えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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岸田秀さんの著した『続 ものぐさ精神分析』を読了した。この本は高校生のころ読んだことがあって、二度目ということとなるだろうか? 半世紀近く前に出された『二番煎じ ものぐさ精神分析』と『出がらし ものぐさ精神分析』の2冊の単行本から、よいと思う論文、批評文を岸田さん自身が選び、1冊の単行本にまとめたものが『続 ものぐさ精神分析』で、ぼくが高校生のころはよく読まれていたのだけれど、その内容の多くが古くなっていないことに驚いてしまう。

高校生のころも「性的唯幻論」などと称し、すべては幻想だと説く和光大学の教授であった岸田秀さんに、何やら胡散臭いものを感じながら、面白く読んでいたという記憶がある。ぼくはこの後、二十歳を越えたころから、岸田さんが師とするフロイトの精神分析ではなく、河合隼雄の説くユングの心理学に惹かれるのだけれど、『続 ものぐさ精神分析』の一章をさかれて書かれたユング心理学を批判である「ユングの元型について」は確かに鋭く、根本からの批判となっている。

しかし、今、ぼくがこの本で最も読みたかったのは、それではなく、来年の三島由紀夫百年生誕祭を控えての、岸田秀さんの「三島由紀夫の精神ははじめから死んでいた。この現実の世界に生きているという実在感の欠如に、彼の文学、その他の活動を解く鍵がある。」の書き出しから始まる「三島由紀夫論」なのだ。岸田秀さんの「三島由紀夫論」は、百年生誕祭を前に盛り上がるぼくの三島由紀夫熱を、甘いか、苦いかは分からぬが、良薬となってほどよく冷ましてくれるようなのだ。

ぼくは高校生のころから三島由紀夫の小説を面白いと思ったけれど、三島由紀夫の『金閣寺』よりも水上勉の『金閣炎上』の方が高く評価できると思った。三島文学マニアの瀬戸内寂聴さんはインタビューで「三島さんの作品って、文学というより、工芸品みたいなのよね」とおっしゃっていた。三島由紀夫の文学を愛するポール・シュレイダー監督の日本では公開されなかった『Mishima: A Life In Four Chapters』では、その背景が、市ヶ谷の自衛隊でのシーンを除いて、すべてハリボテのリアリティのないものとなっていた。ハリボテのおもちゃのような金閣寺やハリボテのおもちゃのような靖国神社が出てくることに、ぼくはなるほどと首肯した。

最近、三島由紀夫の『金閣寺』の題がもともとは「人間病」であったことが書簡によって発見されたが、どうしてぼくが三島由紀夫に惹かれるのだろうかといえば、正確には分からぬが、それはニーチェのいわんとする「病者の光学」といったものかもしれない。

続 ものぐさ精神分析 -岸田秀 著|中公文庫
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遠足をかねて、御殿場の「麦畑」というバイキングとビールのレストランで飲み食い。年齢がら、もうあまりたくさん食べられないと分かっていながら、たくさん飲み食いしてしまう。御殿場からの富士山がきれい。楽しかった。
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山と溪谷社の本『多摩ハイク』の「01 長沼公園・平山城址公園」をたよりに俳句の吟行も兼ねてハイキングをしました。なかなかの山道もあり、気持ちがいい。猫に出会うと写真に撮ってしまいます。それに山羊もいた。詠んだ俳句が二つ。

 森の道落葉踏みしは絨毯か

 山羊の鳴く冬の夕暮道の柵

オムロンの万歩計を見ると、今日、歩いた歩数が22,215歩。やった。
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中山美穂さんが亡くなりました。寂しいかぎりです。中山美穂さんが主演をした岩井俊二監督の『Love Letter』をビデオオンデマンドで見ました。この映画は今まで二回は見ております。ということは三回目でしょうか? いろんな素敵なシーンがありますね。映画を見て、中山美穂、追悼、早すぎます。
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1日に8,000歩は歩こうと家から町田天満宮まて、てくてく歩きました。町田天満宮で世界の平和と自分の心身健全をお願い申しあげ、御神籤をひくと大吉。

「第三番 御神籤

 冬かれて
 休みしときに
 深山木は
 花咲く春の
 待たれけるかな

 何事も心を正直に強く持ち
 物事に怠屈せず信神怠らず勉めれば
 時到りて後にはおおいに
 仕合せよくなります
 騒がず時を待ちなさい

 運勢 大吉」

ゆめゆめうたがふことなかれ

帰りのついでにJRの町田の駅の小さい方の改札の近くのドトールに入りました。コーヒーのチェーン店ではドトールが一番、いいような気がするのは、そのコーヒーの味のためです。わざとらしいコーヒーの人工の香料の香りがとても苦手でなのです。

ドトールに入るとクリスマスの小さな飾り付けがあって、大好きなオーティス・レディングの「Merry Christmas, Baby」が聞こえてきました。もうそんな季節か、と小さなため息。年末と年始にむけて、騒がしい世間と世界に背をむけて、穏やかに生きたいとも思ってしまいました。
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鯨庭さんが漫画を描いて著した『遠野物語』を読む。原作は民俗学という日本独自の学問を確立した柳田国男。監修と解説は現在、東京学芸大学で名誉教授をされている石井正巳さん。6つの漫画から成り、それは「プロローグ」、「馬と花冠」、「河童の子」、「狐は夢」、「おおかみがいた」、「エピローグ」。

「馬と花冠」などを読むと、現代の世界文学のようだ。古くならないというよりも今という時代にこそ通じる何か特別なものがあるようなのだ。「おおかみがいた」を読むと、ぼくたち、日本人が日本狼という野生動物を滅亡させた民族であることに、あらためて気づかされ、胸に痛みを感じる。そして、柳田国男は日本で最も重要で、偉大な思想家であり、文学者、活動家であると思う。

「遠野物語」鯨庭 [コミックス(その他)]
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Eric Claptonのアルバムの中では"There's One in Every Crowd"が一番、好きです。これでいいんだよ、おまえのままでいいんだよって、音楽が語りかけてくれているようなのです。
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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