えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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曽利文彦監督の『八犬伝』を見ました。江戸の世の滝沢(曲亭)馬琴の人生とその周辺と、その300年前を舞台にしたの滝沢馬琴の著した『南総里見八犬伝』が交互に描かれます。

江戸の世のパートでは、役所広司さんの演ずる滝沢馬琴と内野聖陽さんの演ずる葛飾北斎と立川談春さんの演ずる鶴屋南北の江戸文化を代表する三人が文学論、芸術論をかわすシーンなどの面白みもありますが、この映画に深みを与えているのは馬琴の女房のお百を演ずる寺島しのぶさんと馬琴の病弱な息子のけなげな妻のお路を演ずる黒木華さんであるような気がします。

『南総里見八犬伝』な活劇パートは今の映画風であり、VFXと殺陣の融合がかっこいい。J・R・R・トールキンの『指輪物語』のような世界が、日本では、もう江戸時代には成立していたことに驚きました。

おもしろかった。

映画『八犬伝』公式サイト|2024年10月25日劇場公開
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堀江貴監督の『最後の乗客』を見ました。一時間足らずの短い映画です。『侍タイムスリッパー』に出ていた冨家ノリマサさん準主役として出ています。まったく違う人格を演ずる冨家ノリマサさんを見ながら、ぼくは「性格俳優」という言葉を思い出したりします。俳優ってすごい。東日本大震災の10年後を描いた、恐いような、悲しいような、切ないような、心に沁みる映画でした。

映画『最後の乗客』公式サイト - GAGA
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草野翔吾監督の『アイミタガイ』を見ました。梓を演じる主演の黒木華さんの透明な感じがいい。草笛光子さんがはまっています。風吹ジュンがおばあちゃん役で出ていたりします。物語は善意のシンクロニシティでゆめゆめうたがふことなかれ。ドラマもおしまいの方でぼくが眼に涙をためていると、後ろの辺りの席から見知らぬおじさんのすすり泣きが聞こえてきました。いい映画。

映画『アイミタガイ』オフィシャルサイト 2024年11/1公開
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安田淳一監督の『侍タイムスリッパー』を見ました。幕末の時代の会津藩の武士が薩摩藩の武士と切り合いになり、刀と刀がぶつかった時、雷に打たれ、起きれば、130年後の京都の時代劇の江戸の町を模した撮影所で目が覚めて、巻き起こる珍騒動という話の筋は、意外な方向に転がり、驚きのラストとなります。このラストには、眼もうるうるするほど感動し、あー、とても面白うごさいました。

この映画を見て、殺陣師や殺陣の見方も、ぼくの中で変わりそうです。実は、よくTBSのBS放送の東野英治郎の主演している再放送の『水戸黄門』をよく見ているぼくですが、時代劇の復活を願わずにはおられません。子どもの頃に見たテレビドラマ『素浪人 花山大吉』は強烈に印象に残っています。もちろん、黒澤明監督の三船敏郎主演の侍映画も駄作なしで、素晴らしい。

閑話休題、この『侍タイムスリッパー』はインディー映画として作られ、単館でロードショウが始まり、今では全国の映画館で上映されています。そして、2021年に逝去された、日本一の斬られ役とも呼ばれた福本清三さんに捧げられた『侍タイムスリッパー』は、まぎれもない楽しい名作なのです。

侍タイムスリッパー | 公式サイト
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パレスチナ人監督モハメッド・サワフとイギリスの名匠マイケル・ウィンターボトムが共同監督の『忘れない、パレスチナの子どもたちを』を見ました。今、起こっていることよりも前の2022年の映画だけれど、ガザで爆撃されて殺された子どもたちの肖像と遺された家族へのインタビューとその後の日常は、見ていて当然につらい。

ラストに緊急に今のガザで撮られたモハメッド・サワフ監督のインタビューがあり、虐殺の進行中のガザでは人々が必死に生きのびようとしているということ。ぼくに生まれた心の中の声は、大義とかぬかすイスラエルの正義を信じるな、ましてやアメリカーの正義も信じるな、ロシア、おまえもだ。子どもの命がこのように奪われていいわけはない。

『忘れない、パレスチナの子どもたちを』をより多くの人に見ていただきたく、この映画の日本語版のナレーションを担当した坂本美雨さんの言葉を引用したいと思います。Ceasefire now!

