えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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山田洋二監督の『男はつらいよ お帰り 寅さん』を見ました。50作目の甦った寅さんシリーズです。今作は喜劇度は少し気薄だけれども、昔の寅さんの映画が物語に違和感なく思い出として引用されていて、やっぱ寅さんが出てくると、おもしろくて、ぼくはにやけてしまう。寅さんの映画って、テレビで放映していると、つい見てしまうのだけれど、過去の寅さんシリーズをすべて、見直してしまいたくなりました。

エンディングロールを見ながら、寅さん映画の不在だった22年間の間、日本が失ってしまった大切なものを思う。けれど、まだそれはどこそこに残っているはず。

映画館を出るとき初老の夫婦がこんな会話をしているのを聞いたのです。

「寅さんってどこに行ったのかしらねぇ」
「寅さんは永遠の旅に出ているんだよ」

やっぱ、そうなのか!

新作映画『男はつらいよ お帰り 寅さん』公式サイト
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片渕須直監督の『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』を見ました。『この世界の片隅に』にもっと表したかった細部を描き足して、りんさんの物語が付け加わって、さらに大人っぽい作品になっていました。

最近のすばらしい傑作と呼ばれる映画はいろんな意味や要素が重層して根っこで絡み合っていたりするものも多いのだけど、この『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』も、昔のことを描きながら、アニメーションとしての実験性も含めて、そんな現代的な映画となっていて素晴らしかったです。これならば、カンヌ映画祭やベネチア映画祭などでも何かの賞が受賞できそうな気もするのですが。

どんなところにも生きていく居場所はあるんよ、というりんさんの言葉が本当に胸に深く響きます。ぼくはこんな映画を見ると、いつも泣いてしまうのです。

この世界の(さらにいくつもの)片隅に【映画】
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小学生だったころ相模原市の市民ホールで見たロバート・ワイズ監督のミュージカル映画の名画「サウンド・オブ・ミュージック」をずっと映画館で見たいと思っていて、やっと再びTOHOシネマズの「午前十時の映画祭」での映画館の大きなスクリーンで見れました。テレビの小さな画面では何度も見ていたのだけれど、やはり、このオーストラリアの片田舎の素晴らしい街並みや自然を舞台にしてダンスし歌う映画は映画館の大きなスクリーンとサウンドで見たいと思って、長いこと、そんなことを願ってもいたのです。やっと見れて本当に素晴らしくて、感動しました。

あー、子どものころ、本当に素晴らしい映画は、映画がおしまいになった後、お客さんみんなのスクリーンにむかっての大人も子どもも万雷の拍手がなりやまなかったのたけれど、その鳴りやまない拍手を思い出しもし、それはぼくの深い心の底で、子どものころから今まで、決して鳴りやんでもいなかったようなのです。

「サウンド・オブ・ミュージック」上映作品詳細 - 午前十時の映画祭
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ジュリアン・シュナーベル監督の『永遠の門 ゴッホの見た未来』を見ました。とてもアバンギャルドな映画で、印象派の時代の19世紀後半のフランスを再現した完璧なロケとセットの中を、ウィレム・デフォーの演じるゴッホその人であるかのような画家をハンディカメラで追っていく。そのカメラの視線は、物語に登場するゴッホ自身であったり、ゴッホの弟のテオであったり、ゴーギャンであったり、はたまた、あたりにただよう悪い霊や良き天使であるかのようだとぼくは思った。その揺れる視線がとてもリアルで詩的でもあったのです。あー、ゴッホの見ていたものは何だろう、とぼくは思いをめぐらせずにはいられなくなる。

ウェレム・デフォーの演技がすごい。デフォーの若かりし日に準主演で出演したアラン・パーカー監督の『ミシシッピー・バーニング』は、ぼくの大好きな映画で、あの若い、かっこいいFBI捜査官を演じた彼が、こんなすごい役者となっていたとは、驚いてしまう。

「永遠の門」を見て、上野の美術館のゴッホ展覧会に見に行きたくなったのはもちろんのこと、高校生の頃、感動して何度も何度も読み返した、小林秀雄の書いた「ゴッホの手紙」をまた読みたくなったよ。

