えいちゃん(さかい きよたか)

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Ry Cooderというとヴィム・ヴェンダーズ監督の名作の「パリ、テキサス」のすすり泣くスライド・ギターを思いだすのだが、その原型は弾き語りのテキサス生まれのゴスペル・シンガー、Blind Willie Johnsonの"Dark Was the night-Cold was the ground"であったのだけど、デビューアルバムに演奏されたインステュルメンタルのギターを聴くと、彼は、アメリカの中や周辺にある異端を始めから追い求めていたようなミュージシャンであったと思う。

名盤の誉れ高い"Paradise And Lunch"や"Chicken Skin Music"ではアメリカ合衆国の国境線、ハワイやメキシコをさ迷い、そのような音楽を探索し、"Jazz"では1920年代の忘れかけられていたジャズ音楽を追求した。サウンド・トラック、"Paris, Texsas"では、心に染みるようなメキシコの歌すら演奏していた。それは"Cancion Mixteca"。映画「パリ、テキサス」で主演のハリー・ディーン・スタントンが鼻歌を歌っていた歌で、そのハーリー・ディーン演じるトラヴィスとナターシャ・キンスキーの演じるジェーンがのぞき部屋での二度目の再会の時に、インステュルメンタルで流れる忘れがたき曲。その再演もあるアイルランドのチーフタンズと共演した新しいアルバム"San Patricio"が素晴らしい。アメリカとメキシコとの間の戦争で負けたメキシコの側のアイルランド移民の側に立った歌曲集、コンセプト・アルバムで、多数のメキシコのミュージシャンも参加している。スペイン語でのLinda Ronstadtの歌声も素晴らしい。敗れ、称えるられることのない英雄たち、Unsung Heroesへの胸に迫る賛歌。

Ryは世界の果てまでも旅するように、アメリカ合衆国と正式の国交のないキューバまで行ってしまったことがあったし、その時、キューバのミュージシャンと共演した"Buena Vista Social Club"はドキュメンタリーとしてヴィム・ヴェンダーズ監督の手により映画にまでなりヒットした。もちろん音楽も素晴らしかった。そして、今度の"San Patricio"を聴き、ぼくはRy Cooderの音楽は叛アメリカであるところのアメリカ音楽の精髄のような気もするのです。






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えいちゃん
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S.E.
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音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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