えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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近所のディスクユニオンで"Relaxin' with the Miles Davis Quintet"のCDが500円で売っていたので、買って帰って、聴いています。そこで、ふと、昔、中上健次の書く小説やエッセイが好きで読んでいたことを思い出し、その中上健次の文章によってジャズという音楽を聴き始めたのかもしれないと思い出す。今、聴いている"Relaxin'"は中上健次が最も愛したジャズのレコードの中の一枚であるらしい。高ぶった神経を沈めるためにジャズ喫茶でよくリクエストしたと、エッセイで書いていた。

中上健次の愛したジャズのレコードをあと二枚、選んでみれば、一枚はAlbert Aylerの"Spiritual Unity"、もう一枚はJohn Coltraneの"Kulu Se Mama"あたりかな? 中上は三島由紀夫が割腹して自殺した同じころ、ニューヨークのハドソン川にAlbert Aylerが死体で浮かんでいたというニュースを三島の事件よりも強い衝撃だったと書いていた。「破壊せよ、とアイラーは言った」というエッセイを中上は書いたのだけど、Albert Aylerのサックスは、破壊というより、見えないものたち、見えなくなったものたちへの、高らかに咆哮する挽歌のようなのだ。

叛乱の1960年代後半に青春を送った人たちの中に中上健次もいた。John Coltraneの"Kulu Se Mama"はその象徴のようなジャズであろう。中上健次がJohn Coltraneについて語った一説です。

「自由とは、疎外され抑圧され差別されることからの自由であり、ジャズの持つ黒人というアメリカのマイノリティの音楽という特性からの自由である。黒人という特性から出発して、特性から解き放たれる、と私はコルトレーンのジャズを聴きながら思ったのだった。
 特性からの自由、それは机上のものではなく、頭でだけ考えたものでない、切って血が出る自由である。コルトレーンのジャズを聴いて、音とは、文章と同じように肉体であると思った」

中上健次の書くようなジャズは消えてしまった。ただし、レコードは残されて、それをぼくは聴いている。Albert Aylerの有名な曲に"Ghost"という曲があるが、東洋の果ての島で、ジャズは霊のように復活しないのだろうか?








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"João Gilberto"と題されたジョアン・ジルベルトのこのアルバムは、日本では「3月の水」とタイトルを付けられたのだけど、ラストの曲にミュシャのボーカルが入る以外は、本当に控えめなパーカッションのソニー・カーとの二人のコラボレーションで、ほぼジョアンの弾き語りが楽しめます。このアルバムを聴き、これらの軽いような弾き語りを繰り返して聴いていると、不思議なことに、アメリカでなかば亡命のような生活をしていたジョアンのブラジルへの強い望郷の思いと、ゆるがない心の芯のようなものを感じ初めてしまう。

ジョアン・ジルベルトは天からの贈りもので、今夜、ぼくは"João Gilberto"を聴きながら、数えきれない感嘆のため息をついてしまう。







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レコードコレクターズ誌で1960年代と1970年代の日本のロック/フォークの特集をしている。自分で1970年代に出されたアルバムでお気に入りのもの、よく聞いたもののリストを作ってみた。

・RCサクセション シングルマン
・荒井由実 ひこうき雲
・荒井由実 MISSLIM
・荒井由実 COBALT HOUR
・荒井由実 14番目の月
・吉田美奈子 扉の冬
・細野晴臣 トロピカル・ダンディー
・細野晴臣 泰安洋行
・細野晴臣 はらいそ
・イエロー・マジック・オーケストラ YELLOW MAGIC ORCHESTRA
・山口冨士夫 ひまつぶし
・友川かずき やっと一枚目
・友川かずき 肉声
・友川かずき 千羽鶴を口に咬えた日々
・友川かずき 俺の裡で鳴り止まない詩-中原中也作品集
・浅川マキ 浅川マキの世界
・村八分 ライブ
・喜納昌吉&チャンプルーズ
・Panta & Hal マラッカ
・憂歌団 生聞59分
・憂歌団 四面楚歌
・小坂忠 ほうろう
・遠藤賢司 東京ワッショイ
・東京ロッカーズ
・東京ニュー・ウェイヴ'79

かたよっております。

「東京ロッカーズ」と「東京ニュー・ウェイヴ'79」は特別なアルバムで、自分がロックを演奏しようと思い始めたそのきっかけとなったもの。

「RCサセクション シングルマン」、荒井由実の4枚、「吉田美奈子 扉の冬」、細野晴臣の3枚、などは今でも良く聴いている。どれか一枚と言われれば、迷いに迷って「RCサクセション シングルマン」を泣く泣く次点とし、「喜納昌吉&チャンプルーズ」を選びます。





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フリー・ジャズの鬼才テナーサックス奏者Albert Aylerがリズム・アンド・ブルース、ブガルー、カリプソみたいなリズムで暴れまくっているのだ。一部、Aylerは、フェーメールボーカル陣のコール・アンド・レスポンスも従えて、ファンキーに歌も歌っている。

ぼくはこんな1968年に奏でられた音楽にのって、今でも古くならないこの音楽の持つ新しいバイブレーションの波にのって、いろんなみんなと街に飛び出してこの二十一世紀の世界を行進したくなってしまう。世界中のあらゆるところで"Free at last!"と歌いながら・・・、すると空の向こうからAlbert Aylerのサックスが高らかに響く。




