えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ
映画館でロバート・ワイズ監督の『サウンド・オブ・ミュージック』を見ました。109シネマズ二子玉川のiMAXという巨大スクリーンでデジタル修復された映像と音声に驚きます。主演ジュリー・アンドリュースの映画史に残るミュージカル映画の名作です。本当の主演は、素敵な歌を届けてくれる7人の子どもたちかもしれません。リチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタイン二世の音楽の素晴らしさ。オーストリアを背景とした映像の美しさ。王道のストーリー。何度、見ても感動してしまいます。
サウンド・オブ・ミュージック 4Kデジタルリマスター
阪本順治監督の『てっぺんの向こうにあなたがいる』を見ました。世界で初めて女性でエヴェレスト登頂への登山に成功した登山家・田部井淳子さんの実話を基とした映画でした。
田部井淳子さんを吉永小百合さんが演じられており、若かりし日の田部井淳子さんをのんさんが演じられております。吉永小百合さんも、のんさんも素敵です。やさしい夫を演じた佐藤浩市さん、親友役の天海祐希さんもよかった。
癌を患った田部井淳子さんが自分の人生を回想するという建てつけの物語は、世界初のエヴェレスト登山を成功させた英雄物語にとどまらず、吉永小百合さんがあまりに人間的な影の部分も含めた喜怒哀楽を表現していて、直球ど真ん中の感動編となっておりました。
若かりしころのように、ぼくも山に登ることを夢見てしまいそうです。体力、筋力の回復のためにまずは低い山から始めなくてはなりませんな。
夢見ることは素晴らしく、それがかなうか、かなわないかに関わらず、挑戦することも素晴らしい。かなえども、かななくとも、素晴らしい贈りものが届けられるのでしょう。
ところで『てっぺんの向こうにあなたがいる』の「あなた」とは誰なのでしょう? 旦那さん、子ども、仲間たち? そのはっきりとした答えは映画の中にはなかったようなのです。ただ、「あなた」がいるからこそ、人は未踏を登れるのかもしれません。素敵なメッセージであります。
映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』
山田洋次監督の『TOKYOタクシー』を見ました。原作はフランス映画の『パリタクシー』で、『パリタクシー』は昔、見たのだけれど、幸いなことに細かい筋をぼくはすっかり忘れてしまっています。時々、こんなシーンが『パリタクシー』にもあった、と思い出せど、ほぼ脚本は『TOKYOタクシー』独自なもののようです。
木村拓哉さんの演ずるタクシー運転手が、倍賞千恵子さんの演ずるお洒落なおばあさんを東京の葛飾柴又から引っ越し先の神奈川県の葉山の老人養護施設に送るという話。その途中でおばあさんはいろんなところに立ち寄り、壮絶な八十五年の人生と、その思い出をタクシー運転手に語り始める。おばあさんの過去を蒼井優が演じていて、やはりいい。倍賞千恵子さんの回想するおばあさんの表情がいい。意外に木村拓哉さんもなかなかうまい。失礼。
ロードムービーとなっていて今の下町や横浜の車の窓からの景色が素敵です。そして八十五年の間の日本の人びとの歴史もうっすらと浮かびあがります。そして、ラストは思いがけないプレゼント。いい映画を見ました。
映画『TOKYOタクシー』大ヒット上映中! - 劇場公開作品
スコット・クーパー監督の『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』を見ました。ブルース・スプリングスティーンの伝記映画ではなく、アルバム「ネブラスカ」リリースまでの数年間を切りとった物語でした。どこまでが事実なのかは分かりませんが、ブルース・スプリングスティーンの暴力的な父との悪い思い出と葛藤、恋人とのいざこざといさかい、鬱病のこと、スターになることの戸惑いと苦しみ、音楽を創造することの悩みなどが描かれていて、暗い内容なのですが、それをパワフルなバンドの演奏シーンが救っています。
