えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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"When you hear music, after it's over, it's gone in the air. You can never capture it again. "
「音楽を聴き、終った後、それは空中に消えてしまい、二度と捕まえることはできない」

これはサックス奏者、エリック・ドルフィーの言葉なのだけど、ある友だちのシンガー、スミ☆アヤコちゃんのユニット、ANNを見に行くと、そのライブのMCで彼女は、ライブで聴く音と、ライブを記録した音は違うというようなことを言っていて、鋭いなぁと思った。

この日のANNのライブには、ぼくにとって二度のクライマックスがあったようだ。それは、川久保典彦くんのピアノと関根彰良くんのギターのデュオで演奏した"Sratdust"と、お店の方から半分止められながら演奏したアンコールの"What a Wonderful World"で、それは空中に消えてしまい二度と捕まえることはできない至福の時であった。

"Stardust"というとLionel Hampton All Starsのライブを記録したアルバム"Stardust"をまず思い受かべてしまう。このライブの音の記録を聴くと、空中に消えてしまった本当のライブの音を、そこに居合わせて聴きたかったとも思うのだけど、これが記録された1947年8月4日にぼくは存在していたのかは謎だ。戦争が終わってから2年目、どんな夏だったんだろう?




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盲目のサックス奏者、Rahsan Roland Kirkのブルースっぽい演奏を集めたライブ音源集です。これを聴くとぼくの涙腺があぶない。オロロン、オロロンでござりまするよ。曲と曲の間にRahsanのお客さんに語りかける声も入っていて、朴訥にしゃべっていて、その声を聴くと、また泣いてしまいそうになる。最近、わしゃ、変になっているのかもしれ。胸がジーンとしてくる。

そういえば、Roland Kirkってピエロみたいな喇叭吹きだとも思う。ぼくの思い出すたいがいのピエロの顔には涙つぶが描かれている気がするんだけど、どうして涙粒なんかが描かれているのだろう? ピエロってバカにされて、笑われるのが仕事なんだけど、それでも愛されたいというのが、涙の印に表れているとか。Rahsan Roland Kirkもピエロも大好きじゃ。やっぱ、オロロン、オロロンでござりまするよ。

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実は、ぼくは、日本人のブルースの演奏にあまりブルース・フィーリングを感じたことがない。なぜだろうと思う。余り日本人のブルース・マンを知らないというのもある。この前、東長崎のSpoonfulで聴いたROIKIさんの弾き語りは良かったなぁ。あと、吾妻光良・アンド・スウィンギング・バッパーズは大好きだし、吾妻さんのギターも大好きだけど、やっぱ例外かな。ホワイト・ブルースもほとんど聞かない。1960年代のローリング・ストーンズが最高のホワイト・ブルース・バンドだと思っているのは、その他のバンドを知らないだけなのか? けど、DOORSのブルース・アルバム"L.A. Woman"はいいなぁ。後は何かあっただろうか? ぼくが知らないだけ? 黒人たちのブルース以外に何かブルースはないか? 思い出したよ。憂歌団だ。

ぼくのお勧めのライブ・アルバム・シリーズ。この「生聞59分!!」は憂歌団の絶頂期のライブです。木村秀勝のボーカルとリズム・ギター、内田勘太郎のリード・ギター、花岡憲二のベース、島田和夫のドラムス。泣くのがブルースかもしれないが、泣いてばかりいるのがブルースとも限らない。ギターをきゅんきゅんチョーキングするばかりがブルースとは限らない。歌だ。4人の男たちが一緒になって奏で、そして、それぞれの楽器で歌って、騒いで、ストンプしている。このアルバムのラストは「憂歌団のテーマ」。歌っているよ。

「俺たちゃ 憂歌団
やくざな 憂歌団
俺たちが歌えば女がさわぐ
キャー・・・」

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ライブ・レコディング紹介の第七弾はこの"ALL STARS JAM SESSION (The Complete Session)"にしましょう。今日、中古CD屋さんで見つけ思わず買ってしまって聴いています。あの"Dinah Jams"の完全版なのだ。時は1954年8月14日、Clifford Brownらの若きアメリカ西海岸のジャズのつわものが、ブルースの女王Dinah Washingtonを招きいれ、とあるスタジオでお客さんを前に夢のようなセッションを繰り広げたのです。その夢の一部始終が聴けるのですぞ。

この夢のセッションは東海岸のそれのような、例えば摩天楼の夜空の下のBud PowellとFats Navarroの繰り広げた戦いではなく、むしろ、からっとと晴れた西海岸の大都市の青空の下の真剣での音との戯れと言えばいいのかしら。とにかく、からっとしていて楽しい。"Lover Come Back To Me"とか、バンドとシンガーが渾然一体となり離陸し、空に舞い上がり、雲の上を滑空するその瞬間の音楽がある。


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シカゴという町が育てた二人のミュージシャンが好きである。一人は宇宙のピアノ弾きのSun Ra、一人はいくつもの管楽器を首から下げて操る辻音楽士であり大道芸人のようでもあるRoland Kirk。こんなものはジャズじゃないと嘲笑されることもあるのだけど、そういう人はその人のジャズを聴けばいいと思うし、そんな嘲笑を耳にしたRolandはこんな音楽が演奏したいだけなんだよと哄笑するのかもしれない。実際にある時期、Rolandはヒッピーなどに呼ばれて、ロック・コンサートなどでよく演奏していたらしい。