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聴くと心が洗われるような音楽があります。山口冨士夫の"PRIVATE CASSETTE"というアルバムを聴くといつもそんなことを感じる。このアルバムはたしかTumblingsとTear Dropsという2つのグループのはざかい期にFrictionのドラマー、チコヒゲと二人でレコーディングされたアルバムで冨士夫ちゃんはアコースティックギターを弾き、歌を歌い、ヒゲさんはパーカッションを奏でている曲が7曲とラストの8曲目のサイケディリックなバンド・セッション曲が入っていて、チコヒゲとのブルージーなアコースティック・ナンバーが美しい。この冨士夫ちゃんの歌を聴くと、不思議なほどにぼくの心は洗われてしまう。

その山口冨士夫は病におかされ、重篤だと聞いたのは数年前のこと。病気と闘い、最近は少しづつ回復しつつあるとのこと。病と闘いながら、朋輩、忌野清志郎の死を知ったのは辛かっただろう。YouTubeで最近の冨士夫ちゃんが弾き語りで歌うのを発見し、初めて"PRIVATE CASSETTE"を聴いた時の感動を思い出した。新宿・伊勢丹の木村英輝氏のライブ・ペインティングで突然 歌いだしたその時のムービーだそうだ。

Fujio Yamaguchi - live 2010.0504.AVI

http://www.youtube.com/watch?v=6QEF6QelcdI&playnext_from=TL&videos=eDdMF6ExjMg





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このアルバム最高だわ。あの嘉手苅林昌さんも並に思えるほど、渋い唄者がこれでもか、これでもかと出てくるわ、出てくるわなのだけど、ぼくは林昌さんをけなしているのではもちろんなくて、沖縄の1950年代、1960年代の唄の世界、琉球民謡の世界、ディープなのです。そして、林昌さんと言うと、初めてで最後に日比谷野外音楽堂で見たあのお姿、おの圧倒的な本物のカントリー・ブルーズ・マン的オーラを聴きながら思い出してしまう。

さてと戻ってこのアルバム、このゆるっと島のブルーズの数々に浸って、島らっきょう、食いてー、オリオン・ビール、飲みてー。この「マルタカ」というインディーレーベルを営んでいた高良時計店って、たしかまだ那覇にあるのかしら? たしか、あるんだよ。そう言えば、沖縄を旅した時、牧志公設市場のはずれに見かけた気がする。行きてーなー。

このアルバムの12曲目に聴けるのは知名定繁さんの「ゼンゼン駄目」。すげーおもろい唄だ。本土のお偉いさん「ゼンゼン駄目」、アメリカのお偉いさん「ゼンゼン駄目」とは唄っていないのだけど、おれは沖縄が何か最近、気になって、気になってしかたなく、この前、知らない庭にブーゲンビリアの真っ赤な花が鈴なりに咲いている夢すら見たのはどうしてだろうか? 沖縄のどんなところを歩いても、おれはものすごいデジャヴ(既視感)を感じたし、そんな不思議さすら思い出し、精神衰弱気味のおれは、あんなところはどこにもなかったとひとりごち、高良時計店の作ったマルタカのこのアルバムをもう一度初めから聴くのです。







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昔は本屋にたくさんあったバグワン・シュリ・ラジネーシの本。またの名を和尚ともOSHOともいう彼の本は、今はめったに見られなくなった。悪い噂も絶えなかったこのインドの宗教指導者の本を何冊か読んだこともあった。その大胆なレトリックに不思議な感銘を受けたこともあったのだが、今は読み返そうとは思わない。そのラジネーシの音楽レーベルから出された"NEW CHILD Rehabilual"というCDはたまに聴きたくなる。ボーカルや作詞作曲にあの小川美潮さんが加わっている。エスニックでジャージーでスリリングなこのアルバムは美潮さんの隠れた名作だと思う。

このCDの2曲目"Nataraji Bungawan Solo"はインドネシア民謡だと思われていたのだが、その作者であるGesang Martohartonoさんが昨日亡くなったというニュースを新聞で見た。享年九十三歳のインドネシアでの人生はどのようなものだったのだろうか? 美潮さんは初めにインドネシア語で歌い、そして、次に日本語の詞をこのように歌っている。

「かわらぬ ソロの流れ
いわれを秘めて 今日も流れる
かれどきは 水かわけど
雨期は豊かに あふれ流れる
みどりの深山にかこまれた みなかみ
流れてついには海にそそぐ
過ぎし日を語るように
あきないの舟今日もこぎゆく」

今、ジャケットを見ると、子どもが瞑想している写真に妙な違和感を感じたりする。けれど、音楽は素晴らしい。すると、このCDを西荻窪のホビット村の本屋で買ったことをふいに思い出す。ぼくの友だちがこのホビット村のレゲエを演奏する人とけんかをしたと話していたのも思い出す。

さて、海にそそいだソロの川の水はどうなるのか? このアルバムのラストの曲「水」のように海にそそいだ水は空にのぼる。雲になって、雨を降らす。雨は地に吸われ、種を芽吹かせる。そうだよ、水ってもちろん、いいものでもある。だから、水の旅はつづく。ぼくはおいしいお水の夢を見よう。チャオ。では、おやすみなさい。Zzzzzzz......
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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