えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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国立近代美術館に『民藝の100年』展を見に行きました。


民藝という美学を創始した柳宗悦は、柳田國男と並ぶ、明治、大正、昭和の時代を生きた知の巨人だとぼくは思う。そう、柳田と柳の二人は、言葉と思想の矛盾をそのまま、考えぬいた国際派にして民族派であるような偉大な思想家であると思う。「民藝」とは、どこにでもあった手作りの日常品、茶碗や皿などの雑器に美しさを見つけ、日本の、台湾の、朝鮮の、アイヌの、沖縄の美を考察し、民俗がたらしめている民族とは、何かを深く考察する、そのようなこと。『民藝の100年』は、明治、大正、昭和と流れ進んだ、それを見ることができます。そして、それにあきたらず、ぽくは駒場の日本民藝館にも再び、何度でも足を運んでしまうでしょう。


「民」つながりのシンクロシティなのだろうか、夜はブルーノート東京に民謡クルセイダーズを見に行きました。


伝統とは「変わっていく変わらないもの」なのか、「変わらない変わっていくもの」なのか、誰が言ったことなのか、分からなく、忘れてしまったけれど、南米のコロンビアのリズム、クンビアで奏でられるホーハイ節を初めて聴いた時の驚きの喜びが思い出される。桜の咲くころはワシントDCの桜フェスティバルでの演奏が待っているそうです。踊って、巡って、世界中を進めよ、民謡クルセイダーズ。
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東京オペラシティのアートギャラリーへ「和田誠展」を見に行きました。生涯、ポップアートを駆け抜けた膨大な作品のかずかず。映画の「怪盗ルビー」や「麻雀放浪記」もあるし、週間文春の表紙の絵は和田誠さんだった。映画のポスター、レコードジャケット。煙草のハイライトのパッケージデザインも和田さんによるものなのか。そのどれも、見ていて楽しくなります。和田さんってユーモアの人でもあったんだな。辛辣なユーモア、あたたかいユーモア、いろんなユーモア。懐かしいけど、古くならない、そんな和田誠の作品を見ながら、時を忘れてしまう。
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平塚市美術館で「物語る遠藤彰子展」を見ました。初期の楽園シリーズは、たくさん、近所に緑が残り、狸や猪も出没したという移住した相模原市の田園風景にインスパイアされたものだそう。そして、世界に新たな具象画がここにありと発見された、絶賛された街のシリーズ。世紀は21世紀になり、500号を越えて、キャンバスを2枚、3枚つなげて1000号、1500号の巨大な物語絵巻物の壮大な壁画のような近年の作品に圧倒されます。その絵の中のどこかに過去の自分、もしくは未来の自分がいるような気がしてしまい、その自分の姿や自分に近しい人たちの姿がないか、絵の中に探してもおりました。

同時開催されていた「湘南の日本画」。現代になり、日本画が伝統から3歩も4歩も跳躍している、そんな新しさを感じもしました。洋画、もしくは西洋画、日本画という区切りがあるけれど、もしかして、心に響く絵があるだけではないかしら。
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朝、合氣道の朝稽古をして、二つの美術館をはしごしました。神奈川県立美術館葉山と横須賀美術館。神奈川県立美術館葉山で『生誕110年 香月泰男展』、横須賀美術館で『ビジュツカンノススメ アートを楽しむ4つのヒント』と『谷内六郎展 いつまで見ててもつきない夢』を見ました。

神奈川県立美術館葉山『香月泰男典』で、ついにぼくは、たくさんのシベリア・シリーズと呼ばれる、自らのシベリア抑留体験を描いた名作を見て感動しました。


シベリア・シリーズではくすんだ黒た土の色に近い色を執拗に描きつづけた香月泰男だったけれど六十二歳の生涯の中のその晩期、清冽な青い色を描きはじめていたことを知りました。その青の美しさ。「青の太陽」と題された絵にそえられた香月の画集の一文。

「ふと顔をあげると
 東天の闇をついて太陽がのぼる
 それは一瞬疲労も寒さも忘れ去れる
 美しいものであった」

シベリアで抑留された人の一割が死に、そのすべてに近しい人々の死は餓死による死で、香月はおびただしい、そのような死を身近に見ていた、のだと思う。そのことが香月の絵を変え、それでも青い空はあった。

