えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ
有楽町のよみうりホールで『みんおん演芸特選 林家つる子・一龍斎貞鏡・国本はる乃 落語×講談×浪曲 日本三大話芸の競演』を見ました。見た演目です。
二つ目の春風亭一花さんの落語「駆け込み寺」の笑いで一気に客席が暖まりましたね。
一龍斎貞鏡師匠の講談「四谷怪談 お菊様誕生」は夏らしい怪談です。「四谷怪談」をするときは、一龍斎貞鏡師匠はいつも於岩稲荷様にお参りに行くそうです。代々の講談師の家系、血筋にて、美人で、お坊様との間に五人の子どもがいるとのこと。なんか、物語の主人公のようです。この家系とか血筋というのは、ぼくはアレサ・フランクリンが子どものころから父、C.L.フランクリンのゴスペルをよく聞いていた、ということだとも思うのだか、何か、貞鏡さんには芸人としての花がありますな。今、講談師は日本に九十人しかいないとのこと。日本の伝統のためにも応援したくぞんじます。講談の長講を続けて何話も聴いてみたく思いました。
国本はる乃師匠の浪曲「若き日の大浦兼武」の歌のこぶしと語り口の素晴らしさ。
主任は林家つる子師匠の 落語「紺屋高尾」。林家つる子師匠によるアレンジの加えられたこの噺が、ぼくは大好きです。ふと、「紺屋高尾」とほぼ筋書きが同じ「幾代餅」を得意としていた古今亭志ん生がつる子版「紺屋高尾」を聞いたら、どう思っただらうか、などと空想をたくましくしてしまいました。
日本の話芸よ、残っていけよ。暗いこの世のつらさ忘れ、寄席の話芸は心のオアシスなのです。
国立能楽堂で能楽を鑑賞しました。狂言は和泉流「寝音曲」、能は宝生流「鵜飼」でした。
「寝音曲」は謡いの上手い太郎冠者が主人に謡いをしてみろという主人になんのかんのいって謡いをしようとしない滑稽劇。おおらかな笑いが劇が進むにつれ、大きくなり、能楽堂が笑いにつつまれておりました。
「鵜飼」はこんな話。殺生を禁じられた鵜使いが、生活のために禁をやぶり、村人から水の底に沈められ亡くなり、地獄に行く。僧侶に召喚され、シテは鵜飼の舞を舞う。シテ(主役)の鵜で漁をする面白さがやがて悲しみに変わり、黄泉の国にもどる。そして、僧侶の仏法と法華経の力により、閻魔大王により地獄から引きあげられ、救われる。この日本に伝わる死生観は現在まで生きている、とぼくは思う。生きとし生きるものには霊魂がやどり、決して殺生を楽しんではならないという厳命。能楽堂をあとにしつつ、ぼくには能の「鵜飼」を知っていたであろう芭蕉の名句が思い浮かばれました。
おもしろうてやがて悲しき鵜舟哉
七月二十二日、新宿末廣亭令和七年下席昼の部でございます。見た演目を書き出してみます。前座の桂伸球くんの「饅頭怖い」、二つ目の立川幸朝くんの「雛鍔」、立川幸之進師匠の「狸の恩返し」、きょうこさんの和妻 、三笑亭歌風師匠の「猫の皿」、立川吉幸師匠の「義眼」、国分健二さんの漫才、三遊亭遊喜師匠の「ちりとてちん」、桂文月師匠の「魚根問」、ぴろきさんのウクレレ漫談、桂歌蔵師匠の「鰻屋」、三遊亭遊三師匠の「たがや」で仲入りです。二つ目の桂竹紋くんの「道灌」、ナオキさんのスタンダップ・コメディ、三遊亭遊之介師匠の「青菜」、滝川鯉昇師匠の「粗忽の釘」、鏡見正二郎さんの太神楽曲芸、主任は立川談幸師匠で「抜けねずみ」でした。
とくに印象に残った演目です。きょうこさんの和妻は何か江戸の世にタイムスリップしたかなような、胡散臭さが面白すぎです。ちなみに和妻とは和風の手品のこと。引きこまれてしまいます。三遊亭遊三師匠の「たがや」は江戸の人たちのきっぷのいい粋さが気持ちいい。桂竹紋くんの「道灌」で大爆笑。ナオキさんのスタンダップ・コメディの飄々とした味にぼくはクスクス笑い。滝川鯉昇師匠の鯉昇版「粗忽の釘」のそこはかとない笑いがいい。立川談幸師匠の「抜けねずみ」はぼくの大好きな噺で、ど真ん中の清々しさでした。