「今パレスチナで起きていることは"戦争"でも"宗教の争い"でも"ハマスが10月7日にしたことの報復"でもなく、76年間続いてきたイスラエルのパレスチナ人の虐殺と民族浄化です。今この瞬間も世界は、無実の子どもが殺されることを許している。好きなことがあった、やりたいことがあった子どもたち、この映画は、消されてしまった命の一つ一つの物語を、私たちの胸にひとりひとり、刻みつける。」

映画『忘れない、パレスチナの子どもたちを』公式サイト
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アレックス・ガーランド監督の『シビル・ウォー アメリカ最後の日』を見ました。『シビル・ウォー』の映画の中ではいきなり内戦下のアメリカ合衆国でカリフォルニア州とテキサス州の合同軍が首都のワシントンD.C.に進撃しております。それがどのようないきさつなのかは語られません。ニューヨークにいる主人公の報道カメラマンは仲間たちとワシントンD.C.に向かうというロードムービーになり、さまざな内戦の実相が描かれます。それを見ながら、4年前のアメリカ大統領選でトランプがワシントンの議会に向かえとアジテーションをしたことをぼくは思い出しました。当時、ニュースでこれを見ながら、1970年の日本で過激派の学生たちが成し遂げたかったことが、あっさりと行われたことに驚きもしました。日本のアメリカに赴任する大使館員は、ここは東の端と西の端にアメリカ共和国があり、残りの中央部は広大なジーザスランドだと教わるとどこかで聞きました。

閑話休題、『シビル・ウォー』の映画の中では荒んだ暴力がはびこり、ラストでは、驚くべきことに、あっさりとあることが実行されてしまいます。それは何であるかは、この映画をこれから見る人のためにも、述べるのを控えたくも思うのです。暴力の国、アメリカ合衆国。

映画『シビル・ウォー アメリカ最後の日』|大ヒット上映中
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NHK朝の連続テレビ小説の『寅と翼』が大団円を迎え、終わってしまった。テレビ画面でもうこの人たちに会えないかと思うと、万感、胸に迫り、寂しい。初めて朝ドラをすべての回を見てしまった。時間の都合で見れない時は気になって、インターネットのNHKプラスで見ていた。

ドラマを見ながら、ふと、若いころに読んだドストエフスキーの小説を思い出していた。いろんな、何か欠けた人たちが次々に登場し、時代に翻弄されながら、何度も騒動を巻き起こし、その解決が再び事件となり、フィナーレに向かってゆく。けれども、何も欠けていない人なんているだろうか? そういう意味ではすべての登場人物が気になってしまう。それはドストエフスキーを論じたバフーチンの「カーニバル論」や「ポリフォニー論」のようだ。どうして人を殺してはいけないのかという、倫理の問題までも内包し、ゲイの轟太一や性を捨てた山田よねの半地下の法律事務所は抑圧された人たちの法と正義、自由を探求し、実践するシナゴーグ(ユダヤ教会)のようにも見えてくる。物語の後半、轟太一がぼくの好きな三島由紀夫に見えてしかたなかった。轟の山田への「山田、行けー!」の声は、おまえの見ている世の中のすべての嘘を否定しろという鼓舞のように聞こえてしまう。そのように、戦前、戦中、戦後の日本の最も激しい時代を、佐田寅子とその仲間たちはテレビの中であるけれど生きたのである。

米津玄師の主題歌「さよーならまたいつか!」もかっこよかった。

虎に翼 - NHK
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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