えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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忌野清志郎の「ロックで独立する方法」を一気に読んだ。とてもおもしろかった。2000年から2001年にかけてのインタビュー集で、驚くほど率直に清志郎の音楽観と生き方観が書かれている。清志郎自らのロックで独立する方法という発案で、「クイック ジャパン」誌に連載されたのだけど、出版されたのは2009年8月。

音楽業界の裏話、数字しか話のされなくなった音楽業界、だまされていた契約書のこと、RCサクセション解散のいきさつ、君が代騒動でのマスコミについてとか、音楽について書かれない音楽雑誌のことなど、本当はこう思っていたのかとよくわかった。この手の人生の指南書みたいな本が今いっぱい出ていて花盛りだけど、多くの本がおまじないみたいなことの羅列ばかりでリアリティーがなく、この本がおもしろいのは、清志郎自身が本当に経験したことと、その時どう思っていたのかが、実にストレートに語られていること。実践的で役立つ哲学書かもしれない。そして、曲作りの秘密みたいなこととか。例えば、清志郎に近所の八百屋のオヤジさんがこんなことを言ったという。

「芸術家ってのはね、うしみつ時ってのが大事なんだ」って。変なオヤジだよね。「うしみつ時って、何時ですか?」って訊いたら「多分一時から三時までの間じゃないかな」って教えてくれたんで、妙に印象に残っている記憶なんだけど。

なるほどね。この本、本屋で平積みになっています。プライベートな話はぜんぜん、載っていません。プライベートな話は清志郎の歌を聴けばいいと思う。

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この前、忌野清志郎のインタビューを読んでいたら、天才は生きてるうちは認められないと思っていたって言っていた。そう言えば、絵描きのゴッホやこのまえ展覧会を見たゴーギャンも、ブルース・マンのロバート・ジョンソンも、詩人でたくさんの素敵な童話を残した宮澤賢治も、最近知った俳人の住宅顕信も生きているうちは少ない人しか知らない人であった。ぼくの好きな人はそういう人がけっこういる。

人は思い出を残すのだけど、自分で本を作って残したらどうだろう? なんか、いろんな人に詞はいいねって、よく言われることがあるんだ。きみは天才かいって自問する声が聞こえれば、ぼくの小学生みたいな詞を思い浮かべ、違うと答えるしかないのだけど、それはぼく以外が決めること。しかし、なんのかんの言っても、生きているうちに認められる天才の方がやっぱ、断然多いのは分かっているのだけど・・・。

出版費用のためにも、仕事さがしをしないといかん。早く見つかるとハローワークからいっぱいお金をもらえるらしい。本はCD付きにしたいなぁ。
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ショーケンこと萩原健一の58歳までの自伝、その名も「ショーケン」を読んだ。もしも、1990年を待たずに彼が人生をまっとうしていたら、まぎれもなく、アメリカ映画「エデンの東」のジェームズ・ディーンやポーランド映画「灰とダイアモンド」のズビグニエフ・チブルスキーのような反抗のアイコンとなっていただろうショーケンと呼ばれた人の口述筆記である。ショーケンの若かりしころの主演作「傷だらけの天使」はドラマ史上に残る名作だと思う。しかし、その彼に更に神さまはその後の人生すら与えたのだった。萩原健一という人がこれほどに勉強熱心な俳優であるのを初めて知った。古今東西、ありとあらゆる映画を見て、本を読み、役作りにのめりこんでいた彼を知った。彼のバンドのDONJUAN ROCKN' ROLL BANDがカルロス・カスタネダの「呪術師と私 - ドン・ファンの教え」から取られたなどという、ぼくにとって意外なエピソードがいくつも披露される。そして、この本を今は亡き中上健次ならば、その語り言葉の力と現代の神話のよううな物語性によって絶賛したのではなかろうかと思わせるほど、おもしろかった。

今、根っから自由人のショーケンは、若い頃の薬物依存の後遺症からなのか満身創痍の状態で仕事待ちの状況であって、日々自己鍛錬に励んでいるという。それでも、ぼくは、人の何倍も自由に生きてきて、たくさんの人から愛されてきた、ピカレスク・ロマン、悪漢小説の主人公のような彼の人生が少しうらやましい。復活を切に願います。

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1986年に25歳の時に短い人生をまっとうした住宅顕信という俳人がいたのだなぁ。池端秀一さんが監修した顕信の句集とバイオグラフィが合わさったような本を読んだ。白血病で夭折した悲劇の主人公の句集というより、なぜか、みずみずしく輝いている自由律の俳句が眩しい。そして、このよどみの無い寂しさは何だろうと思う。3つぐらい俳句を紹介します。

