えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ
「白い河 風聞 田中正造」を読了した。立松和平の絶筆だという。作者は病に倒れ、鉱毒事件と戦う谷中村の農夫の大六が日露戦争に従軍するところで物語はふいに中断している。この前に読んだ「毒 風聞 田中正造」の続編だろうかと思い読み始めたのだが、物語はほぼ同じ時を背景にし、「毒 風聞 田中正造」とはまったく異なった文体で書かれていた。人以外の生き物たちも語るというということはなく、全編が三人称でつづられる。この小説を読むと、立松は島崎藤村の「夜明け前」のような小説を書きたかったのかもしれない、と思った。「夜明け前」は途中まで読んだけど、いつか最後まで読み通したい、と望みつつ、この未完の傑作にエールを送る。大六の行軍のところで話は終わり、本を閉じると、勝っても負けても戦争は戦争、と思い、敵味方関係なく、百年前の兵士の霊が背中の方で無言で立っているような気もした。
<< 横浜ジャグ・バンド・フェスティバル
HOME
立松和平「毒 風聞 田中正造」 >>
[672] [671] [670] [669] [668] [667] [666] [665] [664] [663] [662]
[672] [671] [670] [669] [668] [667] [666] [665] [664] [663] [662]
この記事にコメントする
カレンダー
えいちゃんのお奨め
カテゴリー
最新コメント
最新記事
(11/01)
(10/30)
(10/28)
(10/25)
(10/24)
(10/21)
(10/16)
プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
ブログ内検索
最新トラックバック