えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ
日本の現代文学には津島佑子がいるではないか、と思う。ぼくが今、読み終えた小説「葦舟、飛んだ」は津島佑子さんが2009年から2010年まで毎日新聞に連載していた小説で重たいテーマを平易になさまざまな文体の言葉で紡ぎ、和声(ハーモニー)で歌いあげた傑作でした。テーマは九章目の「八 森へ行きましょう」の中に出てくるこんな言葉で言い表されていて、一箇所だけを引用させていただきます。
戦後、ウデヘ人が狩りに出てもさっぱり獲物が撮れなくなった。そんなことははじめてだった。
「戦争でたくさんの人が血を流したから、悪い神が憑いたらしいとの不安がひろがった。それでシャーマンに依頼して、天の神に祈りを捧げることにした。
・・・・・・地上に生きる人間のかぎりない愚かしさをお許しください。
そして、戦争で死んだ無数の気の毒な人たちの魂をお救いください。私たちはもう決して悪い神に近づきません。
ですから、私たち人間を哀れみ、どうか動物の賜物をお恵みください。
物語の内容はこれからの読者のためにやはり伏せておきます。そういえば、津島さんって太宰治の娘さんなのでした。親子二代、大小説家。そして、津島さんの小説にはいつも祈りのようなものがあって、読み終わったあとに静かな平和すら感じてしまう。
<< The Original Five Blind Boys Of Mississippi
HOME
明日、聖蹟桜ヶ丘のBar Loose Voxで歌っています >>
[508] [507] [505] [504] [502] [501] [500] [499] [498] [497] [496]
[508] [507] [505] [504] [502] [501] [500] [499] [498] [497] [496]
この記事にコメントする
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
えいちゃんのお奨め
カテゴリー
最新コメント
最新記事
(11/01)
(10/30)
(10/28)
(10/25)
(10/24)
(10/21)
(10/16)
プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
ブログ内検索
最新トラックバック