えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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『ドナルド・キーンの東京下町日記』を読みました。ドナルド・キーンさんがその二〇一二年十月六日から二〇一九年三月六三十一日まで中日新聞や東京新聞に連載した最晩年の日記集です。

ドナルド・キーンさんは数々の日本文学を英訳し、世界に紹介した人で、川端康成や大江健三郎のノーベル文学賞受賞も、キーンさんがいなければ、かなわなかったかもしれません。さて、キーンさんの英訳に大江健三郎さんの作品がないのはどうしてなのでしょうか? ぼくには分かりません。それから、新潮文庫のいろんな近代や現代の日本の小説の巻末の解説を書いておられるのもキーンさんです。

ドナルド・キーンさん、最後は日本に帰化もして、本当に日本が好きだったのですね。そんなキーンさんは筋金入りの平和主義者で近頃の日本に少なからぬ危惧を抱いていたことが『ドナルド・キーンの東京下町日記』を読んで分かります。ぼくも読みながらキーンさんにとても共感していました。空の向こうに旅立ったキーンさんの好きだった日本が、その日本でそのままありますように、ぼくは願い、祈ります。






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川崎市岡本太朗美術館に「小松美羽展 太朗に挑む―霊性とマンダラ」を見に行く。


まずは常設展の「太朗の創造展」。岡本太朗のお母さんであった小説家、岡本かの子の写経した観音経が、何か惹かれるものがあった。岡本かの子の小説を読んだことはあったかな? 「女体開顕」? 今度、読んでみよう、と思う。


岡本太朗のオブジェは好きです。相模原市の米軍補給廠の西門にも太朗のオブジェがあります。岡本太朗はパブリックアートがいいと思っていたそうだ。パブリックアートとは、美術館やギャラリー以外の広場や道路や公園など公共的な空間(パブリックスペース)に設置される芸術作品を指します。そういうところでも、岡本太郎の絵画の最高傑作は渋谷駅のJRと井の頭線を結ぶ大きな廊下にある「明日の神話」だ、と思い、太朗自身、パブリックアートというところでも本望であろう。


次に「小松美羽展 太朗に挑む―霊性とマンダラ」を見た。


京都にある真言宗の寺院、東寺に奉納される現代の曼荼羅であるかのような、大きな絵を見て、凄い、と感じ、鳥肌が立っていた。たまにこんな経験をします。Ry Cooderには"Chikin Skin Music"というアルバムがあるけれど、これは鳥肌音楽ならぬ鳥肌絵画。こんな経験は原爆の図丸木美術館で山内若菜さんの絵を見て以来です。素晴らしい。




狛犬の彫像が可愛らしい。この振幅が小松美羽さんの極みだと思う。しかも、この狛犬は、タイやインドネシアや中国、インドの東アジアと地下茎で繋がり、そこすら越え、世界中のネイティブの神々と魂を同じくしているのではないかしら?





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うらたんざわ渓流釣場で二匹目の山女魚を釣りました。この釣場の自然の渓流のままのキャッチ・アンド・リリースのフライフィッシング専用エリアであるヤマメクラシックⅠに入った時、クマタカが翼を広げ、どこかに去っていく姿とともに、鳴き声を聞きました。人がいるよと仲間に合図で知らせているのでしょうか?

あっ、魚がいると思いその方へ毛鉤を投げると、その魚がいるところとは別のところで、引きを感じ、釣りあげられました。毛鉤はマシュマロカディス。山女魚の保護色でぜんぜん分からなかった。弱って流されていく山女魚も見て、尻尾のところに鳥の爪の傷痕があって、もう少し、このエリアに人が入ったほうが鳥よけとしていいのではないか、などとも思う。その後、虹鱒もマシュマロカディスやテレストリアルの毛鉤で、ゾーンに入ったかのごとくたくさんかかって、このエリアでこんなのは初めてです。楽しかった。
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そういえば白塗りの暗黒舞踏って一度もちゃんと見たことなかったな、と思い、麿赤児率いる大駱駝艦の『おわり はじまり』の『おわり』を見に、世田谷パブリックシアターに行きました。

見て、「白塗り」とか「暗黒」とか、そいう言葉は門切り型の言葉は大駱駝艦には要らないな、と思いました。それは、それはエモーショナルでエロチックでドラマチックな舞踏で、麿赤児さんが宇宙のおわりを想像して作劇したものだそうです。作劇といっても舞踏には言葉はないですけど、確かに物語が男や女の肉体で語られており、素晴らしかったです。公演『おわり』が終わり、劇場のロビーを歩いていると、誰かが誰かの友だちに話す声が聞こえてきて、あたし、おしまいの方は感動して、泣いちゃったわよ、と話しておりました。ぼくは泣かなかったけれど、同感し、本当に素晴らしかった、もっと早く大駱駝艦の舞踏を見ていれば、よかったと思いました。

唐十郎の状況劇場から分派して大駱駝艦ができて、今年で五十年、おめでとうございます。来週は『おわり はじまり』の『はじまり』を見に行きます。

大駱駝艦・天賦典式 創立50周年公演 『おわり』『はじまり』
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バズ・ラーマン監督の『エルヴィス』を見ました。

トム・ハンクスが「スノーマン」を名のる悪徳マネージャーの気持ち悪いトム・パーカーを怪演していて、このトム・パーカーを語りべとして物語は進んでいきます。エルヴィス・プレスリー役のオースティン・バトラーは文句なくかっこいい。

BBキングとかリトル・リチャードとかぼくの大好きなブラック・ミュージックのヒーロがたくさん出てきます。南部のブルースやゴスペルから受けついだものエルヴィスには確かにあって、それは、乗りうつった魂のようなものでもあったのではないかしら?

