えいちゃん(さかい きよたか)

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東北学を提唱する民俗学者、赤坂憲雄さんの著した「ゴジラとナウシカ」が面白くて、一気に読んでしまった。全4章のうち、3章がゴジラ及び怪獣論でナウシカ論は最後の1章のみで、ナウシカ論は多分、序論となり、この先、継続して何かが書かれるように思えた。赤坂さんは先の東日本大震災が起きた後、初代の「ゴジラ」と「風の谷のナウシカ」ばかりを見て、感銘を受け、これらの文を書くこととなったらしいが、その出発点はぼくも昔、読んだことがあり、なるほどと思った川本三郎さんの有名なゴジラ論「ゴジラはなぜ「暗い」のか」であった。この本の出発点と思われる川本さんゴジラ論を引用しておきます。

「戦争で死んでいった者たちが、いまだに海の底で日本天皇制の呪縛の中にいる。ゴジラはついに皇居だけは破壊できない。これを「ゴジラ」の思想的不徹底と批判するものは、天皇制の「暗い」呪縛力を知らぬ者でしかないだろう」

赤坂さんは民俗学による想像力を翼にして飛び、三島由紀夫の短編「英霊の声」を接合し、大胆に歩みを進めていて、日本映画の他の怪獣たちにも言及し、面白かった。そして、「ナウシカ」へと続く。宮崎駿さんの作品の多くが柳田国男らの民俗学からかなり直接的に影響もされているらしい。思い浮かべれば「となりのトトロ」、「風の谷のナウシカ」、「もののけ姫」、「千と千尋の神隠し」など。昔、インタビューで宮崎さんは「千と千尋の神隠し」の前にヨーロッパ旅行をし、ヨーロッパの伝統の深さと奥行きにかなわない、とある種、観念し、それを乗り越えるために柳田国男ばかり読んでいた、と言っていたのを思い出した。赤坂さん、さらに書き継いで、論じてください。






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えいちゃん
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男性
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S.E.
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音楽
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音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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