えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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世田谷美術館に『世田谷美術館コレクション選 わたしたちは生きている! セタビの森の動物たち』展を見に行きました。

展覧会の楽しみのひとつは自分のお気に入りの思い出と記憶に残る一枚の絵を見つけることだと思うのだけれども、『セタビの森の動物』展にも、そんな一枚がありましたよ。フェルディナン・デスノスの「ノアの方舟の建造」です。この絵を見ていると、なんだか面白くて、時のたつのを忘れてしまい、いつか楽しくなってしまう。ぼくにとっての名画を発見した喜びをかみしめ、うきうきしながら、美術館をあとにしました。

セタビチャンネルJr. 【2月17日】今日は何の日?ノアの方舟編
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「博物館に初もうで」ということで東京国立博物館に行きました。干支の兎にちなんだものも陳列してありました。日本画家の中では一番好きだと坂本龍一さんがおっしゃておられました長谷川等伯の「松林図屛風」が素晴らしい。禅の感覚、思考を極限まで進め、切り落とし、切り落としして、松林と遠くの富士が残ったかのような図に風情に感嘆の溜息。あー、でも、雪舟の絵は展示されていなかった。受付のの人に雪舟の絵はどこですかと尋ねると、今は展示されておりませんとの答えでありました。また、来なくてはなるまいぞ。

「150年後の国宝展―ワタシの宝物、ミライの宝物」という展示には少しの衝撃がありました。ゴジラやセブンイレブンの赤電話は懐かしくも楽しいのだけれども、やはり、ぼくは150年後は展示する今のものは何もないようにも思え、博物館という施設、仕掛けが極めて20世紀的なものだとも思えてしまうのでした。

博物館は楽しい。
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藤沢の蔵まえギャラリーでの山内若菜さんの展覧会『江島縁起 龍と天女』展を見に行きました。小さな古民家に大作が二点。重ねて何度も描き足された大きな絵に、命と魂を感じ、そのマチエールに圧倒されてしまいます。素晴らしいかった。
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世田谷美術館に『藤原新也・祈り』展を見に行った。

展覧会のはじまりのところの大きな蓮の写真に感激の鳥肌がたつ。ぼくは40年来、藤原さんの写真や文、表現を追い続けけてきたのです。

この前、NHKの「日曜美術館」で藤原新也の特集を放送していて、藤原さんは「目の性善説」というようなことをおっしゃっておられた。目は本来、美しいものを求めており、目はそれを見たいと思っている、というような内容だった。日本の普通の景色から香港や渋谷を舞台にしたニュース的なもの、インドやトルコ、中国、アメリカの放浪の旅、バリ島や沖ノ島まで、すべてが何かしら美しい。そして、ラストのところの展示での言葉は痛切にも、今、日本に撮りたいという景色がなくなってきているということだった。

家に帰り、買ったままなぜかほったらかしにしていた藤原さんの最新の写真集であり、この『藤原新也・祈り』展の図録である『祈り』を見る。そして、読む。ここでもまた圧倒された。その写真集を見ながら、その中の「旅」という文を読みながら、ぼくは、その昔、寺山修司の本か何かで知った、全世界の反抗の発火点となった1968年の五月革命のフランスのパリのナンテール大学にあったという落書きの言葉を思い出していた。

「敷石の下は砂浜だ」

まったくその通り。世界は騒然として再び敷石ははがされるのかもしれない。そうでなくとも、いつか敷石は朽ちるだろう。世界に美しい何かが残ることを祈るのみ。
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横須賀美術館へ『猪熊弦一郎展』を見にいきました。海辺のお気に入りの美術館にときたま行きたくなります。

企画展の『猪熊弦一郎展』での初期の作品の脇にあった解説にパリに絵を描き、学び行ったパリでの猪熊自身の経験が載せられ、それは憧れの巨匠アンリ・マティスから「おまえの絵はうますぎる」と言われたそうなのです。『猪熊弦一郎展』の図録から猪熊自身の言葉を引用します。

