えいちゃん(さかい きよたか)

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近々、閉館となる丸の内TOEIで川島雄三監督の『幕末太陽傳』を見ました。1957年の日活の映画。もともとの話は落語の「居残り佐平次」で、一部に落語の「品川心中」も入り、さらにふくらませて、品川の遊廓を舞台とした群像劇にして、グランドホテル形式の映画となっております。

主人公の居残り佐平次を演ずるフランキー堺がいい。南田洋子が女郎こはるを演じていて、こんなきれいな人だったとは知りませんでした。それから、高杉晋作役の石原裕次郎とか、高杉の都々逸「三千世界の烏を殺し主と朝寝がしてみたい」が基底の唄として効いています。

佐平次は肺病病みという設定で、だんだん苦しげになる咳の音が切ないです。この映画には幻の原案のエンディングがあって、それは佐平次が江戸時代のセットを駆け抜けて、現代の品川まで行ってしまうというもの。その大胆な発想はスタッフからの反対で採用されなかったのが口惜しい。

肺病を患う佐平次は筋萎縮性側索硬化症であった川島雄三自身の分身なのかもしれません。川島は1963年に齢四十一歳で病没しているのです。佐平次の「生きて生きて生きるんでい」のセリフが胸にせまります。

「サヨナラだけが人生だ」の言葉を残した川島雄三ってアナーキストだな、と思う。『幕末太陽傳』は反乱の1960年代を用意した一つだとも思うのです。

いつもぼくは幻のエンディングを夢想する。
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えいちゃん
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音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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