えいちゃん(さかい きよたか)

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イリヤ・カバコフというロシア出身の現代美術家(今はニューヨーク在住で現代の最先端を行くインスタレーション作品を発表しつづけている)がソビエト連邦時代に描いた絵本とその原画を一同に集めた展覧会に世田谷美術館に行ってきた。
100冊分もの絵本の原画を見ながら、昔、このような科学と空想の夢物語があったなぁと思う。当時はソビエトの社会主義の完全な言論の統制下にあり、すべてにおいて、厳密な検閲のもとに置かれたこれらの作品をカバコフ自身は、自分で描いたものではでありながら、自分で描いたものではなく、彼ら(ソビエトの当局)が描いたものであると、今は述懐しているし、これらを「紙クズ」とも呼んでもいるそうだ。しかし、この懐かしさは何だろう。科学の技術の進歩と勤勉な労働がもたらす明るい未来と教訓。作品のとことどころに白く塗りつぶされた跡や作品に紙が貼られ、あるものはそのまま白い紙のままであったり、更に描き加えられたあとは、多分、その検閲の跡であるだろう。その塗りつぶされた何かとは何だったんだろう? 想像力がふくらむ。もう一つの今はない社会の中で、これらの絵は、ぼくたちの社会の中での、商品を売らんが為の大量の広告物のもののようなものであったりするのかもしれない。それらの背景とは別に、たくさんの水彩画は不思議なかわいらしさ、美しさに満ちていて、ぼくを惹きつけもしたのだ。
これらの公開された、当局の意のまま作品とは別に、過酷な抑圧下にありながらも、密かに描かれつづけられた作品があるのだが、今回の展覧会では見ることはできなかった。ぜひ、それらをこの今回見れた、平凡で穏やかで明るく美しく、なぜか懐かしい絵本作品と並べて見てみたい。
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えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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