えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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町田の国際版画美術館に「好奇心がとまらない夏―― 版画がつくる 驚異の部屋へようこそ!展」と題された展示会に行く。ヨーロッパを中心に様々な奇妙奇天烈な題材の版画が展示されていた。その中でもJohn Martinという人のJohn Milton作の旧約聖書に題材を取った17世紀に書かれた一大叙事詩「失楽園」の挿絵となった版画が数点、展示されていて、ぼくを惹きつけた。

今夜は悪い夢でも見そうな、薄気味悪いような、なつかしいような、気がおかしくなりそうな、暗い白黒の微細に描きこまれた版画なのだった。歴史から忘れ去られた絵描きなのだろうか? 誰か知ってます? 悪魔の集会やら、悪魔たちの壮大な宮殿やら、地獄から果てしのない階段を昇り続ける天使やら、シュールで怖い。John Martin、18世紀と19世紀を生きたこの画家は"Crazy John Martin"と呼ばれたそうだ。

(コンピューターでの適当に間引きされたデジタル画像ではこの版画の気持ち悪い感じは全然わかりません。John Martinの実物の版画には本当に物狂いを感じます。)
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「ジャズの歴史物語」という本を読んだ。今は亡きジャズ語りの巨匠、御大の油井正一さんの著した本です。この人、名調子のDJでも活躍していた人で、ラジオ日本になる前のラジオ関東でのオールド・ジャズの番組が好きでよく聴いていた。

この本は西暦1972年までのめくるめくジャズの水滸伝や三国志。さまざま音楽とさまざまな人物、さまざまな土地が交錯し、未踏の世界を求めていくのです。講談や落語のような語りっぽい文章も楽しい。おもしろい感動的な話もたくさん出てくる。例えばモダン・ジャズの第一人者かもしれないべーシスト、チャーリー・ミンガスはあの伝説的な夭折したサックス奏者、エリック・ドルフィーにこんな弔辞の言葉の花をさしむけている。

「エリックはやさしい、いたわりの心を持っていた。ある時、あるクラブで、私は長々とソロを演じた。耳を傾けている客は一人もいなかった。たまらないことである。するとエリックはそっと囁いた。"しっかりやりましょう。皆が聴いていないように見えますが、あそこの隅で熱心に聴いている人がいるんですよ"」

ジャズは好きな音楽だけど、やっぱ、かたよった聴き方しかぼくはしていなくて、それはそれでいいと思う。もしかして、リズム・アンド・ブルースの変種としてぼくはジャズを聴いているのかも。さまざまな残された文章や証言、音源を考証しながら、ジャズはもともとニューオーリンズの花街の酒場のダンス・ミュージックから発生したと、油井さんも書いている。

ぼくの熱心に聴いた、もしくは聴いている、ジャズと一般的に呼ばれている音楽はこんなもの。

Sun Ra、Albert Ayler、Charlie Paker、Billie Holiday、Nina Simone、Thelonious Monk、Bud Powell、Roland Kirk、Louis Armstrong、Lester Young、Pharoah Sanders、Duke Ellington、Dinah Washington、Charles Mingus、Django Reinhardt、John Coltrane・・・あと誰がいる? もっといっぱいいそう。最近はRed Garlandのピアノが好きです。

ジャズに名人や名曲はなくて、名演奏があるのみといわれるのも頷けるのだけど、「ジャズの歴史物語」のような迷路の物語の中で彷徨ってみるのも楽しいですな。

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とても天気が良くて、ああ、こういうのをカリフォルニア晴れというのかもしれない、などと知りもしないのに思い、自転車に乗り江ノ島を目指した。境川にそって相模原市の橋本から藤沢まで自転車道がのびていて、その道を走り、藤沢から江ノ島までは自動車のための標識などをたよりに下る。目的は一応、新江ノ島水族館と心に決めた。

新江ノ島水族館に着き、見学。大きな水槽でいろんな魚が泳いでいる。遠足の小学生がたくさんいる。イルカのジャンプなどを見た。くらげのコーナーとかあって、ふわふわと光って神秘的。魚さんたちを見ていると2時間ぐらい、あっという間に過ぎますな。

子どものころ親に連れられて、読売ランドの中の水族館を見たのを思い出す。けだるく蒸し暑く薄暗い館内に人もまばらで、いろんな海の珍しい生き物がたくさん生きていた。子ども心に何かとても強く魅かれるものがあった。読売ランドの水族館にまた行きたいけど、2000年に閉館したそうだ。残念です。

