えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ

幕張メッセで開催された『PUNKSPRING 2025』というコンサートに行きました。出演者は、IGGY POP、BAD RELIGION、ザ・クロマニヨンズ、SEX PISTOLS featuring FRANK CARTER、YELLOWCARD、PENNYWISE、The BONEZ。昼前の11時半から夜の9時半は長い。ビールやハイボールもたくさん飲んでしまった。お客さんはお母さんとかお父さんに連れられた小学校前の子どもから、おれみたく片足とか両足を老人の域に踏み入れた人まで、幅広い。トリはIGGY POPで、IGGY POPだけ、セッティング込みの演奏時間が2時間で、その他のバンドは1時間半。
知らないバンドだったけれど、PENNYWISEとか、よかった。SEX PISTOLS featuring FRANK CARTERではモッシュにもまれてしまう。ザ・クロマニヨンズ、最高。自分がこういうパンクとかロックのライブの爆音と熱量の高さが好きなのを再発見するかのようです。
お目当てのIGGY POPは初めて見たのだけれど、凄すぎる。それに、IGGYの歌う声って、胸にジンジンきて、しびれるほど、かっこよい。昔、高校生のころ、IGGY POPの3枚のレコード、『IGGY POP and STOOGES』、『The Idiot』、『Lust For Life』はヘビー・ローテーションしてました。今夜のIGGYのバッグバンドが、これまたドライブしまくる、強力な布陣でした。トランペットとトロンボーン、ドラムス、ベース、2本のギター、キーボードで、黒人と白人の混成部隊でギターの1本は女性が弾いていて、これがまたかっこいいんだな。ドラムスは巨体の黒人ミュージシャンで爆音で、ベースも負けていない。IGGYのパフォーマンスは熱すぎるパワーのかたまりで、オーディエンスは爆発して、乗りまくる。まるで今を生きる伝説を見たようなのです。IGGY POPこそパンクのゴッド・ファーザーにして、ロックンロールのキングなのだ。


相模大野のアコパでDakota Dave Hullさんと浜田隆史さんのライブでした。Dakotaさんと浜田さんが交互にアコースティック・ギターを弾き、時には共演をする、という楽しいひと時でした。Dakotaさんは浜田さんのことを「Ragtime Ninjah」と呼ぶのに、ぼくはなるほどと思ってしまいます。ぼくはDakotaさんのことをアメリカの音楽、Blues、Ragtime、Jazz、Folky、Americanaの美しさをインストゥルメンタルのアコースティック・ギターでまさしく体現した人だと思う。
アコパ店内での打ち上げにも参加し、それも楽しいひと時。ぼくはDakotaさんがBob Dylanよりも前のもっとも偉大なギター弾き語りミュージシャンなDave Van Ronkと親友だったということで、彼をモデルにした映画『Inside Llewyn Davis』はどこまで事実に基づいているのか、と聞くと、まったく事実ではない、酷い描き方で、あの映画は二度と見たくないたぐいのものだ、との答え。そうだったか、とぼくは思いました。そして、買ったDakotaさんの最新のCD『Live in Japan』をリュックの中に入れ、家路に向かったのであります。


かけこみ亭にて「マッキー企画 かわうそ亭 三杯目」とタイトルされたライブを見ました。出演した順に、オートハープとギターの弾き語りの野村昌毅さん、ギターの弾き語りの館野公一さん、コンサーティーナとギターの弾き語りのよねやまたかこさんでした。ラストは三人と店主のぼけまるさんを含めた共演の感動の大団円となりました。
今日はプロテスト・ソングがたくさん聞けたような気がします。音楽はそればかりではなくてもよいですが、戦争の世の今こそプロテスト・ソング、とぼくは思ってしまいます。ぼくは、プロテスト・ソングが好きで、例えば、変転するボブ・ディランというシンガーのアルバムの中で、特に「The Times They Are a-Changin」が好きであったりするのは、そういうことのようなのです。今夜は、野村昌毅さんがガザのことを歌ってくれた、館野公一さんは第五福竜丸のことを歌ってくれた、よねやまたかこさんは名曲「戦争をしない国」を歌ってくれた、そんな、胸が痛いような、心が素敵でもあるような、そんな夜となりました。


四谷の紀尾井ホールでパソナ「夢」オーケストラのコンサートを見ました。なんと、パソナ「夢」オーケストラはアマチュア楽団でありながら、まったくそのように感じさせない、素晴らしきオーケストラです。このオーケストラで指揮をしているプロの指揮者の曽我大介さんの力と人間性の大きさにもよるとの話も聞こえてきます。
二部構成の一部のゲストがスウィング・ジャズの伝説、クラリネット奏者の北村英治さんで、オーケストラでの編曲によるガーシュイン兄弟などのオールド・ジャズを披露していただきました。北村英治さん、御年、九十六歳にして、まったく衰えておりません。つややかな音と絶妙なフレージング、フル・オーケストラにも負けないパワー、クラリネットの音がホールの後ろの壁にぶつかっているようで、ぼくは驚愕しました。
二部はリムスキー=コルサコフの「シェヘラザード」。アラビアを舞台にした甘い憧れの恋から本当の愛へと変容する交響組曲が美しい。
ガーシュイン:パリのアメリカ人
ユービー・ブレイク:メモリーズ・オブ・ユー
ガーシュイン:アイ・ガット・リズム
ルイ・プリマ:シング・シング・シング
リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェヘラザード」


