えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ

渋谷のサクラホールに『沖縄のウタ拝2022』を見に行きました。
二部構成の一部の後、右隣にいた女子がそのまた向こうの女子に、どうだった、と聞かれ、沖縄のうらみつらみを感じた、と答えていましたが、その声は涙に濡れているようでした。
音楽と映像て綴られる沖縄の近現代を表した叙事詩は、その願いと祈りで未来を照射するよう。
フィナーレはCoccoの踊り。子どものころバレエをしていたというバレリーナそのもののほっそりとした手足の長い彼女の全身を舞わせる踊りの美しさは沖縄そのものでもあるようなのです。
劇場を出て、ぼくは、戦争のない世界に行きたいな、と思っていました。戦争のない沖縄では足りません。戦争のない日本でも足りません。ぼくは戦争のない世界に行きたいのです。
沖縄のウタ拝 2022


銀座にある観世能楽堂に『能 山姥 長杖の伝』を見に行きました。開演を椅子に座って待っていると、シテって何かしらね、という隣からひそひそ話の声が聞こえてきます。ぼくは主人公のことです、とは答えませんでした。見始めればすぐに分かりますからね。村上湛さんの解説の後、能が始まります。村上さんはこうおっしゃます。
「「山めぐり」とは何か…見るものを深い思念に誘う劇的主題である」
観世能楽堂で購入した本『能面の世界』で見市泰男さんは山姥の能面について、こう解説しておられる。
「能の山姥は風貌怪異だが、化物ではなく、深山幽谷の主であり宇宙の象徴ともいえる超自然的な存在である」
『能面の世界』に載せられていた昭和の文豪、野上弥生子の能についての言葉。
「あらゆるものが有って、しかも無にまで及んでいる能面は、その本質をなにより明らかに示すものといふべきである」
なるほどです。ぼくは日本の伝統と美の劇と音楽を堪能しました。能は素晴らしい総合芸術です。




そういえば白塗りの暗黒舞踏って一度もちゃんと見たことなかったな、と思い、麿赤児率いる大駱駝艦の『おわり はじまり』の『おわり』を見に、世田谷パブリックシアターに行きました。
見て、「白塗り」とか「暗黒」とか、そいう言葉は門切り型の言葉は大駱駝艦には要らないな、と思いました。それは、それはエモーショナルでエロチックでドラマチックな舞踏で、麿赤児さんが宇宙のおわりを想像して作劇したものだそうです。作劇といっても舞踏には言葉はないですけど、確かに物語が男や女の肉体で語られており、素晴らしかったです。公演『おわり』が終わり、劇場のロビーを歩いていると、誰かが誰かの友だちに話す声が聞こえてきて、あたし、おしまいの方は感動して、泣いちゃったわよ、と話しておりました。ぼくは泣かなかったけれど、同感し、本当に素晴らしかった、もっと早く大駱駝艦の舞踏を見ていれば、よかったと思いました。
唐十郎の状況劇場から分派して大駱駝艦ができて、今年で五十年、おめでとうございます。来週は『おわり はじまり』の『はじまり』を見に行きます。
大駱駝艦・天賦典式 創立50周年公演 『おわり』『はじまり』


新宿末廣亭へ落語を聴きに行きました。この前、浅草演芸ホールに行ったのだけど、ならば、もう一つのぼくの行く寄席の末廣亭に行かねば、と思ったしだいです。
末廣亭は浅草演芸ホールより少しこぶりの昔の芝居小屋の風情の寄席で畳敷きの桟敷席があるのがうれしい。ここであぐらをかいて芸を見るのを楽しむ。浅草演芸ホールではアルコール類の飲料を飲むことが可なのだが、末廣亭では禁止。昔、ぼくはこの末廣亭の桟敷席で缶のチューハイを飲みながら、落語を聴いていた記憶があるのだけれど、その後、場所柄か、たちの悪い酔客が多くて、こうなってしまったのかもしれない。
志ん生も談志も生では見たことのないぼくだけれど、きっと、古い芸能の伝説となるだろう何かを見てもいるのかもしれません。
末廣亭は浅草演芸ホールより少しこぶりの昔の芝居小屋の風情の寄席で畳敷きの桟敷席があるのがうれしい。ここであぐらをかいて芸を見るのを楽しむ。浅草演芸ホールではアルコール類の飲料を飲むことが可なのだが、末廣亭では禁止。昔、ぼくはこの末廣亭の桟敷席で缶のチューハイを飲みながら、落語を聴いていた記憶があるのだけれど、その後、場所柄か、たちの悪い酔客が多くて、こうなってしまったのかもしれない。
志ん生も談志も生では見たことのないぼくだけれど、きっと、古い芸能の伝説となるだろう何かを見てもいるのかもしれません。




初台にある新国立劇場のオペラパレスでワーグナーのオペラ『さまよえるオランダ人』を見ました。感動しました。
ぼくは、生きているうちに二つのオペラをいつか見たいと思っていて、一つはガーシュインの『ポギーとベス』、一つはワーグナーの『トリスタンとイゾルデ』なのです。この『さまよえるオランダ人』はその前哨戦かもしれない。
昔、中上健次がインタビューで「物語の復権」ということを唱えていて、貧血症状の昨今の日本の小説を批判しつつ、ワーグナーの歌劇みたいに何回もたたみかけるような物語を作りたいと言っていたことを思い出したりした。そんな風にラストは怒涛の展会で、ぼくの目頭は熱くなる。さすが、クラシック愛好家の世界にワーグネリアンという人たちがいるわけだと納得。
ガーシュインの『トリスタンとイゾルデ』はニューヨークのメトロポリタン劇場での劇をそのまま撮影したのを映画館で見たことがあるのだけど、ガーシュインもワーグナーの影響を受けていそう。
やっぱり、三島由紀夫の小説もなんだか思い出した。そして、悲劇は高まり、究極の救いとなる。
決して、ルートの音にもどらない無限旋律ですか。催眠効果があるんじゃないのか。三幕目の一幕目は眠くなったりしたよ。
舞台美術がモダンでとてもかっこいい。
見どころ満載のオペラでした。
いつか見る『トリスタンとイゾルデ』がますます楽しみ。
さまよえるオランダ人 - オペラ - 新国立劇場


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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。


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