えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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黒澤明監督の『野良犬』をVODで見ました。1949年の日本映画です。この先輩と後輩の刑事の物語は、アラン・パーカー監督の『ミシシッピー・バーニング』のようではないか。『野良犬』の志村喬の演ずる先輩の佐藤刑事が『ミシシッピー・バーニング』のジーン・ハックマンの演ずるルパート・アンダーソン捜査官で、『野良犬』の三船敏郎の演ずる後輩の村上刑事が『ミシシッピー・バーニング』のウィレム・デフォーの演ずるアラン・ウォード捜査官のようです。もちろん元祖は『野良犬』の方ですな。そのような志村喬と三船敏郎の兄弟のような、親子のようなコンビがとてもいいし、ラインダンサーを演ずる淡路恵子もなかなかです。

ラインダンサーの踊る怪しげな場末のある闇市のシーンはセットではなく、ロケをしたシーンも多いそうで、とてもリアルです。とても退廃し、淀んだ戦後の日本の街というものを感じてしまい、そのような中で、敗戦国の日本の戦後を生きる日本人の悲しみも、この映画にはあるような気もしました。そして、この『野良犬』という映画の映像の構図は、すべてフレッシュでスタイリッシュでかっこいい。フランスの1950年代の席捲した所謂「フィルムノワール」と呼ばれるギャング映画の元祖ともいわれる黒澤の『野良犬』です。
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六月三十日、新宿末廣亭で令和七年六月下席昼の部でした。いつものように見た演目を書き出してみます。前座の柳家小きちくんの「金明竹」、二つ目の柳家小もんくんの「強情灸」、二つ目の林家ぽん平くんの「松竹梅」、小林けん太さんの音まね、柳家平和師匠の「死ぬなら今」、鈴々舎馬るこ師匠の「夢の国コブシーランド」、遠峰あこさんのアコーディオンと歌、三遊亭武蔵丸師匠の「不精床」、吉原朝馬師匠の「松山鏡」、江戸家猫八師匠の動物物ものまね、柳家さん喬師匠の「替り目」、柳家小満ん師匠の「宮戸川(お花半七馴れ初め)」で仲入りとなりました。柳家海舟師匠の「三方一両損」、林家楽一師匠の紙切り、古今亭志ん輔師匠の 「ふぜいや」、林家正雀師匠の「鼓ヶ滝」、鏡味仙志郎師匠と鏡味千成師匠のお二人の太神楽、主任は柳家小里ん師匠の「三人兄弟」でした。

柳家小もんくんの「強情灸」がよかったね。三遊亭武蔵丸師匠の「不精床」のなりきりようがとても笑えます。柳家さん喬師匠の「替り目」の正統の古典落語がうれしい。柳家海舟師匠の「三方一両損」は大岡越前も登場するの気持ちのいい政談もの。主任は柳家小里ん師匠の「三人兄弟」の絶妙な落ちになるほどと納得します。

暗いこの世のつらさ忘れ、寄席は心のオアシスなのです。
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ディーン・フライシャー・キャンプ監督の『リロ&スティッチ』を見ました。ディズニーの子ども向けアニメを実写化したものだそうです。

テーマは「OHANA」。「家族」のハワイ語が「OHANA」だそうで、宇宙の遠くの星で遺伝子操作で作られた知能の高い動物が宇宙船を自ら操って、ハワイに不時着し、いろんな騒動をまきおこし、父親と母親を亡くした姉妹と家族となるという物語。主人公の妹のリロを演ずるマイア・ケアロハの自然児ぶりがかわいい。それにもまして、奔放な犬みたいな暴れ者の宇宙の動物のスティッチがかわいい。そのスティッチがあるとき目覚め、心という不思議なものをを獲得するかのようなのです。そんな二人にあたふたとする姉のナニを演ずるシドニー・アグドンはシンガーのアリシア・キースにどことなく似ているのが気になります。

ハワイってこんなところでもあるのかと、旅に心が誘われるかのようでもあります。そして、素敵なハッピーエンドに、映画館につめかけたたくさんの小学生と同じく、ぼくの心はうばわれたかのようなのです。

実写映画『リロ&スティッチ』公式サイト
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早川千絵監督の『ルノワール』を見ました。こういう映画を見ると、フランソ・トリフォーの『大人は判ってくれない』を思いだしてしまう。『ルノワール』と『大人は判ってくれない』のラストは真逆なのだけれど、どこか同じような気もするのです。

お父さん役をリリー・フランキーさん、お母さん役を石田ひかりさんが演じています。石田ひかりさんがいい。小学生の子役の鈴木唯ちゃんがさらにいい。

舞台となっている時代は1980年代の初めのほうだというのは、林間学校でみんなでYM0の「ライディーン」をかけて踊るシーンから分かります。

子どもの頃、誰もがこの映画のような喪失を経験するような気もするのだけどどうだろう? その喪失感こそが、なぜか、これからの人生を人間らしく生きていく糧となるような気もするはどうしてだろう?

