えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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雨宮処凛さんの対談本「この国の不寛容の果てに」を読んでいて、熊谷晋一朗さんがこんなことをおっしゃっておりました。

「「障害者にも生産性がある」という言い方では、優生思想の枠組みの中でしか反論できていないことになるので。年商1億円はもちろん事実なのですけれど、べてるの家が大事にしているのはそこではないでしょう。彼らの働き方を見ていて私が思い出すのは、政治哲学者ハンナ・アーレントが言った、労働・仕事・活動の三類型なんですね。アーレントは、人間の活動には三つあって、労働(Lavor)、仕事(Work)、活動(Action)だと。そのうち労働(Lavor)は、衣食住を満たすためにために不可欠な、ある意味で仕方なくする作業のことで、基本的には動物もしていることです。対して仕事(Work)は、それまでに存在していない作品を生み出して後世に残し、人間の文化に何かを付け加えること。そして、活動(Action)は、政治的なコミュニケーションです。人と人が集まって自分に見える世界を表現しあい、共有された現実をつくりだすこと。アーレントは、この「仕事」と「活動」こそが人間の人間たる条件だと言ったのです」

この次に本では、精神障害等をかかえた当事者の地域活動拠点「べてるの家」で何が本当に大事にされていて、それがいかに画期的かを論じられているのだが、みなさまにはそれはこのすばらしい本で読んでいただきたく伏せておきます。

ぼくもこれからは、生産性がないといわれようとも、労働は少しづつ減らし、仕事や活動を充実させていく道を選ぶぞ。まずは自分のために書いておきます。

ハンナ・アーレントの「エルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告」はいつか読みたい。





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香港もそうだけど、チリやバルセロナやレバノンで近ごろ激しく熱いデモが行われている、そんなことも連想させるCafe★Lavanderiaは新宿の末広町の先ををもっと歩いた繁華街にあって、そこで辻村マリナさんのライブ「Make It Throuh the Night 夜をくぐり抜けよう」を見ました。

辻村マリナさん作られたり、作ったりしない、今を歌って今を生きているような歌に、そうだよなと、ほっとしたり、はっとしたりする。パーカッションのらぶたひさんのブラシロッドで叩くパーカッションも手堅く素晴らしかった。ゲスト出演のエリ・リャオさんの歌は環太平洋をめぐる一人ワールド・ミュージックのおもむきの楽しさ。

ラストは辻村マリナさんとエリ・リャオさん、らぶたひさんの歌えや踊れの大円団につづくジョン・レノンの「イマジン」。楽しい夜になりました。
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ある居酒屋のようなバーのようなライブバーのようなところで、天皇の代替わりの儀式「即位礼正殿の儀」をインターネットでの中継を見ていると、隣にいた女子から天皇制について意見を求められ、ぼくは、ああいうものは自然にいつかなくなって、天皇は世界平和財団とかの理事長になるといいのでは、と答えたのであった。いつかとは、いつなのかはわからなくて、世界の平和と日本人の幸福を祈る天皇ならば、普通の自由のない天皇陛下にはまったくお気の毒ではあるけれど、そのいつかは永遠に先のばしになってもよいとも思う。すると、若い女子の、天皇さんがいなくなると、日本はばらばらなっちゃうよ、との意見に、ぼくはなるほどと首肯してしまう切迫したリアリズムも感じていたのです。

中継を見ていると、天皇陛下がお言葉を述べられ、その中には、「国民と苦楽を共に」や「国民に寄り添いながら」という言葉もあり、その後の総理大臣の「万歳三唱」という木偶の坊の雄叫びのようなものとの乖離に、ぼくはひどく嫌悪感をともなうとまどいを感じ、困惑してしまう。

この儀式も明治政府によって伝統を切断され、改竄されたのであろうか? 高御座に立たれた陛下の表情にどこか怒りがにじんでいたように感じたのは、ぼくの想像的投影だけであろうか? 陛下の御心を察するのは難しいのだけど。

インターネットで見たところによれば、天皇制反対の声も見られ、デモも行われたらしい。ぼくはその意見にとくに賛成でもないのだけれど、まだ日本は、どこぞの国とは違って、まともな国なんだ、と安堵したのです。

