えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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『文藝別冊 ジャニス・ジョプリン 孤独の破滅の歌姫、50年目の祈り』を読みました。

このムックの題名の「50年目」とは何の50年目かというと、去年の2020年がジャニスが死んで50年目、今年の2021年がジャニスの最期のスタジオアルバム「パール」が発売されて50年目だそうで、いろんな人のジャニスに関する文集なのです。

思い出せば、ぼくもティーンエージャーのころ、ジャニス・ジョプリンの歌が好きで、毎日のようにレコードプレイヤーでレコードをかけて、聴いていた。聴くのに飽き足らず、町田にあった古本屋、高原書店で買った、デヴィッド・ドルトンの著した「ジャニス ブルースに死す」を何度も読み返していた。今、アナログレコードを町田のディスクユニオンで買って、再び、買って、あのころのように聴いて、『文藝別冊 ジャニス・ジョプリン』を読んでいたりするのだけれど、この『文藝別冊 ジャニス・ジョプリン』を読みながらの通勤電車で、ぼくの目頭は何度も熱くなり、涙ぐんだのです。

ジャニス・ジョップリンを初めて聴いたのはいつのことだっだのだろう? 多分、それは中学生のころNHK-FMのヤングジョッキーで渋谷陽一さんが、「夏だからめずらしく、こんな曲をかます」とおしゃべりして流した「サマータイム」だったと思い出す。強烈だった。ぼくはあのころからずっと、ジャニスに恋しているのだと告白しよう。

いろんな文章が載っている『文藝別冊 ジャニス・ジョプリン』だけど、「ジャニス・ジョプリンのための断章」でスタイリストの北村道子さんが談話するには、彼女は1969年に比較言語学の研究者たちとアメリカを旅していて、「どうやらタダでマリファナが吸えるらしいぞ!」と情報を得て、ウッドストックに向かったそうなのだが、それはジャニスも出演したウッドストック・ミュージックフェスティバルだった。彼女はジャニスについて、こんな風に思い出している。

「歌い方の独創性、政治的な意思表明の呼びかけ、社会への態度が明確にある。ジャニスは社会学者になりたかったの? なればよかったのに。やりたいことを全部やればよかったのよ。でも、自らあのヴォイスを作ってしまったんだよね。その道のカードを引いてしまった。

 わたしの世代は心のどこかにジャニスみたいなものを持っているんです。好きとか嫌いとか、二元論じゃないんです。ああいうやつがこの世界にいたんだ、っていう」

ジャニスの歌は聞けばすぐわかるほど独創的だ。そして、独特の心を持った人だった。

ジャニスのティーンエージャーのころの過酷な経験。アメリカ文化研究のウェルズ恵子さんはこの本の「幸せになりたい人の炎の声―ジャニス・ジョプリンとブルーズ」でこう書いている。

「ジャニス・ジョップリンの声を聞くたびに、私は傷つく。でも、私はそうして彼女と―正直で勇敢な魂の彼女と―対話しているのかもしれない。ジャニス、できれば、生きて戻ってきてほしい。そして今度こそ、幸せになってほしい」

ぼくも、そう思う。





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歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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