えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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東京文化会館で英国ロイヤル・オペラ・ハウスによるジャコモ・プッチーニ作(フランコ・アルファーノの補筆付き)のオペラ『トゥーランドット』を見る。むせかえるような異国趣味、エキゾチックな空気の中で、薄暗い夜の霧につつまれたような物語が始まり、進んでいく。アジアの後進性などという言葉すら思い起こさせるこれを『オリエンタリズム』の著作のあるエドワード・サイードはならばどう批評するのかなどとぼくは考えてしまうが、それこそがプッチーニの仕組んだ仕掛けなのだと途中、気がついた。1926年に初演されたこのオペラはプッチーニの末期にして未完の物語でもあるのだが、いつの時代かはわからない皇帝のいる中国を舞台にした物語は、ほとんどの演者は仮面をつけて歌い、踊る。イタリア人のプッチーニはその晩年にイタリアでのファシズムの発生に立ち会い、この『トゥーランドット』はヨーロッパ全体を暗い雲でおおい闇に閉ざしたその時代とその時代の終焉、そして、来るべき新しい時代の到来を予言しているかのようなのだ。その意味で今という時代にこの英国ロイヤル・オペラ・ハウスの演出は素晴らしい。鳥肌が立つほど感動しました。

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新宿末廣亭令和六年六月下席昼の部を見にいきました。

見た演目を書き出してみます。前座の柳家小きちくんの「うそつき弥次郎」、二つ目の三遊亭歌彦くんの「持参金」、二つ目の入船亭扇七くんの「たらちね」、ホンキートンクの漫才、春風亭勢朝師匠の徳川家康とかの徳川家を題材にした漫談、古今亭菊寿師匠の「粗忽長屋」、林家ペーさんのギターを弾きながらの漫談、三遊亭歌る多師匠の「桃太郎」、林家種平師匠の「ぼやき酒屋」、三増紋之助師匠の曲独楽、吉原朝馬師匠の「浮世床」から「夢」の段、柳家権太楼師匠の「代書屋」で仲入りです。三遊亭志う歌師匠の「熊の皮」、アサダ二世さんの奇術、三遊亭一之輔師匠の「かぼちゃ屋」、三遊亭歌武蔵師匠の「長短」、翁家社中の曲芸、主任は三遊亭歌奴の「五貫裁き」でした。

いくつか、印象に残った演目です。三遊亭歌る多師匠の「桃太郎」は子どもが可愛らしい。柳家権太楼師匠の「代書屋」はいつ聴いても、何度聴いても面白くて、笑ってしまいます。三遊亭志う歌師匠の「熊の皮」の与太郎の罪の無さ。アサダ二世さんの奇術のゆるさが最高。三遊亭一之輔師匠の「かぼちゃ屋」の滑稽さに大笑い。三遊亭歌武蔵師匠の「長短」は、今までは相撲での物言いの審議の説明の漫談しか聴いたことがなかったけれど、今日、初めて武蔵師匠の落語を聴きましたよ。おもしろかった。

寄席はパラダイスですな。
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うらたんざわ渓流釣場の自然渓流エリアであるヤマメクラシックⅡで尺越え(30センチオーバー)の山女魚を釣った。写真を撮ろうと、魚から小さな赤い蟻に似せた毛鉤を外し、ぼくがじたばたしていると、魚はランディングネットから逃げていったので、写真はない。速い流れ込みのところで山女魚は虫を取ろうと激しく泳いでいた。山女魚と虹鱒は同じ仲間の生きものなのに、まったく別の性質を有しているのを実感。虹鱒がライオンならば、山女魚はチーターのようだ。ぼくは釣った魚はすべて放つから、一魚一会は一期一会なのだ。梅雨の間の晴れた渓流での劇であった。そこで一句。

 山女魚跳ね梅雨の幕間の青空や
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高円寺・座へ『日韓琉鎮魂のまつり』を見に行きました。ぼくの見た演目は琉球舞踏「稲まずん」と「浜千鳥」、韓国伝統芸能パンソリ「水宮歌」、新作能「望恨歌」。新作能のシテの清水寛二さんの舞いの見事で凄みすら感じてしまいました。韓国、沖縄、日本とそれぞれに少しづつ違っていながら、エトスの奥深くは極東アジアの何かでつながっていることを実感いたしました。
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昔からビッグバンドとかスウィングジャズが好きで、レコードやCDをよく聴いていたのだけれど、ライブは見たこともなく、初めてのビッグバンドのライブを見ようと、ビルボードライブ東京に参りました。Gentle Forest Jazz Bandというコンダクターを含めて21人の大所帯のバンドのど迫力の素晴らしさを堪能しました。その中の3人組のGentle Forest SistersがAndrew Sistersみたいで、ぼくをありし日の終戦直後のボールルームに連れていってくれるようでもありました。思わず、サイン入りの最新のCDを買ってしまったのはいうまでもありません。
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アグニエシュカ・ホランド監督の『人間の境界』を見ました。原題は「緑の国境(Green Border)」。ポーランドとベラルーシの国境線を行きかう難民の過酷な行程を追った物語でした。ベラルーシからポーランドに国境を越えれば、ベラルーシに鉄条網を越えて、おし返され、ベラルーシでは、またポーランドに返され、ただ人として生きようとしていた人たちが、ぼろぼろになるまで傷つけられ、亡くなっていく子どもすらいるという、過酷な世界の現実を突きつけられたような気がしました。難民にもいろんな人がいます。アフガニスタンの人、トルコのクルド人、シリアの内戦を逃れた人、アフリカの人、などなど。難民以外に、人権のために身をていする活動家、国境を警備する兵士、警備兵のカウンセリングをする精神科の医師、それらの複眼の視点で物語は進んでいき、モノクロの画面から目が離せません。ぼくの大好きなポーランドの巨匠であるアンジェイ・ワイダ監督のいくつかの映画(『地下水道』や『鉄の男』など)をぼくはいつしか思い出していました。後日談として、ヨロッパに横たわる人種差別、肌の色による差別、民族差別が暗示されます。国家が暴力でもって人をなぶりものにし、隔てるこの世界の現実にいつ変化は訪れるのだろう?

映画『人間の境界』公式
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月川翔監督の『ディア・ファミリー』を見ました。大泉洋さんが主演の町工場の社長の役をし、菅野美穂さんがその妻を演じております。見ているうちに映画の中の夫と妻と福本莉子さん、河栄李奈さん、新井美羽さんの三人の娘が本当の家族に見えてきます。心臓のカテーテルにこんな開発の話があるのなんて知りませんでした。実話をもとにしたフィクションということです。町工場で開発され、製造されたカテーテルによって、その後、世界で17万人の人の命を救うこととなる。もの作りの国、日本の小さな町工場と家庭を舞台にした物語で、家族への愛が普遍への愛にまでなっていきます。感動しました。

映画『ディア・ファミリー』公式サイト
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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