えいちゃん(さかい きよたか)

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村上龍には親しみをおぼえているのに、それほどたくさんの小説は読んでいない。一番好きなのは、「限りなく透明に近いブルー」。その小説に出てくる「おまえには黒い鳥がみえるよ」というセリフがかっこいいなどと友だちと語りあっていた。一番美しい音楽は初期のビートルズと言ったのも村上龍さんで、なるほどと思った。ローリング・ストーンズ好きで、それにキューバ好き。中上健次に殴られなかった数少ない同世代の小説家。その中上と対談した時、ありとあらゆる薬物を若いころ試したと語っていた。何かのアンケートで数年前、もっとも上司になって欲しい有名人の一人に選ばれたりもしていた。龍さんの最近の小説は常に同時代を活劇的な物語の中で描き、少年の心を残しているかのよう。理屈っぽくなく、けれどとても聡明で、偏見なしにものを見ることができる人。そんな龍さんの最新のエッセイ「櫻の樹の下には瓦礫が埋まっている。」を読んだ。やはり面白かった。この本の中の「若者の病理と文学」からぼくの共感した龍さんの文学観を引用します。

「小説というのは、基本的にマイノリティを代弁するものだ。社会に受け入れられない人々の声にならない声を翻訳して、人間の精神の自由と社会の公正さを訴える、それが文学である。だから文学は回答を示すものではない。本質的な疑問を提出する」

そして、最後の章「櫻の樹の下には瓦礫が埋まっている。」にはとても感じ入り、震災後の日本の状況について、わが意を得たりと思い、深く溜飲をさげた。立ち読みでもいいから、この章だけでも読むことをおすすめします。

章と章の間のはさまった龍さん自信が写したカラーの花の写真も素敵です。











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えいちゃん
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男性
職業:
S.E.
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音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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