ぼくが若かりしころ、エルヴィスのサン・レーベルのアルバムを気にいってよく聴いていました。クールなロックンロールが最高で、バラードの「Blue Moon」を聴いて、こんな寂しい歌はどこにもないと思いました。今でもそう思います。エルヴィスはこの寂しさから逃れるために、ロックンロールを歌い、そして、オーディエンスの女の子たちの絶叫もまじった大声援を受けるのことが生きているということだったのではないかしら?

ジョン・レノンはエルヴィスを兵役に行った時に死んだのさ、と言っていましたが、この映画でも大きく取り上げられている1968年の「Elvis Come Back Special」をぼくは昔、レンタルビデオで見て、それは、それはかっこよく、ジョン、それはちょっと違うのではないか、と思っていました。ビートルズの初期のジョン・レノンの歌い方はすごくエルヴィス・プレスリーに似ている、とも思うのですが、どうだろうか?

最期は四十二歳の若さでステージに立つために多用していた市販薬の乱用でぼろぼろになって死んでしまったエルヴィス。あなたは世界を変えるために神さまがつかわした本物の特別なシンガーです。

映画『エルヴィス』オフィシャルサイト - Warner Bros
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二泊三日の沖縄旅行に行ってきました。


1990年代に沖縄には度々、旅をしていたのです。その昔の時、沖縄を訪れるたびに、眩暈のするようなデジャヴ(既視感)を感じ、このデジャヴは何だろうと、いつも不思議に思って、何度も旅をしていたのです。今回の旅ではそのデジャヴはあまり感じません。どうしてだろうと思って那覇の街を歩いていけば、1990年代にはなかった沖縄の人から本土とか内地とか呼ばれている所のお店がとても増えているのに気づく。昔、来た時は、三越デパートとローソンのコンビニしかなかったのが、今ではコンビニは増え、何でもあります。それがデジャヴを感じさせる景色の何かを無くさせておりました。沖縄復帰から50年、本土並みといわれ、けれど、沖縄県の県民所得は日本で一番低く、不謹慎と言われてしまうかもしれないけれど、豊かになって失われたものもあるような気がします。あの頃は「ゆいレール」と呼ばれるモノレールも走ってなかった。1990年代は沖縄にとっての何かのはざかい期だったのだと思う。あれから50年、これから50年。COCCOの歌う最新アルバムからの「ラブレター」の詞を思い出してしまう。

アメリカ世(ユ)
りっかりっか湯
大和世(ヤマトゥユ)から
沖縄世(ウチナーユ)


けれど、公設市場のあたりの街並みはあまり変わっていないようでした。公設市場は今は建て替え工事中で、今はプレハブの仮住まい。そこで食べたてびち(豚足)はとても美味しかったです。夜八時半ごろ、与世山澄子さんのジャズソングを聴きに行こうと思い「Interlude」まで足を伸ばしましたが、開いておりませんでした。残念。



そういえば「ひめゆりの塔」って行ったことなかったな、と思い、訪れ、その後、平和祈念公園に行きました。「ひめゆり平和祈念資料館」と「沖縄県平和祈念資料館」を見学。見ながら、普通の市民を巻き込んだ沖縄戦は地獄だった、と思う。県民の四分の一が亡くなる地獄であった。日本よ、繰り返すな。「沖縄県平和祈念資料館」では明治の所謂「沖縄処分」からの展示で、リアルな本当の歴史が分かります。勉強にもなりました。そして、ドライブしながら、あー、海がきれい。その後、斎場御嶽(セーファーウタキ)へ行きました。慰霊の旅らしくにもなりました。夜は桜坂劇場で吾妻光良&The Swinging Boppersのライブを見ました。初の沖縄公演で気合のはいったノリノリで楽しく素晴らしい音楽。主催者の好意でBoppersの打ち上げにも参加できてしまい、吾妻さんともお話できました。長年の憧れのミュージシャンとの飲み会が楽しい。















帰りの那覇空港で飛行機を見て、名残惜しく寂しい。ぼくは沖縄が大好きです。また旅したいです。本島にもまた来たいし、今度は離島にも行ってみたいな。




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舘野鴻さんの著した『ソロ沼のものがたり』を読みました。どこかの山の奥深くの森に住む小さな生きものたちを主人公にした生と死の物語でした。みんな、生きて死んでいきます。当たり前のことのようですが、それが素晴らしい。この物語を読んだこれからは、ぼくは、歩いていると、足元に小さな生きものの気配を感じてしまいそうです。

なんだか、深沢七郎の小説を思い出してしまう。この『ソロ沼のものがたり』を深沢さんの『楢山節考』のようにぼくは何度も読み返すでしょう。それから、仏教の法華経の教えには、生きとし生けるものはすべて仏になることが出来ると説き、この世のすべてのもの、私たち人間も動物も草木もすべてに尊い命があり、差別なんて無い、無駄なんて無い、みんな一緒だということだそうです。『ソロ沼のものがたり』はそのような物語でもあるみたいなのです。






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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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