父との葛藤というと、ドアーズのジム・モリソンから日本では浜田省吾や尾崎豊など、ロック・ミュージシャンには多いようにも思えます。『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』で白黒の映像で描かれる幼少期の父との思い出が痛ましい。それでも、1950年代のかつてのアメリカ東部、ニュージャージーの麦畑を妹と駆け回るシーンは汚れなく美しい。
ブルース・スプリングスティーンの最近のニュースで、イーロン・マスクに莫大な金を積まれてテスラの広告に音楽を使わせてくれと頼まれたのですが、ブルースは「ロックンロールは金では買えない」といって断ったそうです。そんなこと、いえるのはジョン・レノンだけかと思っていた。ボスはかっこいいなあ。
スプリングスティーン 孤独のハイウェイ(11月14日(金)劇場公開)
パメラ・ホーガン監督の『女性の休日』を見ました。1975年10月24日に権利と平等のためにアイスランドの女性たちが仕事や家事をいっせいに休んだ日をハイライトとしたドキュメンタリー映画です。
この日をアイスランドでは「女性の休日」と呼ぶらしい。たびたびこの日にデモが行われ、今年は50周年の集会が大々的になされたそうです。インタビューである「女性の休日」に参加した人は男性たちの中に入りたかったのではなく、それを変えたかった、というのがとても印象に残りました。さて、わが国の今の総理大臣はどうでしょう? 男女の平等というと、もっとも後進国であったアイスランドはこの日を境に変わり始め、今ではジェンダーギャップ指数で16年連続の世界1位だそうです。
映画の中のアニメーションが面白くてかわいい。10歳のビョークが「女性の休日」のデモでステージをフルートを握りしめて降りていく映像があるというのだけれど、そのビョークがエンドクレジットの音楽を作成し、歌っています。女性でも男性でも見るべき、見て面白く、感動する映画であります。
映画『女性の休日』オフィシャル・サイト
三宅唱監督の『旅と日々』を見ました。原作はつげ義春さんの漫画「海浜の叙景」と「ほんやら洞のべんさん」でこの二本の漫画を大胆に接続している。ミニマルでストーリーの起伏も小さく、だからなのか、「海浜の叙景」の漁師町と「ほんやら洞のべんさん」の雪深い山の景色が美しい。
河合優実さんの演ずる「海浜の叙景」の締めくくりはなんとも感じがいい。シム・ウンギョンさんの演ずる脚本家の李のやうに、ぼくも若いころ、行き先も泊まるところも決めず、旅をしたことが何度もあって、そのことを思い出してしまいます。その思い出もはるか昔のことになって、『旅と日々』は新しくも、懐かしくも感じるのです。三宅唱監督でつげ義春さんの原作による映画をあと何本か見てみたく思った。
帰ったらつげ義春さんの漫画が読みたくなり、本棚の山の中を探して、読んでしまった。つげさんの漫画はやっぱいいなあ。
こんな旅がまたしたくなります。
映画『旅と日々』公式サイト
宮崎駿監督の『もののけ姫』を映画館で見ました。「IMAX」とかいう巨大スクリーン、強力音響の劇場で見ました。その没入感も素晴らしく、画面の小さなところにも目がいきます。とてもよかった。IMAXでいつか、スタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』を見てみたい。
『もののけ姫』のアニメを超えたかのようなこのスケール感、宮崎駿監督って黒澤明とかが好きなのかな、などと思ってしまいます。
日本史におけるたたら製鉄のことなどが気になります。あと、出雲と伊勢のこととか、和人とアイヌのことなど。それに癩者、遊女。のちに宮崎駿さんは、他者と生きるとはどういうことかを描きたかった、とおっしゃっておられました。パレスチナとイスラエル、ウクライナとロシア、それらのこと顧みれば、『もののけ姫』の問いかける何かはいたって今日的なのです。
ラストの大団円の草花が育ち、咲きみだれもするシーンは、宮崎さん自身、その意味は説明ができないそうです。その大団円にぼくは何度、見ても、感動します。
『もののけ姫』は、語るべきいろいろなことどもを包摂した、アニメという範疇を越えて、日本の映画史に残る名画であることに疑いはありません。
『もののけ姫』4Kデジタルリマスター【IMAX上映】
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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