えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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ケン・ローチ監督の『オールド・オーク』を見ました。イギリスの巨匠の最後の映画らしい。まだまだ撮り続けてほしい監督であります。ケン・ローチ監督の映画は左翼のヒューマニティを出しおしみしないところが好きです。英国のミュージャンのロバート・ワイアットのようだともぼくは思う次第です。

『オールド・オーク』は寂れた古い炭鉱町にシリア難民の家族が移住して来ての話。主人公はその町のつぶれかかったパブ・バーで一人きりもりする店主。戦争と差別のはびこった世界、それは世界中のどこでも同じなのか、やはり戦争と差別の話となります。戦争から逃れてきたシリア人の家族は差別され、その家族に心を寄せるパブ・バーの店主はどこか町で孤立してしまうかのようでもあるのです。けれども、ラストでは希望の淡い一筋の光が示されます。『オールド・オーク』にもあるようなケン・ローチの映画のヒューマニティの輝きは美しい。

映画『オールド・オーク』公式サイト
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クロエ・ジャオ監督の『ハムネット』を見ました。「「ハムネット」は「ハムレット」ともいわれた」とさりげなくスクリーン但し書きが映され、映画は始まりました。時は16世紀末から17世紀の始め、ウィリアム・シェークスピアの悲劇『ハムレット』にまつわるシェークスピア自身とその妻、三人の子どもの家族劇。当時のイギリスの神秘を生きているかのような森と貧しくも実直な人の暮らしと心が美しい。驚きのラストの一筋の希望の光であるかのようなシーンからエンディングロールにかけて、静かな感動となり、その余韻にひたっていると、どこからかすすり泣きの声が聞こえてきました。

映画『ハムネット』オフィシャルサイト 2026.4.10公開
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ジャン=ピエール・ダルデンヌさんとジャック・ダルデンヌさんの共同監督による『そして彼女たちは』を見ました。ベルギーとフランスの合同映画です。

ドキュメンタリー・タッチのフィクションにぼくは是枝裕和監督の映画を思い出したりしました。十代の母親たちのための支援施設を背景にハンディーカメラでとったようなシーンのつらい場面がつづく群像劇です。ラストのシーンにのみ誰も置いてきぼりにしないヒューマニティーの淡い希望の一筋が見えるようです。

ところで、フランス語、オランダ語、ドイツ語の公用語をもつベルギーではギヨーム・アポリネールの詩を小学校二年生で習うのですね。さすが、『青い鳥』のモーリス・メーテルリンクや画家のルネ・マグリットやジェームズ・アンソールを生んだ文化の国でもあるベルギー、かっこいいなぁ。

五人の主人公の少女たちの演技とは思えない生々しさに驚嘆します。映画の中の何の演出もない赤ちゃんたちがかわいかった。

ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督最新作『そして彼女たちは』公式サイト | 3.27 Fri.公開
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廣田裕介監督の『映画 えんとつ町のプペル 約束の時計台』を見ました。原作と脚本と総指揮はお笑い芸人、キングコングの西野亮廣さんであります。なかなかの両刀の才人ですな。

主人公の煙突掃除人の子ども、ルビッチが、別れわかれとなったガラクタ人間のプペルと再開するまでを、前作『映画 えんとつ町のプペル』の続編として、西野亮廣さんがにしのあきひろ名義で描いた絵本『チックタック 約束の時計台』と接合されていて、それだからなのか、前半はいろんな出来事が起こって、逆に眠くなってしまい、何度か、うとうととしてしまいました。

後半は目を覚まし、じっくり見ましたよ。ルビッチは無敵で無垢な五歳の男の子という感じでいいですな。シンデレラの話とか時計の比喩とか、ありきたりだけれど、むしろこういうのはユング心理学のいうところの深層の何かなのだろうか? ハッピーエンドが素敵な映画です。