そして、横須賀美術館で『ビジュツカンノススメ』と『谷内六郎展』を見ました。


『ビジュツカンノススメ』で見た色鮮やかな中川久さんや川田佑子さんの抽象画を見ながら、ぼくは、ぼくの小学生のころの担任であった森田先生を思い出しました。校庭の砂場を灰色で描いていると、森田先生はちょっと絵筆をかりてもいいかな、といい、その灰色の砂場をいろとりどりの点で、きれいだなぁとつぶやきながら描いてくれたのです。ぼくはそれに感心し、どう描いてもいいんだ、自由なんだ、と思った。けれども、今では、そのことに不満というか、同意できない何かを感じてもいるのです。灰色は灰色の美しさがあるのではないかしら? 青の美しさ、赤の美しさと同じように。黒や茶色でもしかり。

楽しみにしていた『谷内六郎展』。その生涯を見通すさまざなな絵の幻想の詩の心に感激します。不覚にも目をうるませなが、ぼくは、昭和に戻りたいなぁ、というような言葉をひとりごちてもいたのです。
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藤城清治さんの影絵の展覧会「こびとといっしょ 生きるよろこび展2021」を見に、銀座にある教文館ウェインライトホールに行きました。



藤城清治さんの影絵の展覧会「こびとといっしょ 生きるよろこび展2021」を見に、銀座にある教文館ウェインライトホールに行きました。

毎年、つづいていたこの展覧会、今年で最後だというのも、銀座の教文館の建物自体が建て替えとなる事情からだという。そのせいか、規模を縮小しての開催だったように、何回か、この展覧会「生きるよろこび展」に来ているぼくは思いました。

久しぶりに懐かしいあのセルロイドの影絵のこびとたちに会えました。ふと、スーマーさんの歌うミンストレルは藤城清治さんが想像して、作り出した影絵の中のこびとではないかしら、と思う。見えないけれど、見えるときがあるのです。

那須塩原にある藤城清治美術館にニ度目の訪問をする旅をしようかしら? 今年の「生きるよろこび展」では会えなかったケロヨンとモグちゃんに会えるかな? 子どものころ、ケロヨンとモグちゃんが好きでした、ぼくはそんな世代です。

藤城清治さん、御年、九十七歳、いつまでもお元気でいてください。
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東京都現代美術館に『GNKYO 横尾忠則』展を見ました。横尾さん自身がプロデュースした大展覧会を見ながら、横尾忠則さんはかっこいいと思い、横尾さんの絵画に内包されているエネルギーに圧倒されていました。ポスターから絵画へ、今でも、枯れることなく、ぼくが思うに奇想の人、横尾忠則さんはグラフィックというか、具象の二次元の表現の圧倒的なアバンギャルドだと思う。描き続けてきた三叉路や滝の絵のシリーズも面白い。近年の「寒山拾得」(中国唐の時代の高僧、寒山と拾得のこと。文殊菩薩もんじゅぼさつ、普賢菩薩ふげんぼさつの生まれ変わりといわれる。二人とも奇行が多く、詩人としても有名で、禅画の画題としてよく用いられている)の絵は横尾さんの人生の今の到達点でもあるかのようだ。図録を買ったのだけれど、それに横尾さんのインタビューが掲載されていて、近ごろでは自分の人生はもう残り少ないと感じておられて、描いても、描かなくても、毎日アトリエに行くそうだ。百歳を越えても、もちろん、描き続けてください。

併設されていた『Journals 日々、記す』展もおもしろかった。この『Journals 日々、記す』展の照屋勇賢さんのマクドナルドの包装紙を切り抜いて、ニューヨークのマディソンアベニューの実際に生えている樹木を造形したいくつもの作品を見ていたら、感動して、鳥肌が立ってきていた。これらは照屋さんによれば「高校生の時に授業で聞いた「どんぐりには樫の木の記憶が入っている」というアリストテレスの自然哲学を思い出し紙袋の中で眠っている森を呼び覚ましてやろう、と考えた」ということだそうです。これらは二十一世紀のアクチュアルで、未来すらも呼び覚ます概念の具象だとも思いました。

GENKYO 横尾忠則 [原郷から幻境へ、そして現況は?]

MOTコレクション
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旅の帰り道、何度も訪れたことのある富士川・切り絵の森美術館に行ってきました。

常設展示に海外の作品がふえていたりして、ほーっと感心します。

切り絵って見ていると、それは美術品でもあり、工芸品でもあるようで、さらに二次元でもあり、三次元でもあるような、そんなところに惹かれます。そのようなことが際立つかのような企画展「紙わざ大賞展 in やまなし」も開かれておりました。これって紙でできているの? 手で触れてみたくなりますが、そこは我慢我慢。

企画展「紙わざ大賞展 in やまなし」開催中!
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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