えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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お盆休みを取れなかったのでふいに思い立ちこの八月の十八日と十九日の土曜と日曜に小さな旅に出てしまった。真夏のささやかな思い出つくりで長野県の松本に向かったのは松本市美術館で草間彌生の展覧会が開かれているからです。松本は草間さんの故郷でもあり、松本市美術館はもとから草間彌生のアートのコレクションも充実していて、それも合わせての展覧会ということでおもしろそうだ。鈍行列車にゆられること朝から五時間以上でやっと松本の駅についた。

(ここから少しネタばらしがあります)






「永遠の永遠の永遠」というこの展覧会で始めて、草間さんの十代のころに母を描いた、点々のある素描を見た。これは草間芸術の原点の一つでもあると思う。最新作のカラフルで大きな絵を見て、それが、舞い上がりつづけながら原点に戻ってきたようなそんな感慨を覚えた。十代のころ草間さんは、本当のところは、自分の芸術がこれほどまでに世界に認められ、受け入れられると思っていたのだろうか。「星たちの消滅」と題された大きな作品が二点、展覧会の順路の最後の方に飾られていた。もしかして、星とは点々、ドット、網のことで、もしもそれが消えてしまったら、草間さんもぼくも他の誰一人いなかったことになるのではないですか、と心のなかで草間さんに問いかける。そして、ラストの「魂の灯」の無数の灯り。森羅万象の命たちが星となって明滅しているかのようだ。ぼくの心にうつりました。
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町田市立国際版画美術館に「隆盛する戦後の版画」と題された展覧会に行ってきました。欧米のその時代その時代の最新の版画をたくさん見れました。有名どころでは、やはりアンディー・ウォーホールやロイ・リキテンスタインのいわゆるポップ・アートと呼ばれる大きな原色的色使い版画を見とれました。結構、楽しい感じです。ミック・ジャガーを題材にしたリチャード・ハミルトンの作品とか、どこかで見たことがあると思いましたが、思い出せません。特に惹かれたのはジョナサン・ボロフスキーの自身の夢を描いたものとかホルスト・アンテスのネイティブ・アメリカンのホピ族の神話を描いたもの。版画って美術であると同時に工芸でもあるといつも思います。その手工業のようなところもおもしろい。
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勤め先が赤坂にあり金曜の会社帰りにはよく首相官邸前のデモというか抗議集会に参加するのだが、そこで奈良美智さんの"No Nukes"のポスターをよく見る。どんなアーティストなんだろうと思い、開催し始めた展覧会「奈良美智:君や僕にちょっと似ている」を見に、横浜美術館に行ってきた。

時流に乗った現代アーティストなんて、ろくでもないものかもしれないとも思い、あまり期待もせずに出かけたのだけど、ぼくの予想は大きく外れる結果となってしまった。昨今、子どもの自殺がニュースを賑わしていることも思い出し、その自殺した子が、おばあちゃん、ぼく死にたいんやともらしていたらしいことに、やりきれなさも感じていたのだけど、奈良美智の描く子どもは、ぼくにあの時のイノセンスを、みるみるうちに甦らせたらしい。ぼくは感動した。

しかも奈良さん、パンクロックを筆頭とするロック・ミュージックが大好きらしいのだ。この展覧会に小さなオブジェをたくさん展示してる部屋があるのだけど、そこに、まわりのオブジェとすっかり馴染んだラモーンズのポスターが貼ってあった。奈良さんは青森の生まれというから、ボアダムズのアイさんの兄貴分というところだろうか。そうだ、ぼくも奈良さんといっしょになって、絵の中の子どもたちとともにロックン・ロールを前にして雄叫びをあげよう。

Hey! Ho! Let's Go!
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山梨を旅して、渓谷の観光地、昇仙峡に行ってきた。川に大きな岩がごろごろとある、ある種の奇景が見れる観光地は日本の中でも代表的な水晶の産地であるらしい。水晶の売店がたくさんある中、昇仙峡影絵の森美術館というのがあって、入ってみた。

藤城清治さんの影絵がたくさん展示してあった。懐かしく、かわいらしく、美しいこの影絵たち。暗い部屋で光源を後ろから照らす、たくさんセロハンを微妙に組み合わせた藤城清治さんの実物の影絵のこの美しさは、別の方法では再現できないものだと思った。