『映画 えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』上映中 映画館へ急げ
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片桐健滋監督の『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』を見ました。殺陣などのアクションシーンがすごくて、古いぼくは、これは黒澤明監督の頃から綿々と続く東宝映画の伝統を見せられているかのようにも思えます。とくに土方歳三を演ずる舘ひろしさんがかっこいい。しかし、それよりもいいのはアリシパを演ずる山田杏奈さんなのです。欲に取り憑かれ、汚泥の中でもがき苦しむ登場人物らの中で、アリシパだけは、彼女が現れると静かで清浄な風が吹くかのようです。この静かな清浄の風こそが、ぼくには『ゴールデンカムイ』に隠された裏にあるメッセージだとも思えてしまいます。さて、物語は何処に向かうのか、野田サトルさんの原作の漫画をを読んでいないぼくには分かりませんが、アリシパの清浄な風が、さまざまな悪なるものを浄化し、正し、世界を救うことを願ってやみません。

映画『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』公式サイト
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マイリス・ヴァラード監督とリアン=チョー・ハン監督の共同監督による『アメリと雨の物語』を見ました。神戸の近くの里村の古い民家でベルギーの外交官の子どもとして生まれた赤ちゃんの0歳から4歳までを、その赤ちゃんの視点で描いた物語でした。

時代は1969年前後からのことのように思われます。時は反米の学生運動が日本でも都市では吹き荒れていたころです。今はトランプというアメリカ合衆国の大統領が世界中の良心に火をつけているようでもあるのですが・・・。けれども、この映画の中の日本はとても静かで美しい。まるで嘘のような静かな美しさは、田舎を舞台に、赤ちゃんの視点で物語られているからでしょうか? そのような背景の日本の景色の美しさが際立っており、それはとても素晴らしい。そして、この映画はフランス映画で、今、欧米どころか世界中で二度目のジャポニズム・ブームかもしれません。

映画の初めの方では、この映画はスタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』の続編かと思わせるようなところもあり、哲学的思弁も語られ、謎めいたシーンも多く、それにも惹かれてしまいました。それは生きていることの不思議さと生の肯定であるようにも思えて、何度も見たくなるような傑作なのです。生まれてくる赤ちゃんを待つお母さんに見てほしい、そのような映画でもあります。

原作のアメリー・ノートンの『チューブな形而上学』は絶版となっているようですが、ぜひとも読みたく、出版社のみなさま、再版してはいただけないでしょうか? お願いいたします。

映画『アメリと雨の物語』公式サイト
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田口トモロヲ監督の『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』を見ました。

この映画を見ながら、1979年前後の当時の実写の写真が差し挟まれ、客席のどこかに高校生だったころの自分がいるのではないか、とふと探してしまいます。あのころは、新宿ロフトやら渋谷屋根裏とか、法政大学の学館ホールとか、ライブにかなり行っていました。映画の中の新宿ロフトや渋谷屋根裏の再現度はかなりのものです。

この『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』は、以外にもまっとうな青春映画となっております。すがすがしいような、すがすがしくないような、そういうものが青春だろうか?

江戸アケミをモデルにしたヒロミを中村獅童くんが演じていて、なかなかいい感じ。このヒロミのセリフがこの映画の核となっています。江戸アケミは歌舞伎のミエこそ切らないけれど、あんな感じの人でした。

小嶋さちほさんがモデルのサチを演じている吉岡里帆さんもいい感じです。ここで一つだけ思い出話。この映画の当時、ぼくは何度かライブハウスで小嶋さちほさんの出している手書きのミニコミ誌を買ったことがあります。パンクロックが好きなこんなきれいな大学生のお姉さんもいるのか、と驚いたことがありますよ。おっと、脱線。

『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』は、昔話になっていない、今でも通じることのようにも思えて、若い人にこの映画を見てもらって、感想を聞いてみたい。何か感じるところがあるはず。あのころ、みんな本気だった。この映画がヒットして「おまえはおまえのロックンロールをやれ!」というメッセージが若い人に伝わってほしい。

ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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