えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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上野の鈴本演芸場に行きました。行く前に上野東照宮でお参りもしました。ここに来るのは初めてです。国の重要文化財に、第二次世界大戦の空襲にも焼失せずに今にいたるというありがたき神社であります。世界の平和祈願、自身の心身健全をお願いし、御神籤をひくと大吉でした。

「おみくじ A Written Oracle No. 34

 かき曇る
 空さえ晴れて
 さしのぼる
 日かげのどけき
 我こゝろかな

 こゝろすなおにし身を正しくすればますます運よろしく何事もおもうまゝになるでしょう
 欲をはなれて人のためにつくしなさい
 大吉

 運勢 大吉」

ゆめゆめうたがふことなかれ

さて、鈴本演芸場にもどります。令和六年十二月上席夜の部です。見た演目は、前座の三遊亭歌ん太くんの「狸賽」、二つ目ね柳家小はだくんの「金の大黒」、鏡味仙士郎師匠、鏡味仙成師匠の御二方の大神楽曲芸、古今亭文菊師匠の「高砂や」、柳家はん治師匠の「ぼやき居酒屋」、立花家あまね師匠の三味線弾きの、唄いの民謡、むかし家今松師匠の「近日息子」、桃月庵白酒師匠の「代書屋」で仲入りです。如月琉さんの奇術、柳家さん花師匠の「安兵衛狐」、笑組の御二方の漫才、主任は柳亭こみち師匠の「らくだの女」でした。

定番の噺だけれども、古今亭文菊師匠の「高砂や」や桃月庵白酒師匠の「代書屋」が面白く、おおいに笑いました。主任の柳亭こみち師匠の「らくだの女」は古典落語の「らくだ」の改作で、おしまいに大店のお嬢様育ちの娘が酔って、荒くれ、怪傑のらくだに惚れた理由が語られる。こみち師匠、かっこいいっす。上野はいいとこ、寄席はパラダイス。
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山内若菜さんの著した『いのちの絵から学ぶ −戦争・原発から平和へ』を読みました。本を読みすすめると、ぼくが2021年に初めて原爆の図丸木美術館で山内若菜さんの絵を見た時のことを思い出します。ぼくは山内さんの絵ではなく、丸木位里、丸木俊の合作による「原爆の図」を見に行き、そこに山内若菜さんの絵も展示されていた、その山内さんの絵を見て、鳥肌が立つほどの感動を覚えたのでした。それから、山内さんの絵の展示される展覧会には何度か足を運ぶやうになりました。『いのちの絵から学ぶ』はそんな山内さんの絵を描くかたわら、もう一つの重要な活動である中学校、高校、大学でのいのちを芸術鑑賞授業、移動型展示講演会をまとめたものであり、そこには自伝的な内容も含まっているものでありました。

この本を読むと、驚くは、日本の芸術界というか画壇が、「平和」と「政治」ということをタブー、禁忌として扱い、表立って表現してはいけないこととしていることを知りました。そこからはみ出した山内若菜さんの苦闘と展示を含めた新しい表現の模索が始まり、抽象から具象の変化ともなったのかとも思い、驚いております。今のもっとも注目すべき芸術家である山内若菜さんの芸術をいろんな人に見ていただきたい。山内若菜さんの絵は、絶望から希望の光のさす圧倒的な塊です。

いのちの絵から学ぶ
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すみだトリフォニーホールで『アヌーナ特別公演 アイルランド神秘と日本の幽玄が繋がる』を見ました。アヌーナはアイルランドを拠点としつつ、ヨーロッパのさまざま国からシンガーが参加しているコーラス・グループ。

二部構成の一部でほぼアカペラでいろいろなヨーロッパの歌を歌ってくれました。時節がら、クリスマス関係の歌も多かったようです。ぼくは、シンガーの歌い方に何だか、注目してしまいます。そうか、どこにも余計な力の入っていない、完璧にリラックスした歌い方になるほどと思いました。美しいまっすぐな歌に心が洗われるようです。

二部は能楽師で舞いをする津村禮次郎さん、能楽師で鼓を叩く柿原光博さん、雅楽の笙奏者、東野珠実さんとのアヌーナのコラボレーション。日本の昔話「雪女」をモチーフとした物語と音楽、舞いに会場はいつしか静まりかえって、その哀切にぼくの目頭は熱くなっておりました。
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江東区深川江戸資料館にて見学をしました。小さいところながら、ここに、江戸の町並みが再現されております。こんな町並みが古典落語の愛おしい物語の背景として存在しているのかと、興味しんしんです。館内ではどこからか、犬や猫の声もしています。そんな町並みをぼくは何周もしてしまう。面白かった。
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新宿ロフトで『一人ぼっちは絵描きになる』と題された友川カズキさんのデビュー50周年のコンサートを見ました。

