えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ
この前、農業を始めた友だちからその彼らの畑を見せてもらった時、ふと、かなり昔に、小説「楢山節考」を著した深沢七郎さんのラブミー農場を訪問した時のことを思い出した。埼玉のなだらかな半田舎にあるそこで深沢さんといろんな話をした。
深沢さんはぼくに訊いたのだと思う。
「小説なんて読むの?」
「はい、読みますけど」
「お、こわい。で、どんな小説家を読むの」
「まず、深沢さん。それに中上健次とか谷崎潤一郎とか武田泰淳とか三島由紀夫が好きです」
「中上健次の「枯木灘」はいいねー。谷崎潤一郎はいいねー。武田泰淳は東洋大学にいたなー。三島はいいけどよ、最後は変な風になっちまいやがってよ」
武田泰淳は東洋大学で中国文学の先生をしていたのだっけ。三島由紀夫について語る時は、にがにがしいというより、残念そうな感じだった。
深沢さんは音楽のことを訊いてきた。
「音楽なんて好きなの?」
「ええ、最近、友川かずきが好きです」
「この前、友川はここに来て、畑の草、抜いていったよ。友川はいいんだけどよ、あの難しいような詞は、歌っていうより文学って感じじゃないか? おれはエルビス・プレスリーみたいな、好きだの、惚れたの、恋だの、なんだのって歌っているのが好きよ。ああいう簡単なのが歌っていうんじゃないかね? あっ、そうだ、ロッド・スティワート、聴く?」
そう言って、深沢さんはロッド・スティワートのレコードをかけてくれた。ラブミー農場のラブミーはエルビス・プレスリーの「ラブ・ミー・テンダー」から来ているらしい。
ぼくは深沢さんに少しミーハー的なことを訊いてみた。
「クマさんとか来るんですか?」
「クマはよ、最近、テレビとかに出て、偉そうなこと言ってやがるから、破門にしてやった。ハハハ」
と笑う。クマさんとは最近でも北野武のテレビ番組「たけしの誰でもピカソ」に出演している鉄のゲージツ家クマさんのこと。なんか、クマさんって深沢さんの魂を一番継いでいるなぁとふと思う。破門された時は寂しかっただろうなー。
ぼくとぼくと一緒に来た友だちと二人で畑の草取りをした。草取りとは雑草取りのことです。夕方、深沢さんの作ってくれたカレーライスがおいしかった。
深沢さんが見たという戦争未亡人の遺品か何かの話をしてくれた。深沢さんが見たというものは、ある大きな紙に戦死した夫の命日とその日からの毎年が書かれていて、毎年毎年の一年毎にその未亡人の自分の陰毛がテープか何かで止められているものだったそうだ。
「あれには感動したよ」
深沢さんは独言のように言った。
「今度は一人一人別々に来な」
と深沢さんは別れ際に言った。帰路、一緒に来た友だちこう訊かれた。
「どう思った?」
「人嫌いの変人のおじいさんって感じでしたね」
その数年後に深沢さんは逝ってしまった。
などと思い出し、ネット・サーフィンしていると、深沢さんの、雑誌に掲載されて以来、ある事件によって、決して書籍にはならなかった発行禁止のような「風流夢譚」が読めるページを発見した。あぁ、こんな小説だったのか? その他の深沢七郎の小説やエッセイも再読したくなった。
「風流夢譚」の読めるページ
http://azure2004.sakura.ne.jp/s_hukazawa/huryumutan.htm
クマさんのページ
http://www.kuma-3.com/
深沢さんはぼくに訊いたのだと思う。
「小説なんて読むの?」
「はい、読みますけど」
「お、こわい。で、どんな小説家を読むの」
「まず、深沢さん。それに中上健次とか谷崎潤一郎とか武田泰淳とか三島由紀夫が好きです」
「中上健次の「枯木灘」はいいねー。谷崎潤一郎はいいねー。武田泰淳は東洋大学にいたなー。三島はいいけどよ、最後は変な風になっちまいやがってよ」
武田泰淳は東洋大学で中国文学の先生をしていたのだっけ。三島由紀夫について語る時は、にがにがしいというより、残念そうな感じだった。
深沢さんは音楽のことを訊いてきた。
「音楽なんて好きなの?」
「ええ、最近、友川かずきが好きです」
「この前、友川はここに来て、畑の草、抜いていったよ。友川はいいんだけどよ、あの難しいような詞は、歌っていうより文学って感じじゃないか? おれはエルビス・プレスリーみたいな、好きだの、惚れたの、恋だの、なんだのって歌っているのが好きよ。ああいう簡単なのが歌っていうんじゃないかね? あっ、そうだ、ロッド・スティワート、聴く?」
そう言って、深沢さんはロッド・スティワートのレコードをかけてくれた。ラブミー農場のラブミーはエルビス・プレスリーの「ラブ・ミー・テンダー」から来ているらしい。
ぼくは深沢さんに少しミーハー的なことを訊いてみた。
「クマさんとか来るんですか?」
「クマはよ、最近、テレビとかに出て、偉そうなこと言ってやがるから、破門にしてやった。ハハハ」
と笑う。クマさんとは最近でも北野武のテレビ番組「たけしの誰でもピカソ」に出演している鉄のゲージツ家クマさんのこと。なんか、クマさんって深沢さんの魂を一番継いでいるなぁとふと思う。破門された時は寂しかっただろうなー。
ぼくとぼくと一緒に来た友だちと二人で畑の草取りをした。草取りとは雑草取りのことです。夕方、深沢さんの作ってくれたカレーライスがおいしかった。
深沢さんが見たという戦争未亡人の遺品か何かの話をしてくれた。深沢さんが見たというものは、ある大きな紙に戦死した夫の命日とその日からの毎年が書かれていて、毎年毎年の一年毎にその未亡人の自分の陰毛がテープか何かで止められているものだったそうだ。
「あれには感動したよ」
深沢さんは独言のように言った。
「今度は一人一人別々に来な」
と深沢さんは別れ際に言った。帰路、一緒に来た友だちこう訊かれた。
「どう思った?」
「人嫌いの変人のおじいさんって感じでしたね」
その数年後に深沢さんは逝ってしまった。
などと思い出し、ネット・サーフィンしていると、深沢さんの、雑誌に掲載されて以来、ある事件によって、決して書籍にはならなかった発行禁止のような「風流夢譚」が読めるページを発見した。あぁ、こんな小説だったのか? その他の深沢七郎の小説やエッセイも再読したくなった。
「風流夢譚」の読めるページ
http://azure2004.sakura.ne.jp/s_hukazawa/huryumutan.htm
クマさんのページ
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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