映画『ルノワール』公式サイト|絶賛公開中
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横浜のKアリーナで竹内まりやさんのコンサートを見ました。「Souvenir 2025 Mariya Takeuchi live」と題されていて、十一年ぶりのコンサート・ツアーだそうです。コンサートのタイトルの「Souvenir」とは「お土産」という意味らしい。十一年分のお土産ですな。

バック・バンドは山下達郎さんをリーダーとする腕達者で息の合った面々での完璧な演奏と山下達郎さんの完璧なアレンジです。

二時間半のコンサートがあっという間に過ぎていきました。もっといろんな曲がライブで聴きたい、とコンサート会場を後にする時、思ってしまいます。というのも竹内まりやさんの曲は名曲ばかりなのだ。しかも、それらの曲のどの曲も奇をてらったところのまったくないのが美しいポップスのど真ん中です。

竹内まりやさんの歌唱にも衰えなし。とても素晴らしいコンサートでした。いつか、次の何年か後にお土産を携えての再会のあることを切に願うぼくであります。
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パナソニック汐留美術館で『オディロン・ルドン 光の夢、影の輝き』を見てきました。

展覧会を見ながら、このルドンというフランスの画家の名前を知ったのは、ぼくがティーン・エイジャーのころの、たしか高校生の時だったように思い出します。マルキ・ド・サドの怪しげな小説を訳していた澁澤龍彦のエッセイを読んでいいたら、ルドンのことを大絶賛していました。そういえば、澁澤龍彦の周辺の怪しげなフランスの小説などを市立の図書館から借りてよくぼくは読んでおりましたな。マルキ・ド・サドの『悪徳の栄え』、J.K.ユイスマンスの『さかしま』とか『大伽藍』、ルイ・フェルディナン・セリーヌの『世の果ての旅』、ジャン・ジュネの『泥棒日記』とか『花のノートルダム』、ジョルジュ・バタイユの『マダム・エドワルダ』、ジャン・コクトーの『恐るべき子供たち』、次から次へと出てくるのだけど、わけも分からず読んでおりましたな。その後、ろくな大人になれたか、なれなかったかは、ぼくにはよく分かりませぬ。そんなころに澁澤龍彦の本の小さな挿絵で出会ったルドンに何十年もたって、本ものの絵という形で再会するのなんて、不思議を感じる、と同時に、人生ってあっという間だとも思います。

今、ぼくの晩年の心で見れば、昔、惹かれた初期のモノクロの不気味で暗い作品もよいけれど、何かが吹っ切れたかのような、カラーの、花瓶に活けられた花、女の人、神話に出てくる物語などを描いた作品もとても魅力的で、何か胸がすーっとして気持ちよくなるかのようなのです。
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青山学院大学で日本現代史の教授をされている小宮京さんの著した『昭和天皇の敗北 日本国憲法第一条をめぐる闘い』を読了しました。

小宮さんは、所謂、第三の聖断はなかった、昭和天皇は敗戦後、自らの権力に固執していた、と書いております。ちなみに、前の大戦における昭和天皇の聖断とは、軍部の、「国体」護持、連合国軍による占領の拒否、撤兵と武装解除は自主的に行う、戦争責任者の処分は日本側がする、という四つの条件を付けてのポツダム宣言の受諾の案に反対し、天皇の決断による1945年8月10日の「国体」護持(天皇制維持)のみを条件としたポツダム宣言の受諾が一つ目の聖断、8月13日のポツダム宣言の受諾による即時講和の天皇の決断が二つ目の聖断、三つ目の聖断とは、憲法についてのGHQ草案を受け入れ、静かに自ら権力を放棄し退場したとする、ことだそうです。その三つ目の聖断はなかった、と本書では断じています。昭和天皇が亡くなって、今年で36年、このような本『昭和天皇の敗北』が出されて、事実という真実が明らかになったようなのです。

日本国憲法憲法が発布されて以来、昭和の天皇は、質問に答えるということのみを例外として、自らの政治観やそれのたぐいに属することを公にすることは一切なくなりました。その口をつぐんだことが憲法と民主主義の定着に貢献したとする、歴史のあやと不思議な成り行きを感じつつ、それを初めて破ったのが2016年の平和的とされる平成の天皇のメディアをつうじてのおことばであることに、ぼくは困惑し、本を閉じたしだいです。

昭和天皇の敗北 日本国憲法第一条をめぐる闘い -小宮京 著
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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