えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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この不穏な世界状況に神経がやられそうになっている自分を感じ、ふと京都の真言宗の寺、東寺では毎年、一月八日から「後七日御修法」という国家の安泰や世界平和祈願、祈祷が行われているのを思い出しました。昔、東京国立博物館での東寺に関する展覧会で非公開の祈祷所を再現した展示を見たことがあります。

そこで真言宗の寺院、高尾山薬王院有喜寺のある高尾山に金比羅台ルートというあまり人に知られていない登山道から登りました。登りの金比羅台ルートと下りの三号路はとても静かで、その路を「六根清浄」、「無病息災」、「世界平和」と心の中で唱えて歩きました。祈りなんて無意味だという人もいますが、もしかして祈りからすべては始まるのかもしれません。映画「キリエのうた」のキリエも祈っていたし…。神様、この世界に愛と安寧と平和をお与えください。

頂上や寺の境内には楽しそうな遠足の子どもたちがいっぱい。下りでは高尾山のケーブルカーに初めて乗ってみました。薬王院で御神籤をひけば「大吉」。

「第八十九大吉

 一片無瑕玉
 從今好琢磨
 得遭高人識
 方逢喜氣多

 いっぺんきづなきたま
 いまよりたくまするによし
 こうじんにしるにあうことをえて
 まさにききのおゝきにあわん」

ゆめゆめうたがふことなかれ
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竹橋の東京国立近代美術館で『棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ』を見ました。



棟方志功は若い時、「日本のゴッホになる」と志を立てたそうだけれど、この『棟方志功展』を見て、ぼくは、棟方志功はあたかも日本のピカソのようでもあると思う。板画(棟方は自らの版画を板画と読んだ)や倭画(やまとえ、棟方は自らの肉筆画を倭画と呼んだ)の変転し、進化させようとする棟方の芸術をこの展覧会で見て、そう思った。

その芸術は若いころ出会った二人の人物に生涯、深く影響されてもいたと思う。その二人とは、民藝運動の創始者である柳宗悦と、国家神道に批判的でもあった日本浪漫派の祖ともいうべき国文学者の保田與重郎。さらに戦後、ぼくは、小津安二郎がその映画『麦秋』の中で登場人物に言わせた言葉「大和はまほろば」は、万葉集の時代にまで回帰しようとした日本主義の保田與重郎のそれであるかのようではあるまいかと想像していまう。

棟方志功は、その芸術の日本的なそのようなことに、自らの意志でキリスト教の十二使徒やベートーベンの「歓喜の歌」、ホイットマンの詞も混淆させてしまう。俗と聖、内と外を行き来し、まさに生きようとする。

たくさんの外国人も『棟方志功展』に来ていたのだが、どのような感想を持ったのだろうか?


それから午後、新宿末廣亭に行って寄席見物。



主任の入船亭扇辰師匠の人情噺「甲府い」の落ち、もしくは下げに目頭が熱くなりました。落語はいいねぇ。

いい一日となりました。
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伊豆の河津町に旅をしました。





天城山を越えたところにある七滝(「七滝」と書いて「ななだる」と読みます)と猿田淵で毛鉤の釣りをしようとしましたが、ボーズ(一匹も釣れないこと)でした。七滝と猿田淵の中で容易に入渓できるのは、カエル滝と初景瀧のみで、ウェイダー(胴長)をきていなかったので、厳しかった。しかし、ウェイダーを着けていても滝があるので下るしかなさそうです。そこで一句、読みました。看板で猿田彦命(さるたひこのみこと)の猿田淵の云われを知ったのです。

猿田淵昔の山女魚の秋の夢

宿の「禅の湯」が素晴らしかったです。禅宗のお寺、慈眼院の宿坊をで新築したらしいここは、「和モダン」とはこういうことかと思いました。隅々までいきとどいているという感じ。鯛の頭の煮付けとわさび丼を追加料理に頼んだ夕食の懐石料理のどの料理もとても美味しい。温泉も上等です。そこで一句。

鈴虫の歌あわさるは禅の寺

翌朝、早く起きると、大雨の強雨。河津川の支流の荻ノ入川に行こうと昨夜、ネットを見ながら計画したのですが、川は荒れていそう。その内、小雨になり、入渓すると、水量は多いそうだけれど、水はそれほど濁っておらず、ウェイダーを着て3時間ほどフライフィッシングをしました。ボーズでしたが、三度ほど小さなアマメらしき魚が水の中を走るのを見ました。この川には確かに魚たちがいるんだな。毛鉤釣りの修行を更に積み、春が来たら、萩ノ入川にはまた来たいです。一句。

秋の雨小さなあまご走る影

あー、ここは川端康成の「伊豆の踊子」の舞台でもあります。
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新宿のベルグで軽いランチをして、末廣亭で寄席見物です。


