えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ

二月二十四日に新宿末廣亭にて令和七年二月下席昼の部を見ました。例のごとく、見た演目を書き連ねてみます。前座の柳亭すわ郎くんの「垂乳根」、二つ目 の三遊亭ふう丈くんの新作「ゲセワセワ」、古今亭伝輔師匠の「稽古屋」、おしどりのお二人の歌謡漫才、古今亭菊太楼師匠の「強情灸」、林家彦いち師匠の新作「長島の満月」、ストレート松浦さんのジャグリング、桂扇生師匠の「弥二郎」、柳家はん治師匠の新作「ぼやき酒屋」、林家二楽師匠の紙切り、古今亭志ん輔師匠の「噺家の夢」、柳家小さん師匠の「長短」で仲入りとなりました。金原亭馬治師匠の「子褒め」、ジキジキのお二人の歌謡漫才、吉原朝馬師匠の「六尺棒」、柳家さん遊師匠の「小言念仏」、アサダ二世さんの奇術、主任は柳家小袁治師匠の「柳田格之進」。
林家彦いち師匠の「長島の満月」は枕も含めて大爆笑でしたねー。アサダ二世さんの奇術の「今日はちゃんとやりますよ」に始まる脱力の芸の可笑しみ。主任の柳家小袁治師匠の「柳田格之進」には、みな、静まりかえって聴き入っていました。これは草彅剛さんの主演した映画『碁盤斬り』の原作でもあります。もう一つの原作は人情噺の『文七元結』であるでしょう。ぼくは二つ目披露公演での鈴々舎美馬さんの「文七元結」の圧巻が忘れられません。柳家小袁治師匠の「柳田格之進」は、今という時代を意識した納得の噺に仕上げておりました。変わるべきは変わりつつ、伝統は受け継がれていくのです。寄席はパラダイス。


彬子女王殿下の著しになった『日本美のこころ』を読了しました。この『日本美のこころ』は、先に出版されていた単行本の二冊『日本美のこころ』と『日本美のこころ 最後の職人ものがたり』を文庫本の一冊にまとめたものであります。彬子女王殿下が親しんでもこられた、さまざまな伝統工芸品や建物、古くからの日本の儀礼、それらを受け継いだ人たちを取りあげられておられ、近頃、日本の伝統の素晴らしさに目覚めたぼくには、垂涎の一冊となっております。
そういえば、この前、彬子女王殿下は黒柳徹子さんのテレビ番組『徹子の部屋』にお出になられ、皇室の一員であることについて語られておりました。今、彬子女王殿下は京都産業大学日本文化研究所の特別教授であられ、「日本文化の伝統を伝える土壌を作りたい」、「子どもたちに日本文化を伝える場を作りたい」という趣旨のもと一般社団法人「心游舎」の発起人代表として立ち上げられておりますが、その設立の際に、自ら銀行に出向かれ、法人の口座を作られたそうです。その口座を作る時、その提出書類に姓の欄は空欄にし、名に「彬子」とのみ記され、提出すると、姓が記されていなくては、口座をお作りすることはできない、と銀行の係の人はおっしゃり、彬子女王殿下は、わたしには姓はないのですが、と問答となり、困った銀行の係の人が、そのうち青ざめて、皇室の方ですか、失礼いたしました、と謝意を述べられた、とユーモアを交えて語っておられたのが、印象的でありました。
能楽を観ていると、古く皇族の方々や皇族に近い方々が主人公となっている話もたくさんあり、ぼくも、いつの間にか、日本が共和制になることに違和感を感じるようになりました。皇室の継承に関しては、いつかは消えるかもしれませんが、今は、政治と権力の汚濁に触れぬような形での、変えるべきところは変えつつも、その素晴らしき伝統を三島由紀夫のいう「伝統と文化の国、日本」として後世まで残すほうに行けばいい、と感じるものでございます。
日本美のこころ | 書籍


山田あかね監督の『犬と戦争 ウクライナで私が見たこと』を見ました。ウクライナでの戦時下の犬たちと、犬たちを戦争の惨禍から保護しようとする人たちをとらまえたドキュメンタリーでした。この映画を見ながら、犬を飼うと、犬と人は家族になるんだよな、などと自分の経験を思い出して、思う。この映画には戦争も生々しく記録されていて、たくさんの犬たちの死骸に目を背けたくなる。
この映画に出てくるイギリスの動物のレスキュー隊「BREAKING THE CHAINS」を立ち上げたトムはすごい。尊敬します。彼は元イギリスの軍人で、腕には入れ墨を一面にほどこし、屈強な兵士そのものだ。アフガニスタンでの従軍により、PTPSDになり、保護犬を飼うことにより救われたという。地雷の埋まっている戦闘の後の朽ちはてそうな民家の瓦礫に分け入り、何匹もの猫たちを救う。行方が分からなくなり、久方ぶりに連絡が来るのだが、ガザの瓦礫の中で動物たちを救っているのだ。トムは、自分のしていることは、ボランティアでも、仕事でもなく、人生そのものだ、という。かっこいい。ぼくは平和を祈るばかり。
映画『犬と戦争 ウクライナで私が見たこと』


