えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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週刊金曜日での2025/5/9号と2025/5/16号で連続の「象徴天皇制を問う」と題された特集を読んだ。それにつれ、改めて日本国憲法の「第一章 天皇」の第一条から第八条までが天皇に対する規定であることに驚いたりする。ちなみに、それは「第二章 戦争の放棄」の第九条に続く。週刊金曜日を読みながら気づいたのだが、第一条から第八条までの「第一章 天皇」は「第三章 国民の権利及び義務」の第十四条と第十八条に矛盾するように思われる。

第一条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。

第二条 皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。

第三条 天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。

第四条 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。
② 天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。

第五条 皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。この場合には、前条第一項の規定を準用する。

第六条 天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。
② 天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。

第七条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
二 国会を召集すること。
三 衆議院を解散すること。
四 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
五 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
七 栄典を授与すること。
八 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
九 外国の大使及び公使を接受すること。
十 儀式を行ふこと。

第八条 皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の議決に基かなければならない。

第十四条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
② 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
③ 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。

第十八条 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。

東京大学の名誉教授、故・奥平康弘さんは、世襲の天皇制を民主主義の飛び地と呼び、平等な個人を貫徹できなかった、とする。天皇、皇室には、当たり前のように国民が持つ自由はないのだ。そして、この矛盾を整合とするには、天皇は国民ではないとすればいいのだろうか? パンタの歌う「人間もどき(ひともどき)」などを思い出しつつ、なるほどと思った。

天皇は世襲のものであり、その世襲制によって存続の危機がいわれている。男系の天皇制の根拠として、女系になれば、遺伝子の「XY染色体」の「Y染色体」が失われるなどと主張されているけれど、ぼくには気持ちの悪いオカルトのようにも思われる。

皇室として育っていない国民を皇室に復帰させることには、ぼくには抵抗と違和感しかない。しかも、その人は国民としての権利を奪われるのだ。いつか、皇統が途絶えれば、日本人の多くは日本国憲法の第一条から第八条を読み返し、空位となった天皇の存在を嘆き悲しむのだろうか? 読売新聞は社説で女系天皇を肯定するようなことを掲載したが、極右は裏切り者と罵っているのだろう。週刊金曜日の桜井大子さん書いた「 女性・女系の容認では私たちは解放されない」によると女系天皇を肯定する意見は90%にのぼり、天皇制廃止を考える人は9%未満なのだそうだ。女系天皇については、多分、愛子さまを念頭おいた回答なのだろう。

ぼくは、横浜スタジアムに野球を見に行って、国歌斉唱の時間があり、椅子から立ち上がらず、「君が代」を歌わないこともあり、椅子から立ち上がって、「君が代」を歌うこともある。多分、天皇陛下が会場におみえになっていれば、「君が代」を歌うへたれ左翼なのだ。けれど、へたれでもいいではないか。もしも、日本が他国に侵略され、ウクライナのようになれば、ぼくは、誰よりも率先して、「日の丸」を掲揚し、「君が代」を歌うかもしれない。

ところで、近ごろは能楽などの日本の古い芸能や芸術に親しむ機会も多い。すると、それらに皇室ゆかりのものは実にたくさんある。伝統とは何だろう? 伝統とは変わりつつ、変わらない何かであろう。民主主義こそは普遍的なもので、天皇制とは相容れないものだという意見も大きく聞こえつつ、ぼくは、今の時代に合った、日本の日本人らしい民主主義もあっていい、と思うのだった。
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見よ、この新緑を。養沢毛鉤専用釣場です。美しい。それなりに釣れて、放ちました。空に猛禽類が舞い、その影が川面にうつると、魚たちがさーっと散っていく。これが野生というものさ。この日のラストに釣れた山女魚は格別の美しさだった。渓流の女王とも呼ばれます。写真は撮りませんでした。まーいいさ、そっと大切に記憶にしまおう。今日の一句。