本日の演目でいちばん印象に残ったのは、講談再興に人生をかける神田伯山師匠の「名月若松城」でした。近頃、ぼくの気になっている武士道について、武士の美徳とはこういうものだよと教えられたような気もするのでした。伯山さんの当面の目標は、講談を主として催されている興行部屋を立ち上げることだそう。そうだ、その意気だ、がんばれと、声援を送りまする。

山口君と竹田君のコントに爆笑し、三遊亭とん馬師匠の小咄にまた爆笑。二つ目の春雨や風子さんの「茄子娘」の茄子から生まれた茄子娘が可愛らしい。主任は春雨や雷蔵師匠の「星野屋」。この落語は江戸のちゃきちゃきのフェミニズムかもしれませんぞ。

夕方に九段下へ地下鉄で移動し、国立新美術館の『テート美術館展 光 ― ターナー、印象派から現代へ』を見ました。


なんとなくの流れで行ってしまったのだけれど、面白かった。テート美術館を開いたヘンリー・テート卿は製糖で財を成し、美術の膨大なコレクションを残し、イギリス、ロンドンの国立美術館に寄贈したのが始まりという。光をテーマにしつつ、18世紀から21世紀までの西洋の絵画からインスタレーションまでを見ていくという内容を見つつ、逆にぼくは谷崎潤一郎の「陰影礼賛」というようなことも思い出してしまったりもします。

そして、夜はビルボード東京てダン・ペンとスプーナー・オールダムのコンサート。


一曲目の可愛らしく誠実な「I,m Your Pupet」から胸がジーンとして目頭が熱くなります。このお二人、アラバマ・ソウルを支え、名曲をこれでもかこれでもかと作ったソングライター・コンビにして、ダン・ペンはベースプレイヤー、スプーナー・オールダムはキーボードプレイヤーの名手でもあって、アラバマ州のマッスルショールズという片田舎にあったフェーム・レコーディング・スタジオから1960年代、ソウル・ミュージックを発信しつづける。マッスルショールズはテネシー州メンフィスのスタックス・スタジオと並ぶソウル・ミュージックの発信地だったのだ。初めてかの地のフェーム・レコーディング・スタジオに訪れたアレサ・フランクリンはミュージシャンの多くが白人だったことに驚き、本当にこの人たちがリズム・アンド・ブルースを、ソウルを演奏できるのかと訝しく思ったというが、その放たれる音はまさしくソウルだった。その伝説の二人が目の前にいて歌ってくれているのです。歩く姿は年で弱っているらしいけれど、歌い、演奏し始めると、その艶やかなことこの上ない。そうだ、ぼくは何度もソウル・ミュージックに救われたのだとも思う。この世界に善なるもの、愛が存在することをソウル・ミュージックによって、ぼくは何度も知らしめられました。そんなソウル・ミュージックの中心にいた二人が歌い、演奏している。最高の夜でした。
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ぼくは古い、歴史のあるような神社仏閣を訪れることが好きなのです。彼岸花、曼珠沙華とも呼ばれる花もきれいだとのことで、伊勢原の日向薬師こと日向山宝城坊にお参りしました。



茅葺屋根も素敵なお寺でございます。二つも俳句がどこからともなく発句されました。

 雨やどり日向薬師の小鳥たち

 雨しずく折るな折れるな彼岸花

そして、御神籤をひくと大吉です。

「第八十七番 大吉

 鏧石方逢玉 いしをほってまさにたまにあうべし
 淘汰始見金 いさごをゆってはじめてこがねをみる
 清霄終有路 せいしょうついにみちあり
 只恐不堅心 たゞおそらくはけんしんならざることを

 よろずののぞみごとあるに 心永く功をつまば成就すべきなり
 前の句に同じく玉をこがねにい々かえたるばかりなり
 目上の人に交わる手すぢでき だんだん出世するぞとなり
 おやまちをひき出さんも知れず心をかためつつしむべしとなり」

ゆめゆめうたがふことなかれ
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今日は秋の彼岸の入りの日、お墓参りをし、帰りの足で亀ヶ池八幡宮に詣でました。善縁と健康をお願いし、御神籤をひくと大吉。

「第三十四番 御神籤

 かき曇る
  空さえ
   晴れて
 さしのぼる
   日かげ
 のどけき
  我こゝろ
    かな

 こゝろすなおにし身もちを正しくすればますます運よろしく何事もおもうまゝになるでしょう
 欲をはなれて人のためにつくしなさい
 大吉
 
 運勢 大吉」

ゆめゆめうたがふことなかれ
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最近、よく俳句を作るようになりました。これでおいらも俳人かい? 作った順に並べると時の移り変わりを感じるよ。いいもんだなぁ。

雨降らぬ梅雨の青空蝉はじめ

朝早く蓮の咲くのを聞いたことなし

夜の風アイスをほうりバスを待つ

入道雲フロントガラスにまた立ち昇る

油蝉駐車場での死骸なり

雷の雲間に青空見えにけり

掃き掃除散っては咲くよ百日紅

夏越えの鱒を釣らずに草を釣る

ロマンスカー窓から見えた鰯雲
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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