川崎大師こと真言宗智山派金剛山金乗院平間寺の自動車交通安全祈祷殿で自動車交通安全祈願を行いました。おおよそぼくが一年間に一回に行っているこの祈願は、祈願であるとともに、けっして交通事故は起こしてはならない、との自分への戒めをかみしめるために行っているように思います。
祈願の後、自動車交通安全祈祷殿から少し離れている大山門から歩き、大本殿でのお参りをいたしました。川崎大師では、聖徳太子年祭が執り行われていて、川崎鳶工業連合会、川崎古式消防記念会会員の方々を中心とする川崎大師聖徳太子講の方々が参列し、法要後、若鳶会会員により「はしご乗り」が披露されておりました。
そして、ぼくは毎年、同じように「蕎麦膳はやま」で蕎麦を食べます。
川崎大師では「祈願」を「南無大師遍照金剛」と唱える「修行」とします。心が改まります。初心忘れるべからず。


たつき諒さんの著した『私が見た未来 完全版』を読みました。予知夢などということがあるのだろうか? 子どもだった小学生のころ、こういうオカルトみたいなことが面白く、好きだったのを思い出しました。黒澤明監督の名作『夢』にも予知夢みたいなことが出てきていたけれど、一部、それに類することは起こりつつも、実現はしてはいない。漫画家のたつき諒さんが見て、漫画や絵コンテの形で、この本で表わされている夢の一つは、アトランティス大陸やムー大陸の勃興のような壮大なものだ。
日本を定期的に襲う台風や地震の自然災害は日本人の民族性を決定的に形作っているとも思う。未来は現在によって変えられる、というのは確かな真実であるとも思い、むしろ、騒いだりせず、今は安寧のための清浄なる祈りの時でもあると思う。
私が見た未来 完全版


バーセル・アドラー監督、ユバル・アブラハーム監督、ハムダーン・バラール監督、ラヘル・ショール監督らによる共同監督での『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』を見ました。イスラエルのヨルダン川西岸地区でのパレスチナ人へ植民地主義による住民の強制の立ち退きと住民への度重なる暴力、暴力の末の住民の殺害をとらまえた、このドキュメンタリー映画は、イスラエルという国の邪悪な獣性のいまわしい性格を確かに事実で浮き彫りにする。
日本に目を向ければ、過去、日本も満洲国というものを偽の国家をでっち上げ、同様な振る舞いをしているのだが、これは二十一世紀の現在の映画であることに、ぼくの憂鬱は深まるばかりだ。もしも、自民党の国会議員でもあった山口淑子さんが生きていたならば、李香蘭であった、何度も自己を更新しつづけた彼女は、国会で、メディアで、市井で満腔の怒りの声を発しつづけているだろう。石破首相の立ち位置はあまりにも曖昧で危うく、不正義だ。
この映画がパレスチナ人とイスラエルのユダヤ人の共同で作られたことは、一縷の望みの筋でもあるのだし、彼らの友情に深い敬意を表しつつ、ぼくも希望を失わずに、帽子にパレスチナと日本の友好旗のピンバッチを付け、平和を祈るばかり。
映画『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』公式


国立能楽堂で能楽を鑑賞しました。狂言は大蔵流の「千鳥」、能は喜多流の「隅田川」。
「千鳥」は、酒屋に酒を買いに来た太郎冠者だが、酒屋からはこの前、酒を買った代金をまだ払っていないだろう、といわれ、それでも売れ、といい、問答となる。昔は後払いが普通だったそうだ。昔の日本人のおおらかな笑い。
「隅田川」は拐われた子どもを探して旅をし、遥か東方、武蔵の國まで来たシテの母が隅田川を渡ると、村人のたてた墓に行き着き、その墓が子どもを弔ったところだと知る。村人らとともに「南無阿弥陀仏」と唱えると、母には子どもの姿が見える。シテの梅若丸の母を演じ、舞う塩津哲夫さんは鬼気迫るものがあった。塩津希介くんの演ずる子方の梅若丸の登場に、ぼくの涙腺は、はからずも決壊したのであります。
「隅田川」は「梅若権現縁起絵巻」を元にした観世元雅の名作。観世元雅は世阿弥の三十歳代で夭折した子であるそう。塩津哲夫さんは重要無形文化財「能楽」保持者、塩津希介くんは塩津哲夫さんの孫かと思われます。感動しました。
現世の笑いの狂言、現世とあの世をまたいだ悲しみ、哀れみの能。能楽は素晴らしい。


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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。


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