 猛禽の川面の影に山女魚散る
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麻田雅文さんの著した『日ソ戦争 帝国日本最後の戦い』を読みました。本の帯に「東京大学教授 加藤陽子氏 安全保障研究者・東京大学准教授 小泉悠氏 絶賛」とあり興味をそそられました。ちなみに加藤陽子さんは日本学術会議の任命を日本政府により拒否された人でもあります。ぼくは、加藤陽子さんのことを日本の近代史と現代史の研究者、著述家としてもっとも重要な人だと思う。加藤陽子さんは中道の学者だとぼくは思うのだけれど、トランプのリベラル狩りに先んずる日本政府の浅はかさを痛感しますな。

麻田雅文さんの『日ソ戦争』を読むと、1945年8月9日の長崎に原子爆弾が投下された日から同年の9月7日まで日本とソ連の間での戦争が続いていたことに、率直に驚く。麻田雅文さんは、日ソ戦争は同時代の米英との戦いに比しても、さらに陰惨な印象を受けるとし、それが今のロシアにも受け継がれている感覚を覚えているとしている。その根拠として日ソ戦争の特徴を三点あげている。

第一に、日ソ戦争では民間人の虐殺や性暴力など、現代であれば戦争犯罪に当たる行為が停戦後にも多発した。
第二に、住民の選別とソ連への強制連行である。
第三に、領土の奪取である。

日本軍の蛮行も許されるものではないし、今、行われているイスラエルの暴力と殺戮もおぞましく、それにしても、ソ連の犯した三点が戦争直後から現在のロシアにまで続いているのも恐ろしい。世界はこれから闇に沈むのだろうか?

ところで、日本はポツダム宣言を内々に受諾し、全面降伏したのが8月14日で15日が玉音放送で敗戦が国民に伝えられる。この『日ソ戦争』によれば、天皇は国体(天皇制)の保持について逡巡していたが、ついに決心し、軍部(大本営)の反対を押し切る。寺山修司の短歌に以下のようなものがある。

マッチ擦するつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや

天皇にまったく前の戦争の責任がないとはいえないけれど、天皇はこの時、祖国のために確かに身を捨てた。9月2日がポツダム宣言の正式な調印。正式な調印の9月2日でもなく、内々に受諾した8月14日でもなく、広く天皇の声で知らしめた8月15日が戦後、終戦記念日として定着することとなる。この日、新しい天皇制の呪縛か、新しくなった天皇による加護か何かがが始まることとなった。そして、『日ソ戦争』によれば、この後、いくつかの偶然と多くの血と命の犠牲によって北海道はソ連の領土にならなくて済んだのだった。日本に戦争の悲惨が再びやってこないのを祈るのみです。

日ソ戦争 帝国日本最後の戦い -麻田雅文 著|中公新書
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伊豆の松崎に小さな旅をしました。



一日目は松崎に流れる那珂川でフライフィッシングをしました。里の川に、小さな魚がいっぱい泳いでいるのも見えます。この川で初めて一匹、釣れたのはちび山女魚。リリースしました。初めての一匹で目標を達した気持ちにもなりました。遊びの釣りに強欲はいけないように、ぼくには思われます。歩いていると、知らない人から、つれますか、と声をかけられました。その人は今年は魚影が薄いとのこと。水温が低くはないか、とたずねられ、ぼくは、低くはないですよ、と答えます。大きい魚はさっきいた白鷺に食べられたのかな? 魚の天敵は釣人ではなく、鳥だ、と最近は思います。けれども、ぼくの見た小さな魚たちが大きくなれば素晴らしい。



泊まったところは、いつもの伊豆まつざき荘で、窓から見える静かな海の景色が好きです。地魚をたくさん使った懐石料理が美味しい。


次の日もフライフィッシングをしました。那珂川の上流の池代川まで行きました。結果はボーズ(一匹も釣れないこと)でした。二回ほど魚が水の中を走るのを見て、一回、ブッキングに失敗しました。



帰りに道の駅の「伊豆月ヶ瀬」に寄りました。そこの裏は狩野川が流れていて、川に降りてはいけません、という看板が立てられています。この前、来たときとは違う鳥よけのキラキラ光るテープが張られた川を遠くから見ていると、いくつかのライズ(魚が水面付近でエサを食べる際に起こる波紋や水しぶきのこと)を発見。いるんだ、とぼくはひとりごちる。今度、狩野川のこのあたりから上流の方に釣りをする旅をすることを妄想します。