江ノ島の弁天様に御参りしたあと、帰路。藤沢の境川沿いの田んぼから見る夕日がとてもきれいだぜ。子どものころ、ふと気がつけば人さらいの出そうな夕刻がいくつもあって、急いで帰ろうとしたのだった。そして、夜もどっぷり暮れる。町田についたあたりで後輪が回るたびにシューシューと音をたてているのに気づく。なんと空気が少なくなっている。パンクかもと思い、空気が抜けるのとおいかけっこをするように家に帰った。あぶなかった。

もしも、江ノ島とか藤沢でパンクしていたらどうなっていたのだろう? 自分の危機管理能力、大げさにいえば、サバイバル能力が試されるなぁ。そんなことないか? その場になってみないと自分がどう行動するかわからないぞ。

1ヶ月前にテレビをケーブル・テレビで、隕石が地球に衝突したらどうなるかという内容の番組をしていて、なんでも、恐竜の絶滅は隕石が大きな原因らしいけれど、地球の人間の文明も確実に滅ぶだろうということだった。その中で生きのびていく人は、学校とかで教わったことには長けていなくても良くて、むしろ、直感的な判断力、直感的な決断力がある人だということだ。それともう一つ、見知らぬ他人と協力できる人が生きのびるらしい。未知の情報を知るということだそうだ。ぼくはどうか? あなたはどうだろうか?

山登りに行くと、みんなすれ違う時、こんにちはって言葉をかけあうけれど、あれは、こんにちはって言う時、もしもの時のためにお互いに顔や姿を確認し合っているのだと思う。

かなり前に、NHKで山での遭難のドキュメンタリを放映していたのだけど、10人ぐらいのパーティーで生きのびた人は2人か3人で、ことごとく間違った選択、ルート取りをしていたらしい。どこか、一つでも、別の選択をしていれば、こんな悲惨なことにならなかっただろうということだ。猛吹雪の中でホワイト・アウトし、道を見失い、すべて誤った選択をしてしまう彼らの再現ドラマは、悪魔か死神にでもとりつかれたかのようで、心霊ものの番組の数十倍は怖かった。

旅に出て、ローカル線で列車が雪で立ち往生したり、まぁ、思いがけないことが起こるのは多々経験はしている。一人で山で道に迷って、泣きそうになったことも一度ある。

パンク、直さなきゃね。
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袋をあけたとたん濃厚な海の潮の香りが広がります。濃いい味はビールのつまみに最高によく合います。

おまけに江ノ島の五頭竜伝説を・・・
江ノ島縁起(http://www.enoshimajinja.or.jp/enoshima_engi/enoshima-engi01.html)
いい話だなぁ。
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今夜、学芸大学前の近くのasian cafeで夜の8時から30分ほど弾き語りで歌っています。最近、弾き語りでちょこちょこ歌っているのだ。おひまな人で誰か聴きにきてくれるとうれしいです。

asian cafe
東京都目黒区鷹番3-7-4 レッドイン丸花2F
東急東横線学芸大学駅徒歩1分
asian cafe tel 03-3712-9993
http://www2u.biglobe.ne.jp/~m-satoh/asian%81@cafe.html

【DATE】 2009/9/6
【OPEN】 19:30 
【LIVE START】 20:00~
【ARTIST LIST】
 1st さかい えいちゃん きよたか
 2nd YOURI
 3rd Moi
 4th nikoichi
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この前見た「キャデラック」という映画の中で、レコード・プロデューサー、レーナード・チェスとシンガー、エッタ・ジェームズの別れのシーンでシカゴのチェス・スタジオでエッタが"I'd Rather Go Blind"を歌うのだが、本当はこのようなシーンはあるべくもなく、なぜなら、この曲の入ったアルバムの"Tell Mama"の全曲はアラバマ州マスクル・ショールズにあるフェーム・スタジオで録音されたもの。他にもこの「キャデラック・レコード」にはへんてこなところが少なからず見受けられるように思う。しかし、ウィスキーから手が離せないアル中っぽいマディー・ウォーターズでいいのか?

