えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ
中野のジャズのかかるバー、Sweet Rainで酒井俊さんのライブを見ました。なんでも、酒井俊さんはつい近頃、原因不明で声がまったく出なくなったそうで、それで、歌うことのすべてを失い、今は再構築中とおっしゃりながらの、今夜、ぼくの聴いた歌の技量と説得力に信じられないような気持ちにもなりました。声が出なくなるというと、ぼくはオーティス・レディングの最晩年を思い出してしまいます。オーティスのラスト・アルバムの『The Dock of the Bay』でのA面での歌唱は、オーティスの白鳥の歌で、それまでとは、まったく違う歌い方となりながらも、あまりにも素晴らしい。それから、晩年の古今亭志ん生は人情噺で新たな境地に踏み出し、それも伝説となりました。年をとることは悪いことじゃない。ぼくは明日の酒井俊さんも待ち望んでしまいます。
今夜のアンコールでは1969年の日本レコード大賞の曲、千賀かおるさんのデビュー曲「真夜中のギター」を歌ってくれました。これが素晴らしかった。よい歌は時代と添い寝をするといわれますが、叛乱する学生たちの喧騒と勃興する日本の雑踏の音が時おり、音楽の背景に聞こえてくるようにも思われました。もしかして、三遊亭圓生は演目「死神」で死神の唱える呪文をこの年は「アジャラカモクレン、ゼンキョウトウ、テケレッツのパー」としたのではなかったのか? それが「アジャラカモクレン、セキグンハ、テケレッツのパー」となり、圓生去りし今は、「アジャラカモクレン、ヤミバイト、テケレッツのパー」か「アジャラカモクレン、イスラエル、テケレッツのパー」か? 春風亭一之輔師匠、お願いしますよ。などと戯言も書いてみました。
閑話休題、酒井俊さんのこのライブツアーは12月15日まで続き、ベトナム在住の俊さんは、来年の秋までは家庭の事情で来日しないとのこと。俊さんが、何でこんな世の中になってしまったんだろうね、次は世界滅亡の歌を歌いますといって、歌い始める曲もありました。来年も秋は世界にやってきて、酒井俊さんの音楽を聴くことのてきるのを、ぼくは願ってやみません。
東京ガーデンシアターで「玉置浩二 Concert Tour 2024 Resume 〜レジューム 新たな始まり」と題された玉置浩二さんのコンサートを見ました。友だちがファンクラブに入っていて、すごくいい席で見ることができました。玉置さんのバンドは弦楽が8人、管楽が2人、ピアノ、ギター、ベース、パーカッションというとてもゴージャスなもので、アレンジもぴったり。とくに音数の少なめのパーカッションが素晴らしい。玉置さんの歌は二人といないうまさで、バラードではお客さんの涙腺から涙をしぼります。安全地帯のころの曲だという「清く正しく美しく」なども歌ってくれたのだけれど、そのように玉置さんのバラードにはベタなメッセージソングもあって、そういうとこらもぼくは好きなのです。素敵な一夜となりました。
浅草の木馬亭で『ウチナージンタ1994-2024』と称されたインディーレーベル「off note」30周年記念のコンサートを見ました。出演したミュージシャンを失礼にも敬称略でご紹介します。大工哲弘(唄, 三絃)・大工苗子(箏, 囃子)・梅津和時(saxophone, clarinet)・大熊ワタル(clarinet, accordion)・中尾勘二(saxophone, klarinette)・関島岳郎(tuba)・向島ゆり子(violin)・石川浩司(percussion)。素晴らしい歌と演奏でした。客先は何か、ぼくの同世代の同胞たち、同志たちの同窓会のような空気にあふれておりました。みんな、よく生きのびてきたよ。ミュージシャンたちにレスペクト。「off note」の主催者の神谷一義さんにもレスペクト。ぼくらの第二章の始まりだ。
紀尾井ホールでパソナグループ「夢オーケストラ」のコンサートを見ました。夢オーケストラは、昼間はパソナグループで働いているプロのクラシックミュージシャンではない人たちの集団で、ぼくはその力量と技術に驚いてしまうのですが、そこにプロの指揮者である曽我大介さんが入り、ラストの曲にゲストのプロのピアニストの小原孝さんが入っておりました。曽我大介さんの立ちふるまいのオーラにも圧倒されてしまいます。
「音楽で巡る世界のExpo」というテーマで選曲され、一曲目に演奏された曲はシュトラウスの『美しき青きドナウ』で、その美しい音楽の響きにぼくは眠くなってしまう。2曲目が「ゴジラ」のテーマ曲を作った伊福部昭の『シンフォニア・タプカーラ』。「タプカーラ」とはアイヌ語で「立って踊る」という意味で、その土俗とすら感じさせる現代音楽のような異様な旋律も含み、めったに聴くことのできないこの曲に胸の高鳴る面白さを感じました。20分の休憩をはさんでエルガーのおなじみの『威風堂々』の第一楽章。次にラヴェルの組曲『マ・メール・ロワ』で、その中の「パゴダの女王レドロネット」が細野晴臣さんの作る中華風ポップスメロディーを思い出させ、面白かった。ラストはいつかオーケストラのライブで聴いてみたいと思っていたガーシュインのピアノ協奏曲『ラプソディ・イン・ブルー』を小原孝さんのピアノが加わり、堪能しました。
素晴らしいコンサートの、前から4列目という素晴らしい席のチケットを手配してくれたお友だちに感謝、感謝です。アンケートに要望する曲としてマーラーの五番と書いたぼくだけれど、この戦争の終わらない世界にあって、「子どもと戦争」というテーマでコンサートをしてはくれまいか?
相模大野のアコパで打田十紀夫さんのライブを見ました。脳出血の後の、さらにリハビリの後の打田さんは元気です。素晴らしい演奏でした。リハビリは、初心者向けの自分自身のフィンガーピッキングの教則本『打田十紀夫 フィンガースタイル・ギター・メソッド』を読んで、行ったということですが、ぼくも買ってしまいましたよ。
不謹慎ながらも、ぼくはかっこよくブルースやラグタイム、オリジナルを弾く打田さんを見ながら、ジャンゴ・ラインハルトというヨーロッパの天才ギタリストを思い出してしまう。ジャンゴは自分の暮らしていた馬車のキャラバンの火事で、左手に大怪我を負い、そこから自分の奏法を編み出したという。打田十紀夫さんもこれからもさらに新たな地平へと進化する予感すら、するではないか。これからも打田十紀夫さんを応援し、ライブを見つづけたいと思うのです。
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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