のっぴきならない発言だった。つまり「自分の絵になっていない」ということなのだ。私は本当に恥ずかしくなってしまった。(中略)結局、うまく描くということは人に良くみてもらいたいと思うために描くということに通じている。技術の巧拙は自然なものなのだ。思ったことことを素直な、虚飾のない姿でカンバスにぶっつけることこそ一番大切だ「絵がうますぎる」という先生の言葉はそんな意味だ。ぐさりと急所を一突きされたようだった。

それ以来、具象から抽象まで、猪口は好きな絵を、好きなように描くようになったみたいなのでした。

ぼくが猪口弦一郎の絵を見て、とてもいいなと思う何かは、ヒューマニティーに通じるユーモアを感じるところだったりします。猪口が好きな何匹も飼っていた猫の絵がいいなぁ。

商業美術にも携わり、依頼されて上野駅に壁画を制作したり、伊勢丹の包装紙、週刊誌の「新潮」の表紙絵をてがけていたりもします。

絵を描く素晴らしい人生に、素晴らしい絵が残された。

併設の谷内六郎館に珍しくも初期の絵が飾られていて、独特な谷内六郎の世界の原点を見せられた気がして、鳥肌が立ちました。

さて海辺をドライブして家に帰るかな。
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松本治一郎記念会館に『死刑囚 表現展2022』を見に行く。小さな会場にたくさんの人が見に来ていた。

死刑囚の絵にぼくは言葉を失う。明日の朝、刑が執行されるかも知れない、そのような毎日を生きる、独房の人生を生きる人たちの描いた絵。ただ、その日を待つのみ。(懲役というのは更生のためにするものだから、死刑囚には懲役はないそうだ。)

ぼくは必ずしも死刑廃止論者ではないけれど、その昔、永山則夫の死刑が執行されたのをニュースで見た時は、何か暗澹たる気持ちになったことを思い出した。ぼくは永山の助けを求める懇願の叫び声を聞いたような気がした。その時、死刑という制度をとても疑問に感じたのだけれども、結論は出せてはいない。永山則夫が獄中で記した『無知の涙』は若いころ、読んでいた。

あと、武田泰淳の戯曲とも小説ともつかない『ひかりごけ』。それとも、ドストエフスキーを読んだら答えは見つかるのか? 絵を見る。この制度があるということは、自分の手も汚れているのではないか? 汚れていない手などあろうものか。死者の冥福を祈るのみ。
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出光美術館の「仙厓のすべて」展を見に行きました。

仙厓は十八世紀から十九世紀を九州の博多の臨済宗のお坊さんで、六十二歳のころから隠棲し、旅をしつつ、書画を描き始めたそうです。どこかユーモアのある楽しい書画にぼくは笑みをもらしてしまいます。若いころは絵の研鑽に努めていた仙厓は、その技術を年をとってから、あっさりと捨ててしまうのは、雪舟という偉大な先達が、後の世に画家としては認められても、僧侶としては忘れられてしまうことを、知人から諭されたからだという。それからは自らの絵を「無法」と呼び、技術を捨て、自由となって、仙厓の書画は花ひらき、仙厓は仙厓となった。

ところで、仙厓の書画を見ながら、ぼくは通っている合氣道の道場の師匠である館長のその人を思い出しておりました。館長は、書もたしなみ、合氣道にちなんだ言葉を道場に貼られておられています。その書にいつも添えられている朱筆の笑顔の揮毫のようなものがユーモラスで、美術館の中を歩きながら、どこか仙厓に通じるような気がしておりました。館長に合氣道が、仙厓の書画の根底には自身の仏道があったと思われます。ユーモアとヒューマニティを秘めてもいるそのような仏道の書画が何か、生きる道を説き、ぼくがこれから生きていく励ましのようにも思われたのでした。
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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