えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ

山田洋次監督の『こんにちは、母さん』を見ました。
主演の吉永小百合さん、やっぱ、スターのピュアな輝きがあるなぁ。しかし、こんなお母さんがいたらどうなんだと、ぼくはひとりごちてしまいます。もう一人の主役である大泉洋くんもはまっています。大泉くんの出演している映画は、ぼくはいっぱいよく見ているのですよ。教会の牧師役の寺尾聡さんもいい感じです。黒澤明の『夢』をなんだか思い出します。いい人をこれだけ自然体でできる役者もいそうでいませんね。それから脇役の女二人組、YOUさんと柄元萌さんも効いていますね。YOUさんの自然体。柄元萌さんは小津安二郎の映画の中の高橋とよみたいで、とてもいいのです。
さて、この前、茅ヶ崎市美術館で『小津安二郎 その審美眼』展を見たからか、なんだか、ぼくは『こんにちは、母さん』の映画の居間に出てくる調度品が気になってしかたない。すると、吉永小百合さん演じる母さんの住む古い足袋屋の台所に、あたかも小津映画から抜け出てきたかのような場違いな赤いケトルがあるではないか。この赤いケトルは、松竹映画の伝統の家族劇は確かにここにありますよと、小津先生、見ていてくださいと、山田洋次監督がそこに置いたのではないかしらなどとぼくは考えてしまいます。
締めくくりは苦いながらも、ほんの少し甘酸っぱくて、幸せな気分の中、エンドロールが始まっていました。山田洋次監督、本当にいい映画をありがとうございます。
映画『こんにちは、母さん』公式サイト|大ヒット上映中

<< 俳句
HOME
小津安二郎の審美眼 >>
[2600] [2599] [2598] [2597] [2596] [2595] [2594] [2593] [2592] [2591] [2590]
[2600] [2599] [2598] [2597] [2596] [2595] [2594] [2593] [2592] [2591] [2590]
この記事にコメントする