実際に会ってしまえば、陛下とはなぜか、とても親しい友だちとなれそうな気がする不思議。実際に会えば、ぼくは、万歳とはとなえず、近頃はどんなご様子ですか、とご挨拶してしまいそうなのですが。

天皇、皇后、両陛下、ご即位、おめでとうございます。
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雨宮処凛さんの編著した「この国の不寛容の果てに 相模原事件と私たちの時代」を一気読みしました。雨宮処凛さんはファンでけっこう著作を読んでいるのですが、この「不寛容の果てに」は相模原での障害者施設で19人もの人が殺された事件に、何らかの意味や形で当事者として関わり続ける人たちとの対談です。雨宮さんの対談のお相手は、自ら障害のある子どものおられるRKB毎日放送記者の神戸金史さん、東京大学先端科学技術センター准教授で小児科医の自らも障害を持つ熊谷晋一郎さん、ずっと医療の問題、尊厳死の問題を追いかけ続けてきたBuzzFeed Japan記者の岩永直子さん、批評家で元障害者ヘルパーの杉田俊介さん、東京都池袋で炊き出しや医療相談も行う精神科医の森川すいめいさん、浦河べてるの家ソーシャルワーカーの向谷地生良さん。日本って何かすさまじくすさんだ国になりつつあるような気がして、希望があるとしたら、それに抗っているこの本で話しているような人や話されている言葉だろうと思い、心を閉ざしたり、単純な言葉を鵜呑みにしてもいけないとも思うのです。

この本を読みながら、ふと思い出したことが一つ。前に努めていた会社の朝会で、部長がやるかやらないか、白黒はっきりさせて行動しろなどと、口角泡を飛ばして檄を飛ばしているのをぼーっと聞いていたら、隣にいたKくんが、サカイさん、ぼくは大概、人間ってのは灰色だと思いますよ、とぼそっとぼくに声をかけてくれました。その言葉には目を覚まされたように感じ、ときおり思い出し、なぜか忘れられません。どうだろう、そのことはこの本と関係はないのかな?






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横須賀の三笠公園へ横須賀ピースフェスティバルに中川五郎さんを見に行きました。着いたら、イサジ式のイサジさんが歌っていました。昼食に焼きそばを食べて、次にインターナショナルなちんどんの風情のジンタらムータを見て、聴きながら、三笠公園の隣に地続きに停泊してある明治の戦艦の三笠の見学をしました。昔の戦艦って小さかったんだなぁ。この船はイギリス製なので、中はクラシックっで洒落た欧風です。ラストにじっくりと中川五郎さんの歌を聴きました。五郎さんの美しい怒りの歌が、アメリカーの軍港の空に溶けゆく。フェスティバルも歌もメッセージは、Freedom, Love, Peace on Earth!!
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島田裕巳さんの著した「浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか 仏教宗派の謎」を読む。日本の仏教にはいろんな宗派があって、今にいたるまでをのそれらを歴史的事実から新書サイズで雑駁に解き明かした本でした。国家護持から個人の救済へと歴史は進んできた、天皇のための宗教から庶民のための宗教へと流れてきたと理解しました。その流れの中で古い宗派も古い宗派のままではいられなくなったということもありそうだ。ただ、この本にはそれぞれの宗派の信仰については何も切り込んではいない。味気ない教科書のような内容でした。改めて、身近にありながらよく解らない日本の仏教の宗派について知る、そのきっかけにはなりそうな本です。

今は考えを変えたらしいのですが、島田裕巳さんはオーム真理教を擁護していたな。亡くなった吉本隆明や中沢新一さんもそうだった。そのことをきちんと再考し、乗り越えなくては、思想家や歴史家、学者としては先にいけないと思うのだが。





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「現代 アウトサイダーアート リアル −現代美術の先にあるもの−」展を見に、原宿にあるGYRE GALLERYに行きました。どの絵も本当にすばらしくて、図録(のような本)も買ってしまった。その本にはとても重たい、いろんなことを考えずにはいられないような論考や対談も載っていました。

この前、このアウトサイダーという言い方が差別だとの議論をインターネットで見かけましたが、その前に本物の絵を見ようよとぼくは言いたくなってしまう。

この絵描きさんたちに障碍者だからという謙譲はいらないし、ぼくは、絵を見て、会ったこともない心の友だちになれればそれで良いのです。

「現代 アウトサイダーアート リアル −現代美術の先にあるもの−」展
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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