えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ
新潮文庫の三島由紀夫の小説集『手長姫 英霊の声 1938-1966』を読む。表題の二つの小説以外に『酸模―秋彦の幼き思い出』、『家族合せ』、『日食』、『携帯用』、『S・O・S』、『魔法瓶』、『切符』を所収。その中で『英霊の声』のみ特異な小説だという印象を受けた。
『英霊の声』は1966年に発表された小説で、三島自ら、この小説を書くために、戦後を、恥を忍んで、鼻をつまんで生きてきたと語っている。この『英霊の声』は、大江健三郎の『セブンティーン』と『政治少年死す』、深沢七郎の『風流夢譚』から連なる、大江健三郎いわく「天皇制を持っている国家」について考えるための最も有力なテキスト、ナラティブではなかろうか。そして、この後に、大江健三郎の『みずから我が涙をぬぐいたまう日』が続く。
三島由紀夫も大江健三郎も深沢七郎も戦争を経験した人間として、人生のある時期、天皇制を内面化しており、これらの五つの小説は、それぞれがそれぞれに反駁しつつも、共通の志を持った、日本という国を考える上で、最も重要な小説なのかもしれない。
『手長姫 英霊の声―1938-1966―』 三島由紀夫
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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