いとうせいこうさんとジェイ・ルービンさんの共著による『能十番 新しい能の読み方』を読了しました。どういう本かというと、十の能の詞章が掲載されており、それをいとうせいこうさんが現代日本語訳にし、さらにそれをジェイ・ルービンさんが英語に訳しています。いとうせいこうさんは、いわずもかなの小説家であり、日本語ナラティブのラッパーであり、ジェイ・ルービンさんはアメリカ人の夏目漱石、村上春樹、二人の小説家の研究者であり、翻訳もし、能の研究者でもあり、小説も書き、ハーバード大学の名誉教授でもあられる。この本には「高砂」、「忠度」、「経政(経正)」、「井筒」、「羽衣」、「邯鄲」、「善知鳥」、「藤戸」、「海人(海士)」、「山姥」の能がとりあげられていて、どれも名作のはまれのものばかり。
それぞれにいとうせいこうさんとジェイ・ルービンさんの解説があるのもありがたい。例えば、ジェイ・ルービンさんは「高砂」の解説で以下のように記しておられ、日本人のぼくはアメリカ人のこの指摘になるほどと感心するところもあるのです。
「この世の現実性を疑うのが仏教だとすれば、五つの感覚で経験できるこの世の有難さを祝うのが、神道である。神能はいずれも、歌舞劇の歌と舞を駆使して人生の善さを祝っているが、『高砂』は五つの感覚の中でも聴覚を特に賛美する、神道的なポエムである。」
仏教に関していえば、ぼくは、現実性を疑うという哲学的思弁とともに、そこには信ずるという切実な何かでもある、と思う。例えば、日本の寺院には本尊というものがあり、そこには普段には公開されない秘仏というものがあり、さらには最高位の僧侶でさえ見ることのかなわない絶対秘仏というものがあって、ありていにいえば、その絶対秘仏がどのようなもおなのかは明かされない。信といことを顧りみれば、秘仏は朽ち果てていても、木の欠片でも、存在しないものであってもかまわない。あるのかないのか分からぬもの、それが切実な願いと祈りによって信じられてきたことこそ、冥利の神髄ではなかろうか?
閑話休題、『能十番』に戻れば、日本の古語で書かれた詞章、その現代語訳、さらにそれを英語に訳したものを並べると、日本の古語に、ぼくは「言霊」というものをことさら感じてしまう。そこにあるのは、セリフやト書きではなく、掛け言葉なども駆使した、韻律に富んだ、韻文であり、文字通り、詞であり、歌であり、唄であり、神と仏への捧げものであることをありありと感じてしまう。この本は何度も読み返してしまいそうです。
『能十番 新しい能の読み方』刊行記念 いとうせいこう氏インタビュー


町田のタロー庵でサンピンとしんごとひでこをの2つのユニットを見ました。
サンピンはリボンコントローラーという楽器やら2弦の変な長いサスティーンのかかる手作りのギズモみたいな楽器とパーカッションの2人で演奏していて、フリーインプロピゼーションみたくなってきて、ぼくはサン・ラの音楽を思い出してしまいます。2人は演奏に入り込んでしまって、永遠に続くか、と思ってしまいました。こういうの好きです。にやけてしまう。
しんごとひでこのお二人は、自分らの音楽をユーラシア大陸のにせ音楽と称していて、そのユーラシア大陸、というところになるほど、と思いましたよ。土と木と草に風が気持ちよく吹くようで、素敵です。
今日は、ぼくは食べなかったけれど、タロー庵のうどんはうまい。


神奈川県民ホールでウクライナ国立オデーサ歌劇場オーケストラを見ました。クラウドファンディングでウクライナ国立オデーサ歌劇場オーケストラは、横浜以外にも神戸、札幌でコンサートを行います。ぼくもそのクラウドファンディングに少ない額ではありますが、戦争がやむことを願って、参加いたしました。
一部のラストの『ウクライナ舞曲集」がとてもよかった。楽しくて美しい音楽でございます。二部はドボルザークの名曲『新世界』こと『交響曲第9番』。生のオーケストラで聞く『新世界』は最高だ。けれど、これは新しい国、アメリカをドボルザークが訪れて作った曲で、今のアメリカ合衆国への幻滅を考えてしまう。あのトランプという男の、戦争を仕掛けられ、侵略されて苦しんでいる、決して大きくはない国の首長に言った言葉と態度が、まったく経済ヤクザそのもので、ぼくには腹立たしく、怒りとアメリカ合衆国の終焉を感じてしまう。
今日のオーケストラの音楽は、翼を持ち、その鳥は一万キロ近くを飛び、東の果ての島国で「平和、平和」とさえずっていたようなのです。ぼくも平和を祈るばかり。


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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。


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