えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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友だちがこれ面白いよと言って貸してくれた大岡昇平の小説「野火」を読了した。

ぼくにこの本を貸してくれた友だちはこの小説を何度も何度も読み返したそうなのだけれど、なるほど、確かに、読み終えたなら、また始めから読み直してしまいたくなるのは、この本が発する重くて深い問いかけのためでもある。そして、その問いかけこそが、文学の神髄のようにも思え、この中編は世界にまさしく通用する文学であるとも思った。

しかも、最近の流行りの言葉で言うと、なんとも美しくブルリリアンなエクリチュールなのだろうか。そこで書かれ、語られているのは、戦争末期の日本の敗兵の想像を絶するかのような一人称の手記のようなもの。

ぼくは所謂、椎名麟三、武田泰淳、梅崎春生らの戦争経験者の戦後文学は、十代のころ、よく読んだものだったけれど、大岡昇平はぽっかりと抜けていたのを悔い、大岡の他の小説も読んでみたくなった。

そういえば、この大岡は中原中也の親友だったのだっけ。最近では右だの左だの騒がしくもある世の中でもあるらしいのだけれども、この大岡昇平って人は、それはそうだろう、この本に書かれているような戦争体験をすれば、何の組織にも依らず、本当に自由で反骨の人であるらしいのだ。

かっこいいなぁ。あこがれます。





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ウィル・グラック監督のミュージカル・映画「アニー」を見に、新百合ヶ丘の映画館、イオンシネマ新百合ヶ丘に行った。楽しい、いい映画でした。となりにすわっていた高校生の女の子は、ラストのハッピー・エンドにうれし涙の号泣をしていたし。

何か、ぼくの大好きなミュージカル映画「サウンド・オブ・ミュージック」を思い出したりした。「サウンド・オブ・ミュージック」での堅物のクリストファー・プラマー演じるゲオルク大佐が、「アニー」でのジェイミー・フォックス演じる誰にも心を開かない衛生恐怖症か何のような大富豪の社長で、「サウンド・オブ・ミュージック」での赴任し来た家庭教師のジュリー・アンドリュースの演じるマリアが、「アニー」でのクワベンジャネ・ウォレス演じるアニー、「サウンド・オブ・ミュージック」でのゲオルク大佐に抑圧されている子どもたちが、「アニー」での資本主義で本当は人生で何が大切なのかわからなくなっている大人たち、そんなことを映画を見た帰りの電車の中で考えてしまった。

「アニー」での大富豪の社長を演じるジェイミー・フォックスもおもしろくてよいのだけど、この映画の魅力はアニーを演じるクワベンジャネ・ウォレスのまぶしい歌と演技につきるでしょう。本当にかわいい、いい子なんだわ。そして、もう一人、この映画には特別な主役がいて、それはニューヨークの街そのものが本当の主役なのかもしれない。映画の大きな画面とサラウンドの音につつまれれて、今のニューヨークに行けてしまえるような感じ。だから、ニューヨークに行きたくなってしまいます。

映画は今の社会を移す鏡のようなものでもあると思えるのだけど、「アニー」の冒頭のシーンが第二次世界大戦前のフランクリン・ルーズベルト大統領の「ニューディール政策」を称揚する大胆なミュージカル・シーンで、今のアメリカ合衆国の社会の空気はこうなっているのかな、などと想像した。

映画のエンドロールを見ていると、プロデューサのウィル・スミスの名があった。DJ・ジャジー・ジェフ&ザ・フレッシュ・プリンスのラッパー、フレッシュ・プリンスがウィル・スミスという役者となり、今はプロデューサです。出世したなぁ。

家族で楽しめるミュージカル映画の傑作として、ジュディ・ガーランドの「オズの魔法使い」、ジュリー・アンドリュースの「サウンド・オブ・ミュージック」に続き、クワベンジャネ・ウォレスの「アニー」が付け加わりました。

もう一つ余談で、アニーの飼い始める犬がしっぽがくるくる巻いている日本犬でかわいいです。

http://www.annie-movie.jp
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映画の「バンクーバーの朝日」を見て、テッド・Y・フルモトさんの著した「バンクーバー朝日」を読み、続けて、同じくテッド・Y・フルモトさんの著した「バンクーバー朝日軍」を読了した。

「バンクーバー朝日」が史実に近い小説だったのに比べ、この「バンクーバー朝日軍」はあくまでもフィクション性を遠ざけ、本当にあった事実としてのカナダの日系野球チームをあぶりだそうとしているかのようだ。この本を読んで、初めて、著者のテッド・Y・フルモトさんがバンクーバー朝日の往年のエースピッチャー、テディー・フルモトの息子であることも知った。

あぁ、しかし北アメリカのかの地では、野球をワークするものではなく、プレイするもの、働いて何かを得たりするものではなく、ただ遊ぶためのベース・ボールであるらしく、だから、あきもせずに、子どもたちと同じく、子どもの心をまだ残り持っている大人たちも夕闇が来て白い球が見えなくなるまで、日本人差別、民族差別、人種差別をものともせず、遊び続けられるのだ。すばらしいではないですか。