映画『永遠の門 ゴッホの見た未来』公式サイト - GAGA
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ヘザー・レンズ監督の『草間彌生∞INFINITY』を見ました。現代美術の世界をまぎれもなく代表し、次々と新しい芸術を築き上げてきた草間彌生さんの生涯を追ったドキュメンタリーです。

ぼくが草間彌生さんの展覧会を初めて見たのは1999年でのニューヨークから巡回してきた「LOVE FOREVER: YAYOI KUSAMA, 1958-1968」と「IN FULL BLOOM: YAYOI KUSAMA, YEARS IN JAPAN」の2部構成の東京都現代美術館での「草間彌生 ニューヨーク/東京」だったと思う。その時は、草間さんのことを、幻想的な散文詩や小説を書く、中上健次に絶賛され対談などもしていた怖そうな女の人ぐらいしか知らず、彼女のアート作品はまったく知らなかった。そんな知らない状況で見た展覧会は本当にどんな言葉でも表せないほどの衝撃的で、それ以来、同時代を走るもっとも偉大な芸術家として、追いかけてきたつもりです。松本に旅する理由のもっとも大きな一つは、美しい松本城や女鳥羽川の風情、古い居酒屋、サイトウ・キネン・オーケストラではなく、草間彌生さんのアートの常設展示のある松本市美術館だったりする。

ヘザー・レンズ監督は10年の歳月をかけてこの映画を製作したそうだ。すばらしい映画となっている。あなたがもしも草間さんの永遠に消えては現れる水玉に魅かれるなら、この映画を見てみてください。それから、男も女も、フェミストの人は見てください。自由を信じる人は見てください。愛は永遠だと信じる人は見てください。Love Forever!

『草間彌生∞INFINITY』公式サイト
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森達也監督の『i 新聞記者ドキュメント』を見ました。東京新聞の望月衣塑子記者を追ったドキュメンタリーです。望月さんの物事の真実を彼女自身の目で見きわめて、発信したいという、その熱量に圧倒され、頭がくらくらしました。ぼくは孤独な戦いをつづけていく人を尊敬します。

けれども、、政治権力の真ん中にいる政治家の公共心のなさ、正義心のなさと人々の無関心によって日本という国は本当にここ数年でおかしくなってしまったなー。このまま行けば、日本に明るい未来は来そうにないのではないか。昨日も、大手新聞社の社長連中が対峙すべき権力の中枢にいる総理大臣と赤坂のどこぞの料亭で飲み食いしているってさ。なれあっているんじゃねーよ。何が記者クラブだよ。おまえらは中華人民共和国の「人民日報」かよ。それとも、ソビエト連邦の「プラウダ」か? 願わくば、この映画を見た若い人の一人でも、志のある新聞記者になろうと思う人がでてくれたならと思いました。

さて、話は映画にもどり、途中のアニメーションに胸がすっとして、ラストの森達也監督の独り言みたいな真摯なメッセージもとてもよかったです。

映画『i-新聞記者ドキュメント-』 | 11月15日(金)全国公開
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佐渡岳利監督の『NO SMOKING』を見ました。日本のポップミュージックの巨匠、細野晴臣さんの長い音楽人生を今の音楽活動とインタビューでふりかえるみたいな内容なのですが、ふりかえるというより、細野さん、自分の子どもとか孫みたいな世代のミュージシャンたちとワールドツアーとかしちゃって、今が、音楽そのものが人生のようなそれの最盛期で、とにかく幸せな時なんじゃないの? けれど、そんな若いミュージシャンへかける言葉は、あとはたのんだぞ、が口癖だったりする。渋谷の小さな映画館でこれを見終わって、神泉の駅に向かう途中、悲しいような嬉しいような不思議な気持ちになって、泣きたくなって涙ぐむみたく、ぼくの胸はジーンとしていました。

(ちょっと時間を間違えて、初めの方、少し見そこなってしまった。もう一度、見なかゃ)

映画「NO SMOKING」公式サイト 2019年11月公開
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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