えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ
VODで成瀬巳喜男監督の『浮雲』を見ました。1955年の映画です。原作は林芙美子の最後の名作。小津安二郎は「俺にできないシャシンは溝口(健二)の『祇園の姉妹』と成瀬の『浮雲』だけだ」と語っていたそうです。
戦後の大スター、高峰秀子が主演をし、戦中に植民地で出会った男、森雅之の演ずる富岡兼吾と戦後も不倫関係を続ける幸田ゆき子を演じております。幸田ゆき子の運命は一貫して下降線をたどり、見ていてつらくもなります。岡田茉莉子さんが薄幸な末路となる富岡の若いもう一人の不倫相手のおせいを演じていて、なるほど、明るいけれど、、はかなくも散ってしまい、印象的。森雅之の演じた富岡を見ながら、太宰治ってこんな男だったのかも、と思ってしまいました。
森雅之の富岡兼吾も、高峰秀子の幸田ゆき子も病的な自罰傾向にして、自滅的で、ぼくはそこに横たわる日本の惨めな敗戦を見てしまう。この『浮雲』は、1955年の当時、大ヒットして、キネマ旬報ベスト・テン日本映画第1位、監督賞、主演女優賞、主演男優賞となった問題作にして、日本人の敗戦と戦後の悲劇がとりついたかのような異様な傑作だ、と思いました。
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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