ったものだ。日本の伝統芸能である能の影響を深く受け、シェークスピアの四大悲劇にうちの一つ「マクベス」を戦国時代の日本を舞台にした物語に見事に翻案している。

主役の鷲津武時を演ずる三船敏郎とその妻、浅茅を演ずる山田五十鈴の迫真の演技が凄い。

蜘蛛巣城 - Wikipedia
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山中湖にドライブをしに行こう、と思っていたのですが、今朝、山中湖の観光協会のホームページを見てみたら、来ないでください、と書いてあって、そんな中、わざわざそこに出かけるのは嫌がらせみたいで、行くのをやめました。

お昼にレトルトのカレーを食べ、ビールを飲んで、昼寝をして起き、そうだ、見逃して映画館で見れなかった映画を見ようと思い、セバスチャン・ローデンバック監督の『大人のためのグリム童話 手をなくした少女』をオンデマンドで見ました。

美しく芸術的な日本の水墨画を淡い色つきにしたかのような水彩画が動き出し、アニメーションになったような映画で、しかも、驚くべきストーリーでした。映画は映画館で見るのが好きなのですが、新型コロナウィルス禍の中、こんな日が続くのでしょうか? ぼくは人が群れるのは好きではないけれど、人は集まりたいと思ってしまうもの。この映画の主人公の人と自然の間をつねに動いていく孤独な少女に、エンドロールを見ながら、ぼくの胸騒ぎが止まらない。

『大人のためのグリム童話 手をなくした少女』
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ルビカ・シャー監督の『白い暴動』をオンデマンド・ムービーで見た。その昔、おいらがティーンエイジャーのころ、パンク・ロック・ムーブメントがあったんだよ。『白い暴動』は、その時、あのころのイギリスのドキュメンタリー。最高の音楽に最高のムーブメントは音楽やファッションにとどまってはいなかった。音楽じゃ世界を変えられない? いいや、世界を変える力にはなるんだよ。そして、おいらは今もパンクの子どもだ、と思ったよ。

映画『白い暴動』オフィシャルサイト
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豊島圭介監督の『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』を見ました。東京大学駒場キャンパスの大きな講堂で三島由紀夫と全共闘の討論会のドキュメンタリー映画。おもしろかったです。

三島由紀夫には長らく興味を惹かれ、若いころ、小説のほとんどは読んでしまっています。どうしてこんなに惹かれるんだろう? その一つの理由として、仲の悪かったぼくの亡き父と三島由紀夫は、同じく青春の時、戦争を経験していたことに映画を見ながら気が付いた。東京大学の講堂で繰り広げられた難しい観念論にはたちうちはできないけれど、ぼくは、さしずめ、全共闘の側の席でかたずを飲みながら、議論を聞いている誰かかもしれないと想像してしまい、なぜか、三島由紀夫と父が不思議にだぶって見えもするのです。討論会が終わった時、聴衆からの自然にわきあがった拍手に、三島由紀夫は心からの笑顔で会場を立ち去って行った。ぼくも映画のスクリーンに向かって心の中で拍手をしていました。

ひるがえって、今の日本を見渡せば、革命が起こり共産主義の国とはならなかったけれど、三島由紀夫のまったく望まない、むしろ嫌悪するかのような日本になってしまっているようにも思われ、それはとても悲しい。

映画『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』公式サイト - GAGA
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サム・メンデス監督の『1917 命をかけた伝令』を見ました。第一次世界大戦での1917年4月6日のある任務を任された二人の兵士を追いかけ、あたかもその二人の一両日をワンカットで撮ったかのような映画でした。この映画は、反戦を語りかけることもなければ、戦争の英雄も出てこないけれど、ラストのシーンに見た人の胸に染み込むようなあるメッセージがあるような気がしました。あたかも、二人のイギリス兵といっしょに戦場にいるかのようで、この映画を見終わったぼくは、ぐったりと疲れているような気持ちにもなっていたのです。この泥と死体まみれの戦場のリアルさにぼくは黒澤明監督のいくつかの映画の戦闘シーンも思い出していた。

サム・メンデス監督が祖父のアルフレッドから聞いた話をもとにこの映画を作ったそうです。第一次世界大戦は残虐な近代戦の始まりといわれ、この映画の背景であるヴェルダンの戦いとソンムの戦いでは160万人以上が命を失い、毒ガスなどの化学兵器も使用され、舞台である地方では、戦争から100年経った今でも、のべにすると沖縄と同じぐらいの460万平方マイルの地域が立ち入り禁止になっているという。

戦争反対!

映画『1917 命をかけた伝令』公式サイト
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ポン・ジュノ監督の「パラサイト 半地下の家族」を見ました。

アメリカややイギリスなどの英語圏以外の国で作られた映画の初めてのアカデミー賞受賞らしい。その前にカンヌ映画祭でパルムドールを受賞していている。アカデミー賞ってアメリカのドメスティックな映画の賞かと思っていて、これだけ、世界中で面白い映画が製作されている中での何らかの巻き返しなのかしら、などと思う。

映画は世につれ人につれで「パラサイト」はトッド・フィリップス監督の「ジョーカー」と同じようなテーマで、今はそんな時代であるらしい。フリッツ・ラングの無声映画の名作「メトロポリス」を思い出し、あの昔のドイツ映画は、SFだったのだけれど、「パラサイト」はリアルとして描かれている。アメリカでは大統領のトランプは、「パラサイト」のアカデミー賞の受賞をけなしていたらしいけれど、今、かの国の若者の多くが支持するのは民主社会主義を自ら標榜するバニー・サンダースで、そんな時代なんだよ。

舞台となった大邸宅、こんなところが韓国にあるのかと、驚くが、日本にもあるのですよ。横浜の山下公園から三溪園に向けて、散歩していると、たくさんありました。

さて「パラサイト」の映画の話にもどり、あまりのダークな思いがけない展開に驚き、おもしろいけれど、「ジョーカー」みたく気分が悪くなる。お父さん役のソン・ガンホって韓国の西田敏行みたいな人なのかな? チャン・フン監督の「タクシー運転手 ~約束は海を越えて~」にも出ていて、主演だったな。その娘役のパク・ソダムは、若いころの田中裕子になんとなく似ていて、かわいいと思いました。

受賞式でのポン・ジュノ監督とマーチン・スコセッシ監督のやりとり、よかったね。アカデミー賞とカンヌのパルムドールのダブル受賞、おめでとうございます。



映画『パラサイト 半地下の家族』オフィシャルサイト
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この前、諏訪敦彦監督の「風の電話」を見ました。1970年代のATG制作の映画を思い出しました。けれど、今という時代をその矛盾や痛みも含めて写しとられています。

ハルを演じたモトーラ世理菜さんは、本当の実在するかのようにハルとなっていました。スクリーンを見ながら、被災して近しい人たちをなくした高校生がそのまま演じているかと思ってしまっていました。

傷痕を確かめ、癒すかのようなロードムービー。映画館で見ていると、まわりからすすり泣きが聞こえてきました。

風の電話のある電話ボックスは本当にあって、今日も誰かが訪れているらしいのです。

映画『風の電話』公式サイト
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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