暗いこの世のつらさ忘れ、寄席は心のオアシスなのです。
七月八日、新宿末廣亭令和七年七月上席昼の部を見に行きました。見た演目を書き出してみます。前座の桂伸都くんの「寄合酒」、二つ目の桂しん華さんの「ぞろぞろ」、桂伸衛門師匠の「八五郎出世」、ぴろきさんのウクレレ漫談、神田紫師匠の講談「お富与三郎」、三遊亭愛楽師匠の「猿後家」、宮田陽さんと宮田昇さんのお二人の漫才、桂南なん師匠の「へっつい幽霊」、玉川多福師匠の浪曲「男はつらいよ第20作 寅次郎頑張れ!」、林家今丸師匠の紙切り、滝川鯉朝師匠の「松山鏡」、春雨や雷蔵師匠の「強情灸」で仲入りです。二つ目の桂伸べえくんの「鼻毛カマキリ」、松廼家八好さんの幇間芸 、桂宮治師匠の「権助魚」、三遊亭笑遊師匠の「片棒」江戸家まねき猫師匠の動物ものまね、主任は桂伸治師匠の「ちりとてちん」でした。
印象にとくに残った演目です。桂しん華さんの「ぞろぞろ」ののんびりした感じがいい。桂伸べえくんの「鼻毛カマキリ」のシュールな噺に爆笑してしまいます。松廼家八好さんの幇間芸は幇間芸というものを初めて見ました。幇間芸をする人は浅草に六人しかいないそうです。ばかばかしさに笑えます。桂宮治師匠の「権助魚」と三遊亭笑遊師匠の「片棒」に大爆笑。桂伸治師匠の「ちりとてちん」は大好きな噺でこれも大爆笑。
暗いこの世のつらさ忘れ、寄席は心のオアシスなのです。
国立能楽堂にて能楽を見ました。狂言は大蔵流『萩大名』、能は喜多流『楊貴妃』でした。
『萩大名』はこんな話。和歌を読ませるという邸宅に訪問するという大名に太郎冠者は「七重八重九重とこそ思ひしに十重咲き出づる萩の花かな」という歌を授けますが、覚えの悪い大名が失敗ばかりします。落語の粗忽者噺のルーツであるような気もしました。
『楊貴妃』は白楽天の「長恨歌」を基にした、政変により、玄宗によって悲劇の死となった楊貴妃の蓬莱の黄泉の国で一人暮らす、寂しく悲しい曲。この曲の途中から客席のいろんな席からすすり泣きが聞こえていました。真後ろの一列にほぼ外国人ばかり、多分、アメリカ人が座っていたのだけれど、そこからも誰かのすすり泣きが聞こえます。ぼくも、中国由来の曲から日本人の精神性のもっとも美しい能の精髄を感じさせる舞台に感動した次第です。素晴らしかった。
六月三十日、新宿末廣亭で令和七年六月下席昼の部でした。いつものように見た演目を書き出してみます。前座の柳家小きちくんの「金明竹」、二つ目の柳家小もんくんの「強情灸」、二つ目の林家ぽん平くんの「松竹梅」、小林けん太さんの音まね、柳家平和師匠の「死ぬなら今」、鈴々舎馬るこ師匠の「夢の国コブシーランド」、遠峰あこさんのアコーディオンと歌、三遊亭武蔵丸師匠の「不精床」、吉原朝馬師匠の「松山鏡」、江戸家猫八師匠の動物物ものまね、柳家さん喬師匠の「替り目」、柳家小満ん師匠の「宮戸川(お花半七馴れ初め)」で仲入りとなりました。柳家海舟師匠の「三方一両損」、林家楽一師匠の紙切り、古今亭志ん輔師匠の 「ふぜいや」、林家正雀師匠の「鼓ヶ滝」、鏡味仙志郎師匠と鏡味千成師匠のお二人の太神楽、主任は柳家小里ん師匠の「三人兄弟」でした。
柳家小もんくんの「強情灸」がよかったね。三遊亭武蔵丸師匠の「不精床」のなりきりようがとても笑えます。柳家さん喬師匠の「替り目」の正統の古典落語がうれしい。柳家海舟師匠の「三方一両損」は大岡越前も登場するの気持ちのいい政談もの。主任は柳家小里ん師匠の「三人兄弟」の絶妙な落ちになるほどと納得します。
暗いこの世のつらさ忘れ、寄席は心のオアシスなのです。
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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