話をもどして、昔、Janis Joplinが"Farewell Song"というライブ・アルバムの中で"Tell Mama"という曲を歌っていて、この曲をもともと歌っていたEtta Jamesにたどりついた。このEttaの明るいパンチの効いた奔放な歌い方にJanisはかなり影響を受けたのではないかなど想像する。

時は1960年代、サザン・ソウル全盛時。南部はスタックスやフェーム、ゴールド・ワックス、サウンド・セブンなどのソウル・ミュージックのレーベルが群雄割拠していたのだ。アレサ・フランクリンやオーティス・レディングらもこの流れから登場した。ある時、チェス・レコードの社長であるレーナード・チェスはエッタにこんなことを言ったのかもしれない。

「エッタ、次のレコーディングはアラバマ州のマスクル・ショールズってど田舎の町の「フェーム」っていうスタジオで行うことになったから。そこのリック・ホールって男に会うんだ。話はつけてある。きみのその声はあの最近はやりの南部のサウンドにぴったりだと思うんだよ。明日の朝、飛行機で飛んでくれ」

エッタはそのスタジオに着いて驚いた。当時の南部はまだ人種差別が激しいころ、そのスタジオでは、白人と黒人が同じ部屋で混じって、素晴らしい音楽を作りあげようとしていたから。そして、そのサウンドはエッタの声にぴったりだった。

1960年代にはこんな話もある。オーティス・レディングが白人と黒人の混成のバンドで南部を巡演していたころ、黒人はこのホテルには泊められないと拒否されることがままあったそうだ。ああそうかと思い、彼ら、バンドはむかついてツアー・バスの中で寝泊りする。けれど、南部各地にちらばっていたインデペンデントな小さなレコーディング・スタジオの中では人種の壁はすでになくなりつつあった。

この"Tell Mama"というアルバム、アップ・テンポなかっこいい曲が並ぶ中、"I'd Rather Go Blind"は数少ないバラッドで、やっぱ名曲、名演奏、名唱です。こんな詞。

「なにかがわたしに終わりと告げている
あなたが彼女と話しているときそう思った
何か心の深いどこかで泣きなさいと言っている気がする
あなたが彼女とどこかで歩いているのを見た時

わたしは目が見えなくなりたい
あなたがわたしを去っていくのを見るのなら

わたしはあなたが大好きで
あなたがわたしを去っていくのを見つめていたくない
自由になんて、そんなものにもなりたくない

わたしはただ座って
あなたのキスや暖かく抱きしめられたのを思っている
その時、グラスにある飲み物を飲もうとして、くちびるを付けた
すると、涙がわたしからあふれ、ほほにつたわった

わたしは目が見えなくなってもいい
あなたがわたしを去っていくのを見るのなら
わたしは目が見えなくなりたい」

こんな気持ちになったことがありますか? サザン・ソウルの生み出した忘れられない一曲ですだ。チャオ・・・

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今日、新宿のピカデリーに「キャデラック・レコード」という映画を見に行った。ポーランド移民の白人、レーナード・チェスの立ち上げたほとんど黒人のミュージシャンばかりのレコードをリリースしたチェス・レコードの物語。もっとシリアス、涙ウルウルの物語を期待していたのだが、ちょっと薄味。マディ・ウォーターズやリトル・ウォーターのシカゴ・ブルースが映画館のハイファイでラウドなサウンドで聴けたからまぁいいか。しかし、レーナード・チェスがただ金のためにこのレーベルを立ち上げたかのようなニュアンスで描かれているようなところもあり、少し違うのではないかとも思ってしまった。

膨大なチェス・レコードのカタログを見るにつけ、凄いと思ってしまう。ブルース、リズム・アンド・ブルース、ドゥー・ワップ、ロックン・ロール、ジャズ、ゴスペル、ソウルとなんでもござれで、しかも、人種の壁を越えて運営されていたのだ。レーナードがいなければ、残されたブラック・ミュージックはたいそう貧相なものになっていただろう。好きじゃなきゃできないと思うし、偉大なる裏方だと思う。

こういう事を考えていたら、ジョン・ハモンドという人もいたと思い出す。この人も白人。かのカーネギー・ホールで「スピリチュアル・トゥ・スウィング」と銘うって、アメリカ全土からさまざまなミュージシャンを集め、人種音楽ではなく、これこそがアメリカの芸術なのだと宣言した偉大なるプロモーター、今の言葉で言うと、偉大なるコーディネーター。このコンサートで初めて、黒人と白人のミュージシャン、ライオネル・ハンプトンらとベニー・グッドマンらが同じステージに立ち、セッションをした。このコンサートでは、あの伝説的なブルース・マン、ロバート・ジョンソンも出演することになっていたらしいが、ロバートはステージに立つ前に帰らぬ人になってしまっていたらしい。

人種差別を越えようとした偉大なる裏方がいたのではないか。RESPECT!
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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