えいちゃん(さかい きよたか)

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久慈悟郎監督の『ペリリュー 楽園のゲルニカ』を見ました。前の大戦での日本軍の悲惨な玉砕を扱ったアニメーションです。三等身のキャラクター以外は、リアルです。残酷なシーンもこの一見、かわいいキャラクターによって、見ていられるのかもしれません。原作は11巻にもなる武田一義さんの連載漫画で脚本も武田さんが書いておられます。前半、惨敗する日本軍が描かれ、後半になって、物語は動き始めますが、ネタバレになるので、ここでは、それがどのようなものなのかは述べません。

日本の映画でこれほど、戦争での戦闘の惨たらしさを描い映画をぼくが知らないのはどうしてでしょう? 『ペリリュー』の戦闘シーンはスティーヴン・スピルバーグ監督の『プライベート・ライアン』を思い起こさせます。戦闘を描けなかったことには、何か意識にものぼらない抑圧が日本人にはあるのかもしれません。などと書いていると、大岡昇平の小説の『野火』を映画化している市川崑監督や塚本晋也監督を思い出しました。あるのですな。

日本軍の戦陣訓の「生きて虜囚の辱めを受けず」の悪しき呪いの言葉のことを考えてしまいます。『俘虜記』を書いた大岡昇平は、日本芸術院会員に選ばれた時に、自身が戦陣訓の「生きて虜囚の辱めを受けず」に反し、フィリピンで捕虜になった経験から「国家からの栄誉は受けられない」と芸術院会員を辞退しました。そこには戦争を引き起こした国家への何とも表現しづらい拒否感もあったでしょう。そのような大岡昇平をぼくは正しいと思う。

閑話休題、『ペリリュー 楽園のゲルニカ』は戦争を描いたいくつかの名作に名を連ねられることとなるでしょう。そして、この映画を愛子内親王殿下もご覧になられたそうなのです。若い人もそれなり映画館でお見かけしました。希望の一筋です。

映画『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』公式サイト
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えいちゃん
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男性
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音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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