藤城さんは1960年代に一世を風靡した、カエルのアイドル、ケロヨン生みの親でもある。ぼくは、日本にポップカルチャーがあるのなら、藤城清治こそがそのポップアートの始祖のような人であると思う。

影絵の世界の住人であるケロヨンことカエルのケロちゃんやコビトたちをマスコミやらテレビやらで見なくなってから久しいけれど、なんと彼らは、地方の美術館であのころと同じように遊んでいるようなのだ。その遊びにひととき、ぼくもまぜてもらおう。


昇仙峡影絵の森美術館のページ
http://www.kageenomori.jp/index.html
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「異教 西江雅之写真展」に行ってきた。小さな写真展だったけれど、文化人類学者、言語学者の西江さんのエッセイはたくさん読んでいるし、その世界の小さな切れ端に少し、じかに触れることができたような気がした。

会場である世田谷区三軒茶屋にある生活工房に着くと、背の高い白髪の紳士がそのロビーに歩いていたのだけど、その人が西江雅之さんであることはすぐに分かった。声をかけられなかったのはなぜだろう。

ぼくの好きな写真家に藤原新也さんがいるのだけど、西江さんの写真は藤原さんの写真とはまったく違った印象を残す。西江さんの写真は、物語ではなく、率直な驚きとその驚きによる美しさなのだ。この写真の中の人々とその文化はすでに失われたと西江さんは言っている。ぼくは当惑し、もっとたくさんの写真を見たいとも思い、その驚きの美しさにもっと浸りたいとも思い、とむらいのような気持ちにもなる。西江さんの相反する二つの言葉を引用したいと思う。そこに何か西江雅之さんの表している世界の美しさの不思議を解く鍵のようなものがあるのかもしれない。

「私にとって人間は目の前に見える景色ではなくて、すぐそばで生きているのだ」

「自分の皮膚の外はみな異郷である」
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東京都写真美術館に「生誕100年記念写真展 ロベール・ドアノー」を見に行った。ロベール・ドアノーの「パリ市庁舎前のキス」はたくさんの人が知っている写真かもしれない。ロベールは、郊外を含めたパリの街も、町も、もちろん、パリの人々も愛していた。自分を芸術家と呼ばないでくれ、と言ったロベール。そんな、彼の写真が1970年ぐらいを堺に変わっていく。変わって無くしていったその良き風景は、なんとも愛らしい写真として残ったのだけど、ぼくは、ここ日本でも同じようなことが起こっていたのではないか、といぶかしく思い、世界の同時代性というようなことを考えてしまう。そして、展覧会で見たロベールの写真のノスタルジーに心のうずく何かを感じてしかたがなかったのです。
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埼玉県立近代美術館の「草間彌生 永遠の永遠の永遠」と題された展覧会に行ってきた。草間彌生さんの最新作を見た。そういえば、かなり、昔、美術館で草間彌生さんの回顧展を見た時、人もまばらで、やっぱ、こういう人は日本では理解されないのかなぁ、と思ったのだけど、今回の埼玉県立近代美術館ではいろんな世代の女性を中心に、本当にたくさんの人たちが草間彌生さんの芸術を鑑賞していた。それから、子どもづれも多かったな。子どもにも大人にも草間彌生さんの芸術は通じそうだし、難しいことを考えずに、驚いて、言葉にできない何かを感じればいいのではなかろうか。

何年間も草間彌生さんの芸術に注目し、どこか近くで展覧会があると必ず見に行っているぼくだけど、ここ数年の彼女の芸術の変化を感ぜずにはいられない。何か絵に喜びが溢れているのです。何度も美術館の中を往復し、この喜びと幸せに浸りたい、と思わずにはいられなかった。いろんな時に何度も見た草間彌生展だけど、こんなふうに感じたのは初めてだ。

地下一階の吹き抜けになったホールに巨大な水玉の女の子の風船のオブジェが、ふわふわと置かれていて、そこでビデオが放映されている。数分間、1960年代の、前衛の、ハプニングの女王を呼ばれた若い草間彌生がモノクロ映像でテレビ・モニターに写る。まぶしいほどに、輝いている。ぼくは五十年前のニューヨーク在住の日本人の若い女性アーティストに恋をしそうになったのかもしれない。

草間彌生、最高!
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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