えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ

国立能楽堂で能楽を見ました。狂言は和泉流の「才宝」、能は観世流の「玄象」でした。
「才宝」は三人の孫が成人し、烏帽子を授かりたく、祖父に訪問するという話。祖父は孫に滑稽な名前をつけたりします。孫は面白がり、車に乗せ大盛りあがり。滑稽な話というより、祝いの話のでした。祝われているのは孫たちの方ではなく祖父の方のようでもあるのです。楽しいなぁ。
「玄象」は、琵琶の名手の菅原師長がその奥義を極めようと唐土に渡ろうとする、その須磨の浦で漁師の老夫婦と出会います。その老夫婦に琵琶を披露すると、老夫婦は菅原師長よりさらに素晴らしい「越天楽」を合奏し、自分たちは村上天皇と梨壺女御の霊であることを明かし、消えてしまいます。さて、その後、どうなるかは明かしますまい。その後半の舞いがダイナミックで素晴らしい。
能には天皇や皇室の話が頻繁に出てきます。芸と血筋みたいな「玄象」の話にぼくは映画の「国宝」を思い出しました。芸人が最下層の職業だとされたとするならば、紀州、熊野の物語作家の中上健次はその最下層は一番の上の皇室はつながっている、などと昭和天皇の崩御の際に発言していたことなども思い出します。そんなことを考えつつ、能楽に親しむぼくは、近頃に伸長している右派の政党には何の共感も感じないのだけれど、今のような文化としての、政治や権力に距離を置く皇室は続いたほうがいいと思ってもいる、変節した社会主義者なのかもしれません。この変節が転向なのか、進化なのかは、ぼくには分かりませぬ。

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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。


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