えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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川崎の東扇島公園での渋さ知らズが結成30年とのお祭り「渋大祭」に行ってきました。

前日の夜、渋さ知らズ以外にどんなバンドが出るんだっけと思って、ネットでチェックしてみると、なんと、Sun Ra Arkestraの名前があるではないか。信じられないような気持になった。なんでも、突然にニューヨークから川崎に、この祭りのためだけのために飛行機に乗って大人数、やって来るのだそう。ぼくの目当ては渋谷毅オーケストラ、栗コーダカルテット、そして、ニューヨークからのSun Ra Arkestra、やっぱりトリの渋さ知らズなのでした。

渋谷毅オーケストラで久しぶりの生ジャズを聴いて、栗コーダカルテットでなごんで、若い衆の中村佳穂だのクラムボンだのビール飲みながら芝生に寝そべり見て、夕刻に空はにわかに晴れ渡り、Sun Ra Arkestraが演奏し始めた。"Sunset"と歌詞に出てくるバラードを演奏すると、川崎の港の向こうに夕焼けの赤いグラデーションが広がり、音楽もその景色もあまりに美しく、感動のあまり、涙がほろりと目頭を熱くさせるのだった。Sun Ra亡きあとSun Ra Arkestraはリーダーにしてアルトを95歳にして豪快にフリーキーに吹き鳴らすMarshall AllenのSun Ra Arkestraで、Sun Raはもうそこにはいないけれど、確かに30年以上前にぼくが見たのと同じく、そこに降臨していたのだよ。Sun Raはミュージシャンにも、ミュージシャンでない人にも、いつもこう言っていたという。

「きみができないことをきみはやりたまえ」

Sun Raに初めて会った時、Marshall Allenが、覚えたばかりのフルートをどんな風に吹けばいいのかと尋ねると、Sun Raはこう答えたという。

「きみが一度も聞いたことのない音を奏でるのだよ」

それは、多分、無限ということかもしれない。潮風を感じながら、赤く染まった夕焼のもと、Sun Ra Arkestraのスウィングに合わせて聞いていると、音楽は無限に美しいと感じた夢のひと時であった。

そのあと、ザゼン・ボーイズの騒音ぽいハード・ロックの後、さらなる騒音のような渋さ知らズが始まった。数えきれないバンド・マンの中にSun Ra ArkestraのMarshall AllenやMichael Rayも入って吹いている。次から次へと出てくるダンサーたちも合わさり、それは地底から蘇ったものらの、喜びや悲しみ、怒りなどのありとあらゆる感情をないまぜにして喚き重なり合う咆哮のようで、ぼくは口をあんぐりとあけて笑い、そして、叫び出さずにはいられないようであったのだ。

渋さ知らズ、30周年、おめでとう!
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えいちゃん
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S.E.
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自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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