えいちゃん(さかい きよたか)

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横須賀美術館へ『エドワード・ゴーリーを巡る旅』展を見に行きました。この絵本作家の原画を見ながら、今夜は怪しげでほの暗い悪夢を見そうな予感にとらわれてしまいます。ぼくはふと十九世紀末のイラストレーター、オーブリー・ビアズリーのモノクロの絵を思い出したりしていると、展覧会の中で、シカゴ出身のエドワード・ゴーリーの書庫にはイギリスのゴシック小説のコレクションか一万冊以上あったということを知り、さもありなんと思ったりしつつ、この人の頭の中、心の中はどうなっているのだろうかと考えたりしています。

1925年生まれのエドワード・ゴーリーは生涯、不気味な本を作りつづけ、ブロードウェイのミュージカル『ドラキュラ』の舞台美術でさらに財をなし、1985年、マサチューセッツ州ヤーマスポートで一軒家を買い、生涯、独身で、大好きな猫と暮らし、2000年に75年の人生の幕を閉じる。その海浜に面した、文化人の集う町での、毎日、同じ時間にカフェでコーヒーを飲むような、その晩年の平和と穏やかさに惹かれてもしまいます。

併設する谷内六郎館では『奏でる―楽器の調べ―』展。谷内六郎もエドワード・ゴーリーと同じく、幻想と幻夢の画家であったと思う。大江健三郎が谷内六郎についての批評にぼくはなるほどと首肯したことがあった。

「子供を画面に描きこむことにより、その媒介者としての役割によってイメージをジャンプさせる。つまりは子供の想像力の働きと並行したものを表現する。
・・・
そしてそれをつきつめて考えれば、眼に見え、頭の中で納得できる種類の、ここに「もの」がある、存在するという域を超えて、動かしがたい現実感を見出すことがあるのに気がつくと思います。ここに集められた谷内さんの絵をよく見るうち、本を閉じてから、身のまわりの事物、風景について《存在を越えたところにある現実感》を見つけていると感じる、そのような体験をされる方は多いはずです。」

エドワード・ゴーリーの絵と谷内六郎の絵はどこか通じていて、近しいとぼくは思うのでした。
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えいちゃん
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男性
職業:
S.E.
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音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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