夜が寂しくて誰かが笑いはじめた

あけっぱなした窓が青空だ

水滴のひとつひとつが笑っている顔だ

・・・

まだまだあって、書ききれない。日本語って美しいなぁとも思った。

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石川拓治氏の著したこれは深くて衝撃的な本だ。たかが、リンゴ、されど、リンゴ。無農薬でリンゴを栽培しようとした青森の農家、木村秋則さんからの聞き書き。この本の前半四分の三以上は無農薬のリンゴの栽培の失敗による人生を転げ落ちていく記録になっていて、まさしくその話は、もの狂いの地獄巡りのようなすさまじさなのだ。悲惨さが実話であることによって、無限のような悪夢であるかのようであるのだけど、ある時、木村さんはあることに気づくのだった。そして、リンゴの花が咲き、小さな実をつける。形ある繋がりすら越えて、最後に種の別々を越えた、命の形のない繋がりが暗示される。震撼し、感動した。木村さんのリンゴ、食べてみたい。ガブッ。

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1829年のデイヴィット・ウォーカーに始まり、2005年のバラク・オバマで了とするアメリカ合衆国での21もの黒人の演説集を読んだ。黒人たちへの残虐な死に至るまでのリンチやレイプなどの暴力は1960年代まで続いたことに驚きと共に、アメリカのもう一つの暗黒の裏面を見る思いがした。2009年に合衆国では黒人の大統領が登場したのだが、世界というのは、ある時、変わるのだ。
マルコム・Xは元祖ラッパーだと思い、おれ達を痛めつける白人たちに媚びるな、アンクル・トムになるなと、殴り返してやれと言っていたけれど、そんなマルコムをかっこいいとも思う。キング牧師の言葉は聖なる響きをもっているし、ガーベイの貿易船に乗り、救いの旅にも出たいのだけれど。

ぼくは、昔、夢を見たことがある。とても生々しく奇妙な夢だった。ぼくは、アメリカの南部で、富豪の息子だった。しかも、当時の黒人たちに寛容な理解のある白人だった。黒人のトミーはぼくに言っていた。おまえにはだまされない、おまえは偽善者だと。ぼくはトミーにいつも言っていた。つまるところ、肌の色を越えて、ぼくたちは同じ人間だと言っていたが、トミーは聞き入れない。
ぼくは黒人たちの音楽が大好きだった。土曜の夜には、バンガローのような小屋に住む黒人たちを呼んで、パーティーをいつもしていた。
ぼくには悩みがあった。メアリーのことだった。同じく富豪の娘である白人のメアリーと恋に落ちていたけれど、メアリーの両親に結婚を強く反対されていた。なぜなら、ぼくの黒人に対する寛容のためだった。黒人たちとのことでぼくは地域からも孤立していた。メアリー以外に本当に友だちも恋人もいなかった。黒人たちと仲良くしたがるぼくは、ぼくのこれからの没落を信じていたし、それでいいとも思っていた。そんな夢だった。

今、ぼくには、ゾラ・ニール・ハーストンやトニ・モリソンらの黒人の女性の演説の思慮深いやさしさがしっくりくる。ゾラはこんな風に言っている。

「私から人種が消えることがある。私は私。・・・そのとき宇宙的ゾラが生まれる。私はいかなる人種にも、いかなる時間にも属さない。自分自身の運命の数珠玉を操る永遠の女。
アメリ市民と黒人という別々の感情は持っていない。私はただ「大きな魂」の断片で、その領域で揺れ動く。私の国で、正しかろうが、そうでなかろうが。
ときおり差別を感じるけれど怒ったりはしない。私はただびっくりする。えっ、私と一緒にいる楽しみを捨てるっていうの。それは私の及ばぬところ」

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あぁ、この漫画は、日本一ファンキーな町かもしれない大阪のあいりん地区や西成や釜ヶ崎などと呼ばれる町、そして、新世界という商店街を舞台にしていて、花街の飛田新地あたりも含むのかしら。なぜか、報道はされないけど、ここは日本で唯一今でも暴動の起こるブルーズの町で、去年も起こった。けれど、ブルーズといっても町のおっちゃんたちは演歌しか聴かなさそうだけどね。貧乏な外国のバックパッカーが一泊3000円以下の宿に惹かれ、たくさん訪れる、建築現場で働く日雇い労働者の町なのだ。大阪に行くとアジアを感じるんだなぁ。ピンク色の環状線の電車にまた乗りたい。そして、新今宮駅を下りて南に向かうのだ。そうだ、あの娘に会えるかもしれない。

じゃりン子というのは英訳すると、きっと"SOUL SISTA"になる。それで、やっぱ、"SISTER"ではなく、"SISTA"だろう。この漫画を読んで、ぼくは、早くも"SOUL SISTA"に恋をし始めているのだった。チエちゃん、かわいい。

(写真はWikipediaからです)
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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