えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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高森顕徹さんが監修し、高森光晴さんと大見滋紀さんの著した『歎異抄ってなんだろう』を読了しました。あー、吉本隆明の書いた親鸞についての本とくらべ、何と、わかりやすいことかと思いつつ、わかりやすいから、こんなんでいいのだろうかと疑心のわくぼくは、何とも救いがたい人間であることか。この『歎異抄ってなんだろう』は親鸞の語ったことを書いた唯円の歎異抄からいくばくかは離れて、親鸞聖人の説く「信」と「救い」について書かれておりました。この本のおしまいの章に歎異抄の原文が載せられていて、読み返すに、ぼくは、その歎異抄の第九章が一番好きです。ぼくなりに意訳すると、こんな内容なのです。

唯円「アホ禿さま、あっしには阿弥陀さまがお救いくださるというけれど、なんか、うれしいとも何とも感じられなーのです。どういうことでしょうか?」
親鸞「そーか、じつは、わたしもそれ、同じなんじゃ。なーんもうれしくもないし、信じているかもうたがわしい。そんな愚かで、いつもくよくよ悩んだりするあたしも阿弥陀さまは救ってくださった。なのとも頼もしいと思えませぬか、唯円ちゃん」
唯円「そうですな、なんか頼もしく、楽しく、うれしくなってきちゃいました」
親鸞「みんな、往生、間違いなしじゃ」

これは、落語のやっさん、くまさんですな。おあとがよろしいようで。






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吉本隆明の著した『親鸞の言葉』を読了しました。吉本隆明の本は愚鈍なぼくには難しくてよく内容が入らないし、心にも響かないから、読むのはやめよう、などと思いつつ、仏教、そして、浄土真宗や親鸞には関心があって、読んでしまった。

よかったのは、吉本の現代語訳の「教行信証」でした。とてもわかりやすかったです。ただ「[中略]」となっているところが多い。完全にすべてが訳された吉本隆明のの現代語訳の「教行信証」を読んでみたいが、すでに吉本隆明は故人となり、かなわぬこととなってしまっている。ちなみに、浄土真宗の葬式の時に僧侶が唱えるのは経文ではなく、この「教行信証」なのです。

この本には「『最後の親鸞』からはじまりの宗教へ」と題された中沢新一さんとの対談が載せられているけれど、二人とも麻原彰晃こと松本智津夫のオーム真理教にやられ、もっていかれたしまった。ほかに、この対談の中で小林秀雄の最後の著である『本居宣長』を煽上げていて、なにが、「もののあわれ」かとぼくは思ってしまう。

昔、吉本隆明と花田清輝との論争で、花田清輝は、真円より楕円の方が豊かだと書いていたけれど、ぼくも真円より楕円が好きなのです。






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原一男監督の『水俣曼陀羅』を見ました。水俣病患者と国との裁判の戦いを主軸に、チッソという会社による公害がもたらしたものをまるごと、とらまえようとする6時間以上もの長尺のドキュメンタリーで、ほとんど眠くならずに見れました。

半世紀以上の間、この水俣の公害でもたらされてものは解決されておらず、未だに戦いの途上でもあって、後世のためにもこの映画が残されてよかった、とぼくは思う。そして、日本という国は、足尾鉱山から福島第二原発まで、棄民を是とする政策の国であるように思え、暗澹たる気持ちになりながら、水俣病被害者やその支援者の明るさと笑顔にぼくは何だか励まされるような気持ちにもなりました。

エンディングロールで不知火海が映され、山を取り戻せ、川を取り戻せ、そして、海を取り戻せ、とぼくは心の中で叫んでおりました。

ぼくは、20年間もの間、このフィルムを撮りつづけてくれた原一男監督に感謝を、半世紀以上、戦いつづけた水俣の人たちに敬意を表したいと思います。

映画「水俣曼荼羅」公式HP
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瀬戸内寂聴さんの著した『寂聴精撰 美しいお経』を読みました。

こういうのを読むと、本当に寂聴さんはお坊さんだったのだなぁ、と思います。批評や難しい解説とかが書かれていないから、寂聴が心をこめて選んだお経が、その美しさとともに、ぼくの心に違和感なくすーっと入ってきて素晴らしい。

僭越ながらも、ぼくは寂聴さんを、なぜか、同じ何か大切なことのためにの戦っている同志のようにも感じていました。

巨星は堕ちたのではない。瀬戸内寂聴さんという星は、夜空をどこまでも高く昇っていてって、輝き、この暗い世界で正しい方を指し示す羅針盤の針のようでもあり、今、世界を照らしてくれているかのようでもあるのです。






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李琴峰さんの著した真新しい芥川賞受賞作『彼岸花が咲く島』を読みました。日本は言霊の幸ふ国です。この本の帯にこんな言葉が謳われておりました。

「流れ着いた島では<ニホン語>と<女語>、二つの言語が話されていた―」

不思議な小説のおしまいのところで、びっくりするようなことが綴られていて、それが暗い雲の陰る東アジアの一筋の希望のようにも思えました。言霊の幸ふ国に新たな小さい美しい物語が付け加わったかのようなのです。本の装丁もとても美しい。

読み終えたら、ふと、中上健次が生きていたらこの小説をどう評していたのでしょう、と考えていました。中上健次ならば、輝ける才能の李琴峰はもっともっと先に行けると咤激励していたと思います。

今は、注目すべき新たな新進作家、李琴峰に芥川賞受賞、おめでとう、と祝いの言葉をのべ伝えたく思います。






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浅草でぶらぶら旅をしました。天丼食べて、浅草寺への参道、仲見世を歩き、浅草寺と浅草神社にお参りし、きまぐれにぶらっと寄席、浅草演芸ホールに入って、落語で笑います。浅草のあまりにありきたりな王道がよい。

寄席は午後の二時半までの二部を見たのだけれど、春風亭小朝師匠は、急遽、お休みで、主任を努めた春風亭一朝師匠がいぶし銀の落語でよかったです。他の落語家たち、いろものの芸人さんたちは、今日は新春の顔出し興行で、五分という短い間で、存分にお客さんを笑わせてくれました。

いい一日になったよ。
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新宿末廣亭に行ってきました。今年初の寄席です。一日中いることもできたのですが、昼前の十一時から午後の二時半までの第一部を楽しみました。おいらは紙切りや手品のいろものも見れる寄席が好きよ。

トリというか、主任は笑点の大喜利の司会の春風亭昇太師匠。お正月興行だし、枕とちょっとした小話で笑わせてという感じかなと思っていたのだけど、ちゃんと落語を噺してくれました。やっぱ、落語芸術協会の会長、油のっているわ。それに声がでかいわ、活舌いいわ。あと五年かすると、これに枯れた渋みが加わり芸の高みに達しそう。

昇太師匠の前の前に登場したのは笑福亭鶴光師匠。今や、深夜のエロいラジオ番組で名をはせた鶴光も上方落語の重鎮。上方落語って、見台という講談の時の机みたいな台を置いて、扇子みたいな板でバチバチ叩くんだね。知らなかった。笑った、笑った。大阪に行ったら、上方落語を生で存分、見てみたい。

西であれ、東であれ、笑うところに福来る。間違いねーや。
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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