えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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「異教 西江雅之写真展」に行ってきた。小さな写真展だったけれど、文化人類学者、言語学者の西江さんのエッセイはたくさん読んでいるし、その世界の小さな切れ端に少し、じかに触れることができたような気がした。

会場である世田谷区三軒茶屋にある生活工房に着くと、背の高い白髪の紳士がそのロビーに歩いていたのだけど、その人が西江雅之さんであることはすぐに分かった。声をかけられなかったのはなぜだろう。

ぼくの好きな写真家に藤原新也さんがいるのだけど、西江さんの写真は藤原さんの写真とはまったく違った印象を残す。西江さんの写真は、物語ではなく、率直な驚きとその驚きによる美しさなのだ。この写真の中の人々とその文化はすでに失われたと西江さんは言っている。ぼくは当惑し、もっとたくさんの写真を見たいとも思い、その驚きの美しさにもっと浸りたいとも思い、とむらいのような気持ちにもなる。西江さんの相反する二つの言葉を引用したいと思う。そこに何か西江雅之さんの表している世界の美しさの不思議を解く鍵のようなものがあるのかもしれない。

「私にとって人間は目の前に見える景色ではなくて、すぐそばで生きているのだ」

「自分の皮膚の外はみな異郷である」
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シロクマが書いた小説を読みました。ドイツのサーカスや動物園で生きた三代のシロクマたちが書き継いだ物語です。というのは、多和田葉子さんの著した「雪の練習生」を読んだのです。その奔放な想像力と限りなく深いやさしさ、生きものの生と死を見つめる真摯な眼差しに乾杯したくなりました。

かんぱーい! ドイツ語ではProst! クマ語では何と言うのだろう?

(画像はこの小説のモデルでもあるクヌートです)


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チャラというシンガーが岩井俊二監督の「スワロウテイル」という映画のヒロインとなり、それがきっかけでブレイクしたのはいつだったのだろうか。そして、その後、チャラのようなウィスパーボイスで歌う歌手が後から後から現れていった。最近デビューする日本のフェーメールシンガーは、どうして、みんな、チャラのような歌い方をするのだろう、と不思議にも思ったのだったけれど、今、彼女らはいったいどこへ行ってしまったのだろう。

ある時、チャラのライブ・ビデオを見て驚いたことがある。そのビデオの中で、ほとんど全編チャラは口を大きく開けて思いっきり歌っていたのだ。なんて、効率の悪い、燃費の悪い歌手だろう、とは思わなかったけれど、気づいたことは、彼女のトレード・マークのようになってしまった耳元で囁くような声から、泣き喚くような金切り声まで、さまざまな声を楽曲の場面場面で本能的に細かく出し入れして歌っていること。多くのチャラ・フォロワーのような歌手が消えていったことも了解した。

歌の世界は奥深い。

ところで、チャラってその生き方も含めて女の子たちのチャンピオンだとも思う。チャンピオンというのは誰かのために戦う人なのです。
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今夜も町田のWest Voxのオール・ジャンル・セッション、楽しかったねー。ぼくはHound Dog TaylerになったつもりでElmore Jamesの"The Sun Is Shining"を歌ったよ。今夜、にしやんのDonald Duck Dunnに捧げたOtis Reddingの"Dock Of The Bay"も良かったけど、一番かっこよかったのは、ナカジマちゃんのSheryl Crow、"If It Makes You Happy"かな。
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この前の日曜日の午後、代々木公園で開催されているワン・ラブ・ジャマイカン・フェスティバルにリックル・マイさんを見にいった。時間の都合かもしれないのだけど、たった3曲しか歌ってくれなかった。けれど、その曲順に何やらメッセージみたいなものを感じてしまった。1曲目はボブ・マーレイの"Nice Time"。これは、反語的な歌で、おれたちにはいい時なんかなかったぜ、と繰り返し歌う。次に、リックル・マイのオリジナル日本語詞の「マイ・スウィート・ホーム」という歌で、彼女の故郷に帰った時のことを歌った歌だと思われる。確か、彼女の故郷は岩手の被災地なのであった。ラストは、ドライ・アンド・ヘビー時代の"Love Explosion"。10年前には、ドライ・アンド・ヘビーのボーカリストでこの代々木公園のジャマイカン・フェスティバルで歌った、とMCをしていた。あぁ、そうだったのか、その時も、やはりおれは聴いていたなぁ、あれから10年も経つのか、時と光は速いもんだぜ、と思う。あの時、ギターを弾いていたリキタケくんは元気にしているかなぁ。10年間、負けつづけたおれたちだけど、愛だけはたまったぜ。