ぼくは高校生だったころから友川さんのファンなのです。高校の頃、パンクロックが好きで、友川さんを初めて知った時は、一人でアコースティック・ギターをかき鳴らして、弾き語りをして、パンクロックをしている人がいるようで、とても驚きました。その友川さんとぼくが同じように年を取り、こうしてコンサートで会っていることが、当たり前のことであっても、なんだか不思議です。

今夜も詩の魂が爆発しているかのような凄いコンサートでした。バックのミュージシャンは石塚俊明さん(ドラム)、永畑雅人さん(ピアノ)、山本久土(ギター)さん、松井亜由美さん(バイオリン)の4名の方々で、その音の塊は自由に暴れまくっておりました。素晴らしいです。

石塚俊明さん、永畑雅人さん、松井亜由美さんの御三方は1970年代からの友川さんの盟友ではないかしら。そして、永畑雅人さんと松井亜由美さんはパスカルズの人で、つながった縁を感じます。

友川さんのMCはいつものように時事ネタを含み、楽しく饒舌で、少しの毒も含んだもので、韓国が大変なことになっていると言い、韓国の詩人、金芝河のことを歌った「囚われのうた」を聴くことができました。歌の始まりに詩の朗読がありました。

どうってこたあねえよ
朝鮮野郎の血を吸って咲く菊の花さ
かっぱらっていった鉄の器を溶かして鍛え上げた日本刀さ

三島由紀夫がどうのこうのとぬるい、寝ぼけたことを言ってんじゃねーよと、ぼくは言葉の石礫の一撃をくらったようなのです。そして、アンコールで石塚俊明さんのドラムスだけをバックに歌った「とどを殺すな」に世界の暗澹を思い、ぼくは涙します。
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クリストファー・ボルグリ監督の『ドリーム・シナリオ』を見ました。ある平凡な大学教授の男がいろんな人の夢に現れたことから始まるシュールな物語でした。やがて人々の見る夢は悪夢となり、主人公の生活は暗転していく。ユーモアのないブラック・ユーモアにぼくは怖いような気持ちとなりました。昔は口吻による噂話、今ではネットにとびかうデマをこの悪夢は連想させもします。怖い、怖い。ラストのシーンは荘子の「胡蝶の夢」ではありますまい。

映画『ドリーム・シナリオ』オフィシャルサイト
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駒場公園内にある日本近代文学館で『協力企画展 三島由紀夫生誕100年祭』を見ました。『協力企画展』となっているのは山中湖文学の森三島由紀夫文学館との協力というこであろう。来年の1月14日が三島由紀夫の誕生日で生誕から100年だそうです。それは昭和100年ということでもあります。小さな展覧会でした。

1970年11月25日に自衛隊の駐屯地で撒かれた檄文が大きなパネルとなって展示されていました。ぼくはそれを全文、読んでみましたが、その文が最後の小説である『豊饒の海』や後期の最も重要な短篇である『英霊の聲』とどう繋がっているのか分からず、むしろ、大きな矛盾のようでもあるようで、困惑してしまいます。

三島由紀夫は自決の直前に自身の展覧会を開いていて、それは「書物の河」「舞台の河」「肉体の河」「行動の河」の四つの河に分かれ、すべてが、「豊饒の海」へ流れ入るように構成となっていたそうです。小説『豊饒の海』の帰結を知っているぼくは、それが空恐ろしいようにも感じるのです。

ぼくの父は三島由紀夫の数歳、年下ですが、戦争というものを知っている世代です。その父が話していたことですが、数歳、年上の父の同僚が会社を定年で退職した時、その退社式の終わりに、いきなり、皇居の方に向かい「天皇陛下万歳」を三唱をしたそうです。三島由紀夫のような多くの市井の人もいたのでしょうか?

三島由紀夫の書いた手紙も展示されていました。その中で、ニューヨークからの手紙で、同じくニューヨークに来ていた大江健三郎と落ち合い、楽しく過ごしたことなども書かれていて、ぼくは何だか、ほっとしてしまいました。

三島由紀夫を読んだことのない人は、是非、『潮騒』か『近代能楽集』、『午後の曳航』のどれかを読んでみてください。どれも長い小説ではありません。それが面白いとなれば、最後の小説となった四冊の長篇の『豊饒の海』をお勧めします。
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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