ぼくもへたくそだけど、ギターを持って遊びに出かけますよ。それは何と言ったらいいのか、命みたいなものなんだな。






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免許の更新に行った。ついにゴールド免許になりました。何か、最近、車にも乗らなくなったのだけど、更新場所の警察署にも電車とバスで行き、スムーズにすましてしまって、ぽかっり時間が空き、さて何をしようかと考え、気まぐれに相模線と小田急線を乗り継いで、江の島まで散歩をしに行った。

江の島をぶらぶらすると、やはり江の島神社に行かないわけにはいかまい。江の島神社の松の内を過ぎて参拝し、また御神籤を引くと、阿夫利神社、大沼神社、箱根神社につづき、またもやありがたきお言葉を神さまから授かりつかまつった。しかも一番のご神託でもありました。こんなにも続くと、ご神威のようなものを感じ、胸騒ぎもして、何か、静かで穏やかな海のごとし清浄なる不可思議な晴れわたるような気持ちすら感じたのです。

みなさまにもご多幸を、ということで、披露させていただきます。

「朝日かげ たゞさす
    庭の 松ヶ枝に
 千代よぶ 鶴の
   こえの のどけさ」

ゆめゆめうたがうことなかれ
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ジョン・ニュートンが著し、中澤幸夫さんが編訳した「「「アメージング・グレース」物語 ゴスペルに秘められた元奴隷商人の自伝」を読了した。

著者のジョン・ニュートンは十八世紀のイギリス、リバプールに生まれ、前半生を奴隷商人として生き、後半生を神父として、そして、奴隷解放論者として奴隷貿易反対運動に関わって生きた人。

あのビートルズのリバプールは奴隷貿易で栄えた港町であったことは本当だったらしいし、本当に奴隷貿易などということがなされていたことを、ジョン・ニュートンの友人に残した手紙などでも知ることができる。

さらに、ぼくとはあまり縁のないらしいキリスト教徒の何か高潔で正しいようなところを、この本を読んで感じもした。そういえば、「代表的日本人」を著した内村鑑三も「武士道」を著した新渡戸稲造もクリスチャンであるのを思い出した。

そして、ぼくはゴスペルというアメリカの黒人たちによって教会で歌われた音楽が大好きなのだけど、そのキリスト教の何か素晴らしいところ、驚くべき恵み、Amazing Graceの精髄のようなものがジョン・ニュートンの作詞した「アメージング・グレース」には確かにあると思うのです。

ジョン・ニュートンの原詩を紹介し、この本を閉じ、二百年以上も歌われた「アメージング・グレース」というゴスペルに耳を傾け、すると、クリスチャンではないぼくも小さな声で歌ってしまうのです。Amazing grace!

Amazing grace!(how sweet the sound)
That saved a wretch like me!
I once was lost but now am found
Was blind, but now I see.

'Twas grace that taught my heart to fear.
And grace my fears relieved;
How precious did that grace appear,
The hour I first believed.

Through many dangers, toils and anares.
I have already come;
'Tis grace has brought me safe thus far,
And grace will lead me home.

The Lord has promised good to me,
His word my hope secures;
He will my shield and portion be,
As long as life endures.

Yes,when this flesh and heart shall fail,
And mortal life shall cease;
I shall possess, within the vail,
A life of joy and peace.

The earth shall soon dissolve like snow
The sun forebear to shine;
But,God who called me here below,
Will be forever mine.






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ケン・ローチ監督の最新映画「ジミー、野を駆ける伝説」を見ました。原題は"Jimmy's Hall"。ストレートに訳すると多分、「ジミーの公民館」。

この映画もそうなのだけど、最近のヨーロッパの映画はヒューマニティーに訴えるてらいのない傑作が多いと思う。この「ジミー、野を駆ける伝説」も素敵な映画でした。バリー・ウォードの演じるジミー・グラルトンはこの映画の監督であるケン・ローチ、その人であるかのようで、当世のヨーロッパの不穏な世界の中、直球勝負のメッセージに胸を打たれました。

話の筋のさわりを少しだけあかすと、アメリカからアイルランドのとある生まれ故郷に帰って来た主人公のジミー・グラルトンはアイルランドのとある村に、人々の学びと憩の場所として、貧しい村人たちと共同で集会所、ホール、公民館を作るのだが、ダンスに興じもするそこは、教会からは不道徳だとされ、上流階級の地主からは共産主義者だとののしられていく。さて、これがどうなるかは、興味のある人は、映画で見てください。もちろん、ジミー・グラルトンは実在の人物で、ケン・ローチは昔の事実から今の状況にメッセージしているかのよう。

それから、この映画を見ると、ヨーロッパでの宗教組織と政治、階級社会のことなどが、リアルとして感じられもします。昨今のフランスでの事件など、ぼくは、当惑しつつ、人を殺すな、と強く思います。

ケン・ローチ監督の日本で未公開の長編ドキュメンタリ"The Spirit of '45"も見てみたいのだけど。

http://www.jimmy-densetsu.jp
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コンビニで見かけ、つい手に取り買ってしまった吉田さらささんの著した「お地蔵さまのことば」を読みました。ほっとさせてくれるような本でした。全国各地のお地蔵さんやらの石仏の写真と短い文の本です。こんなお地蔵さんを見て、その向こうからかすかに語りかけてくれる言葉にそっと耳を傾ける、そんな旅をぼくもしたくなりました。






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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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