リックル・マイ、脱原発のデモでは、サウンド・カーに乗ってラバダブかまして偉いな、と思う。メジャーへ返り咲く、そんな欲もあるだろうに、いや、そんなことは、もはやどうでもいいのかな。ぼくは最近のかっこつけていない真っ直ぐな彼女の歌を聴くと、こんな風に思うのだ。レゲエ、特にルーツと呼ばれるレゲエは彼女の音楽の支えだし、支えているに決まっているのだけど、そこから、どうしてもはみ出してしまう時、しまわざるえない時、何かとてもグレートな音楽が生まれるのではないかしら。そんな風にぼくはリックル・マイの音楽を聴き、同じ時代に同じ場所で生きている人として見つめているのです。

などと言ってホーム・ページを見てみたら、新曲"The Life Is Simple And Beautiful"が大塚製薬のポカリ・スウェットのCMソングになっているのですね。これはこれでめでたいこっちゃ。みんな、彼女の歌を聴いておくれ。おれも大塚製薬のソイ・ジョイはよく食すよ。

リックル・マイさんのホーム・ページ
http://likklemai.com/
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世界中を舞台に八面六臂の活躍をされている尺八奏者の中村明一さん、その人の著した「倍音 音・ことば・身体の文化誌」がおもしろくて、一気に読めてしまう。

今は和楽器の大家である中村さんが若かりしころ、まず惹きつけられた音楽は、ロックの、特にジミ・ヘンドリックスだったそうだ。そのギターの音色に惹きつけられ、自らギターを手に、アンプにエフェクターを通してつなげ、どうしたらジミ・ヘンドリックスのようなギターの音が出るのか、日夜、爆音をアンプから出し、両親から睨まれながら、格闘したこともあったそう。そんな中村さんは、ある日、ふと、クラシックの現代音楽世界的の巨匠、武満徹の「ノベンバー・ステップ」を聴いてしまい、武満徹の聞いたこともないような音楽とそこで鳴らされている楽器、尺八の音に引きつけられ、電話帳をめくって見つけた有名な尺八奏者である横山勝也師に即座に弟子入りした。そんな人が中村明一さん。

ジミ・ヘンドリックスのギターの音と日本古来の尺八という楽器の音の共通点とは何でしょう? それが豊かな倍音であるそうだ。この本は倍音を切り口に日本の文化の深層やら音楽の不思議に多方面から迫っていく。何せ、東洋の果ての果ての島国の住民たちは、もちろん、それは私たちなのだが、彼らは、音を聞く時、西洋人とは全く異なった脳の使い方をしているという。西洋人には秋の鈴虫の鳴き声は雑音にしか聞こえないらしいのだけど、日本人にとっては、心地良い音楽として響き、その違いの理由の一つが、倍音に体する日本人の感受性にあるという。そんなことからこの本での話はいろんなところに行き来し、ぼくは、音って不思議だなぁ、その音を起点としてめぐる日本、その日本の文化っておもしろいなぁと再発見した気持ちにもなったのです。そして、デジタル処理されていない、生の演奏が、どんなに豊かさを含むのか、そんなことも再確認したようなのです。

濁った音色、音響の音楽が好きなぼくも、昔から倍音に惹きつけられていたのかもしれない。ぼくは今夜はギターを持って池袋のポルカ・ドッツに歌いにゆくぞ。そうか、アコースティック・ギターもたくさん倍音の鳴る楽器なのか。











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リヴォン・ヘルムが天国に行き、ドナルド・ダック・ダンが旅だった。なんとも寂しい。さらに、嘆きの元となるのは、ロックとソウルが終焉を迎えつつあるのではないか、と思えてしまい、ため息をつく。そして、あの頃のぼくを興奮させ、わくわくさせたような新しい音楽はもう、この世界には表われないのではないか、と思えてしまう。

こんな夜は、高校生の頃、毎晩、聴いていたドアーズを聴く。

ロバート・ジョンソンの魂よ、甦れ!

がんばれ、キース・リチャーズ!
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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