えいちゃん(さかい きよたか)

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バリー・ジェンキンス監督の「ビール・ストリートの恋人たち」を見た。これで「グリーンブック」、「ブラック・クランズマン」と合わせて、近頃、公開された黒人への差別を扱った評判の映画を見たということになる。どれも面白かったのだけれども、これらの3本の映画の中でもっとも重苦しく、そして、もっとも美しかった。

ストーリーは、無実の罪で逮捕された黒人青年とその恋人、若い二人をめぐる中々進展しない静かなホーム・ドラマで、ローアングル、ローポジションや会話の時のカットバックなど、小津安二郎の松竹映画を思い出させる。悲劇を扱いながら、音楽的な美しく静かな名作。バックでかかるニーナ・シモンのジャズも素晴らしい。

さて、原作のジェームズ・ボルドウィンはぼくが高校生の頃の大好きな作家で、新潮文庫で出ていた「もう一つの国」は何度も読んだ。この「ビール・ストリートの恋人たち」の原題は"If Beale Street Could Talk"で小説では「ビ―ル・ストリートに口あらば」と訳され、それは「ビ―ル・ストリートが話をできたなら」というような意味なのだけど、この映画の舞台はニューヨークのマンハッタンで、舞台としてのビ―ル・ストリートは一度も登場しない。そこはジャズの生まれたニューオーリンズにある通りで、すべてのアメリカの黒人の故郷であったところ、と映画の題辞、エピグラフとして語られ、ムーディーな恋人の映画に更にずしりと重たいメッセージを発信してもいる。ジェームズ・ボルドウィンのたくさん小説群も再読してみたい。

スパイク・リーはもうまどうことなき巨匠で、このバリー・ジェンキンスは次の次の世代だろうか、すごい映画監督が登場したものだ。

そして、ヒロイン役を演じるキキ・レインの笑顔がまぶしいです。

映画『ビール・ストリートの恋人たち』公式サイト - ロングライド
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えいちゃん
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歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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