えいちゃん(さかい きよたか)

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松本准平監督の『長崎―閃光の影で―』を見ました。長崎での原爆投下後の町と病院での菊池日菜子さん、小野花梨さん、川床明日香さんの演ずる、三人の看護師のシスターフッドものの物語でした。

原案となった本は『閃光の影で 原爆被爆者救護 赤十字看護婦の手記』で、映画で表された陰惨な地獄のような光景の細部は、ほぼ事実であるだろう、とぼくは思う。恐ろしいことには、この前に川崎市岡本太郎美術館で見た広島の原爆直後の記憶画の方が更に陰惨であることだ。映画では表し難い地獄であったのだろう。被爆者たちは急性の放射線障害で血を吐きながら、ぼろぼろになり、ばたばたと死んでいき、病院の庭で焼かれていく、まさに地獄。

戦争を終わらせるために原爆を使ったという、あたかも原爆を肯定するかのような、アメリカの大統領の発言や、核武装が最も安上がりと発言した前の参議院選挙で当選した国会議員は、ぼくにはまったく許し難い。

映画に戻り、敗戦となった翌日、看護師長が若い看護師にやって来る危険な米兵から貞操を守るためにいざという時はこれを使いなさい、と青酸カリを配るシーンがある。昔、李香蘭であった山口淑子さんの自伝『李香蘭 私の半生』読むと、敗戦の日に元陸軍軍人の憲兵、満洲映画協会の理事長であった甘粕正彦から女性たちに日本女性を貞節を守るためにと青酸カリが配られたという。配られて、それを使った人は誰もいなかったが、青酸カリを使ったのは甘粕自身、ただの一人であった。ぼくは甘粕も看護師長も卑怯で愚劣だと思う。『長崎―閃光の影で―』でのその後はいかに?それは 映画をご覧ください。

さて三人のシスターフッドと書いたが、その中で、大河ドラマ『べらぼう』にも出ている小野花梨さんがなかなかよかったです。ヒロインは菊池日菜子さんなのだが、小野花梨さんの演技が映画を推進させ、引っ張っていたように思います。あたかも、小津安二郎監督の映画の原節子が菊池日菜子さんならば、杉村春子が小野花梨さんであるかのようにです。

八十年前に日本が敗戦した夏がやってきました。これから何があっても、勝っても負けても、日本は戦争をしてはいけない。

映画『長崎―閃光の影で―』公式サイト
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