えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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臨済宗の僧侶であらせられる松原哲明さんの著した「般若心経の「空の心」を知るための絵物語 十牛禅図」を一気読みする。これは十牛図を市井のお坊さんらしく、実生活のあれこれを例にとり、語ったもので、おもしろいかった。イラストレーターの津久井智子さんの描きおこした新たな十牛図もかわいらしくて好きです。「解説「十牛図」」という章では十牛図の物語をなすその図にそえられた言葉「序(じょ)」と「頌(じゅ)」の原文の詩と意訳と解説が述べられており、この単純なようで奥の深い十牛図の理解に役立ちます。

このように小さな本ですが読みどころ多いこの本で、ぼくがもっとも感銘を受けたのは「第九 返本環源(へんぽんげんげん)―自然界に戻り、花を見る」でした。返本環源の心境の譬えとして北原白秋の詩「からたちのの花」があげられていました。ぼくは何度、失恋をしてこの詩を読み、泣いたことでしょう。ほんとうですよ。引用させてください。

「からたちの花が咲いたよ
白い白い花が咲いたよ

からたちのとげはいたいよ
靑い靑い針のとげだよ

からたちは畑の垣根よ
いつもいつもとほる道だよ

からたちも秋はみのるよ。
まろいまろい金のたまだよ

からたちのそばで泣いたよ
みんなみんなやさしかつたよ

からたちの花が咲いたよ
白い白い花が咲いたよ」

ぼくは恐れ多くも返本環源を感得できたことがあるとは思えませんが、もうひとつ、中村雨紅の作詞した唱歌「ゆうやけこやけ」も返本環源を感じさせるのだそう。引用しますね。

「ゆうやけこやけで日が暮れて
山のお寺の鐘がなる
おててつないでみなかえろう
からすといっしょにかえりましょ

子供がかえったあとからは
まるい大きなお月さま
小鳥が夢を見るころは
空にはきらきら金の星」

そしてその後に十番目の入鄽垂手(にってんすいしゅ)があるのだそうです。鈴木大拙はこの章をとても大切だと言っております。愚か者のようにもあるのだけど、酒瓶と笑みをたずさえて、町にもどっていくのです。すてきじゃないですか。







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えいちゃん
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S.E.
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音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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