Rolandのこの"Roller Coaster"というフランスのパリでのライブ・アルバムは、もっとも古いジャズ創生の時代に活躍したSidney Becheがパリ在住時に作曲した「小さな花("Petite Fleur")」に始まり、もっとも古いジャズの名曲"When The Saints Go Marching In"を経て、オリジナル曲やおなじみのジャズのスタンダード曲の"Love For Sale"、"Bags Groove"も演奏し、Stievie Wonderのヒット曲、"My Cherie Amour"で高みに達するのだった。美しい音色とメロディー、ファンキーなリズム、暖かい親密さにユーモアやブルーズも混じる。そして、笑い。Wonderful Roland Kirk's Music!
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最近途絶えていたライブ・アルバムの紹介です。R&B系のインストゥルメンタルのライブ・アルバムの中でKing CurtisのフィルモアでのライブやRamsey Lewisの"The In Crowd"に並ぶ傑作がこの"THE WOODEN GLASS RECORDED LIVE featuring BILLY WOOTEN"なのではないか? これはジャズ? ファンク? ジャンルなんて関係ないのだ。多分小さな黒人クラブの一夜にブラックなグルーブそのものが舞い降りてきて、ざわめき、そして絶叫するオーディエンスとともに、ヴィブラフォーンが、オルガンが、ギターが、ドラムスが渾然一体となって疾走している。かっこよすぎて、気が狂う。眠れなくなっちゃうよ。

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4枚目のライブ盤の紹介です。自分に元気を入れるためにロックなのだ。LITTLE FEATの"WAITING FOR COLUMBUS"。このライブ盤を出した後、LITTLE FEATからギタリスト兼シンガーで多くの作詞作曲をしていたLowell Georgeが脱退。Lowellは1枚のソロアルバムを残して逝ってしまう。嫁がアフリカ系の人だったのではないかしらと、思い出した。
このライブアルバムはTower Of Powerのホーン隊を連れてのヨーロッパでのライブ。アルバムタイトルの「コロンブスを待ちながら」というのが意味深だねー。アメリカでコロンブスを待っているのかしら? Little Featを聴くと、アメリカ人ってアメリカにいることが居心地が悪いのではなかろうか? アメリカはその昔、デトロイトのブルーズ・マン、John Lee Hookerが歌うNoman's Land、誰のでもない国、土地であって、ヨーロッパでのLITTLE FEATは実に生き生きとしている。歌う歌はいつも、ふられダメ男の歌。ダメ男をふる女がアメリカの暗喩なのでは? そんなことはないか? いろんな奴がアメリカに天国を求めてやってきて、手に入れるが、手に入れられない。けれどアメリカを愛してやめられない。"Fat Man In The Bathtub"にあるように、それでデブがバスタブに浸って泣き声をあげているのだ。

「検査係のビリーのやつはひざまずいて懇願している
きみのガソリンが大丈夫かチェックしたいんだ
今夜やダメよ、月曜か火曜にいらっしゃい
ファニータ、愛おしいファニータ、どうしている?
ファニータ、愛おしいファニータ、元気かい?
誰も踊って死にたいとは思わないけど
車でぶっ飛ばそうってとかも思わない

どうしてかって?
デブがバスタブをブルーズだらけにしている
うめいて泣いている
うーうー泣いている
うーうーって聞こえるんだよ

ビリーは落ち込み、寂しくて、それで、帽子を取り、走り始めやがった
街中をわめいて、走りまくり、息は乱れ、心臓はバクバク
おれが人生で欲しいのは正しくて清らかなささいな楽しみだけなのに
ちょっとヒットエンドランを決めたいだけなに
ファニータ、愛おしいファニータ、どうしている?
ファニータ、愛おしいファニータ、元気かい?
あり金すべて君に預けるよ、そうすれば、減らなくて済むじゃないか
げすな街でのきみのスクイズでおれはつかまってしまったんだ

どうしてかって?
デブがバスタブをブルーズだらけにしている
うめいて泣いている
うーうー泣いている
うーうーって聞こえるんだよ」

なんか、強烈。天国を求めてアメリカに来た。アメリカは天国ではないけど、天国の時もある。だから、アメリカを愛さずにはいられない。けれど、天国を何度でも求めてしまう。
アメリカのレディー・ファーストには理由があって、移民に女性が少なかったからだという。アメリカ料理はキャンプ料理。焼いて塩胡椒して、ケチャップかけてがぶり。ホワイト・ハウスが巨大な野営テントに見えてきはしないか? おれたちはここにいていいのだろうか? ここにいたいけれど、ここがそこなのだろうか? アメリカ人ってみんな、流れ者なのではないか? おれみたく、ブルーズをうめき、ロックンロールで騒ぐのがちょうどいいのさ。やっぱ、コロンブスが来るまでは、トマト人がいたんだよ。

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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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