車で家路に向かいました。
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東京芸術大学美術館で『相国寺承天閣美術館開館40周年記念 相国寺展―金閣・銀閣 鳳凰がみつめた美の歴史』展を見ました。京都の相国寺、金閣寺こと鹿苑寺、銀閣寺こと慈照寺の保有する美術品の展覧会でごさいます。

それは、十四世紀末、室町幕府三代将軍の足利義満の夢の後であり、後の江戸時代には朝廷によって守護され、伊藤若冲や円山応挙の名作が残されることとなります。

画聖とも呼ばれる雪舟は、室町時代の相国寺の高位の僧侶でもありました。その雪舟の「山水図」を見れたことがよかった。そして、雪舟の画の師である周文の「十牛図巻」は禅の十牛図の解説の本などにも口絵として引用されている絵で感激しました。

江戸時代に絵画を革新していった伊藤若冲の「竹虎図」の虎は猫みたいでかわいい。同じく絵画を革新していった円山応挙の「大瀑布図」はど迫力なのだ。

日本画に近頃、目覚めたわたくしは、こうひとりごちります。いいもんだねぇ。
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五月十二日、新宿末廣亭での令和七年五月中席昼の部です。いつものように見た演目を書き出してみます。つきましては「新作」という表記のない落語は古典落語です。前座の三遊亭歌ん太くんの「桃太郎」、二つ目の三遊亭ぐんまくんの新作「新・北三国志」、入船亭扇橋師匠の「高砂や」、寒空はだかさんの漫談、古今亭志ん五師匠の新作「魚男」、金原亭馬治師匠の「権助魚」、笑組のお二人の漫才、鈴々舎馬るこ師匠の新作「タトゥーに込めた愛」、古今亭菊春師匠の「替り目」、アサダ二世さんの奇術、林家錦平師匠の「看板のピン」、柳家小里ん師匠の「長短」で仲入りです。仲入り後、弁財天和泉師匠の新作「謎の親戚」、林家ペーさんの漫談、柳家きく麿師匠の新作「託おじさん所」、桃月庵白酒師匠の「粗忽長屋」、翁家勝丸師匠の太神楽曲芸。主任は柳家小ゑん師匠で新作「ほっとけない娘」でした。

今日は柳家小ゑん師匠が主任ということで、新作ばかりかと思っていたら、古典落語もそれなりの数が聴けて、よかったです。古今亭菊春師匠の「替り目」とか、すごくよかった。弁財天和泉師匠の新作「謎の親戚」が法事で出会ってしまう知らない親戚のあるある話で、わが身のことのようでもあり、とても面白かった。柳家きく麿師匠の新作「託おじさん所」がシュールでまたよい。桃月庵白酒師匠の「粗忽長屋」は笑いっぱなし。主任の柳家小ゑん師匠で新作「ほっとけない娘」は小ゑん師匠ならではの滑稽噺ですな。この仏像マニアの女子の噺には何度聴いても笑ってしまう。

暗いこの世のつらさ忘れ、寄席は心のオアシスなのです。
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こんな夢を見た。ぼくは昔の学生食堂らしきところにいる。そこに昔、亡くなった友人が何かの定食をのせたトレイをもって入ってきて、椅子にすわる。ぼくはその友人を見て、まだ自分が死んだことが、分かっていないんだ、と思い、今こそ言わなくてはならない、と思う。ぼくは、おまえは死んだんだよ、と友人に言うが、友人はきょとんとしている。今は何年なの、と友人に問うと、友人は今の年を分からないらしい。そして、ぼくは、今は2025年だ、と告げると、友人は驚いた風の表情を見せ、友人の全身は少しづつ透明になり消えてしまう。ぼくは、友人が自分が死んだことをやっと分かってくれたんだ、と思う。

そこで目が覚めた。目が覚めると、なぜか、ビートルズの"A Day In The Life"を思い出してもいました。 夢野久作の『ドグラマグラ』ではないが、ぼくの今、見ているものは、いまわのきわの長い夢なのかもしれない、とふと思います。そんなことないか?
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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